このPSC(パシフィック・シークラフト)製フリッカ1号艇については既に取り上げたことがある(リンク: [1]、 [2] )が、この艇が12月下旬、アラミダで売りに出されたことを CL (craigslist) で知った。
名前はダフニーだが、実は前オーナーがシアトル近辺に移住するということで約1年前に現オーナーの手に渡ったばかりだ。
この艇と昨日まで観たマンチキンを今一度見比べて見ると興しろい。このダフニーは1977年のPSC製。マンチキンは77~78年頃のノー’スター又はPSC製(恐らくノー’スター製)。デッキや艤装細部に違いが見られるが、どちらも同じハル・モールドから産まれたシスター・シップ。
相違点はコンパニオンウェイの位置・形状、スターン・プルピット・レイルやバンプキン、プライマリー・ウィンチやメインシートの装着法等。
スターン・デッキにオール・ロックが1本付いているのが目を引く。昔の日本の魯のロックとは形状が違うが、非常時に1本の長いオールを差し込んで漕ぐのだろうか。どれだけの実用性があるのか興味が湧く。
キャビン内の造作。このようにフォアからアフトを臨んだ写真は初めて。
ポート側にクォーター・バースは無く、すぐアイスボックスになっている。エンジン・アクセス口のカバーにはコンパニオンウェイ・ステップ2段が造り付けになっている。キャビントップのキャンバーが大きい(円みが大きい)のでキャビン内が余計に広く感じる。
クォーター・バース入り口が無い分、ギャリー全体がアフトに移動したのでギャリー・Vバース間に幅20インチのスペースが出来た。
同じ幅のスペースが対面のスターボード側にもあり( [写真] = 引き出し付きキャビネットとVバースの間)、両舷の間のソール(床)は他の部分より約7インチ高くなっていると言う。右舷、左舷、いずれかにヘッドが設置されていたのかも知れない。
実はアラミダに行った際、一等上の写真に見えるドック固定用の木製パイルやドックのプランクの張り方等を目当てにこの艇も方々探したのだが、会えなかった。オーナーの電話番号は分かっていたが、クリスマス・イヴという事で連絡は控えた。又のチャンスということもあるだろう。
(写真はいずれもPSC製434艇中001番 Daphne です。)
⇒ フリッカ・ホームページにある同艇の紹介