2010年11月30日火曜日

キャサリン - 帆走

ニューヨークの [ロング・アイランド・サウンド] を行くキャサリン。

スライディング・ハッチが開いている。










(小生どもは帆走中は安全のため基本的に常時閉じている。開けておかねばならない理由はない。)

これは別の日。メインをシングル・リーフしている。
















オーナーのメモによると、風約15ノット、艇速5ノット強。大体そういうところだろう。















(写真はいずれもPSC製434艇中174番目 Catherine です。)
フリッカ・スペックのページ

2010年11月29日月曜日

キャサリン - インテリア

このフリッカは3日前にベータの2気筒エンジン搭載の写真を取り上げた艇、ニューヨーク州のキャサリン。

ソールト・レイクの [クム] 同様、Vバースを区切るバルクヘッドが両側に付いている珍しい艇。




寒い地域では冬季はエンジンなどから水抜きして陸置きする艇が殆ど。







無論エンジンや清水タンク、配管などから水抜きするのは水が凍結・膨張して被害を及ぼさないようにするためで、冬に備えるという意味でウィンタライズという。

(写真はいずれもPSC製434艇中174番目 Catherine です。)
フリッカのリグ

2010年11月28日日曜日

ドロップ・ボードのドライ・フィット

塗料(ステイン+セトール)を塗る前に、新しいドロップ・ボード(差し板)がちゃんとフィットするか、実際に嵌めてみて確認。

ピッタリ収まった。












外からの確認もOK。錠前のための金具の位置を鉛筆でマークして終了。







(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのデータベース

2010年11月27日土曜日

オープニング・ポートライトのレンズ交換完了

左舷一等前のポートライトを入れて全ての作業が完了。

キャビン内がこれ程まで明るくなるとは思わなかった。









思わず26年前、ファクトリーから新艇として送り出された頃の様子に想いをめぐらす。






この日はThanksgiving Day だったので今年一年の楽しいセイリングを神と艇に感謝。ワインで乾杯。

出来上がった左舷。












作業中長い間良く辛抱してくれたね。










ひとつのプロジェクトの終わり。しかしこのオフ・シーズンにやっておきたいことはまだ他に多々ある。





(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。(全6ページ、各ページ一番下の Next>> をクリック。)

2010年11月26日金曜日

2気筒エンジン

フリッカのファクトリー搭載船内機はいずれも1気筒ヤンマー・ディーゼルで、年と共にYS8、1GM、 1GM10と変わって来た。

この艇は以前1気筒のBMWを載せていたが、最近ベータ・マリーンの2気筒B14HEに換装した。ベータはクボタの産業用エンジンを船舶用にマリナイズして販売するイギリスの会社で、B14HEのベース・エンジンもクボタだ。

[ベータのサイト] によると出力は13.5馬力。1GM10は9馬力だから150%大きい。

尚、個人で搭載したものにはやはり2気筒の [ウェスタービーク] や3気筒の [クボタ] もある。









トランスミッション。ギア比2:1。
















***

日本でも横浜のフリッカ3艇中の1艇が今年2気筒ヤンマー14馬力の [2YM15] に換装したそうだ。30ノットの向かい風でも艇速6ノットは出るという。(プロペラは3枚羽根だろう。波浪の状況は不明。)

尚、3枚羽根なら1GM10でも15ノットの風に向かい、6ノットで進むことは珍しくないそうだ。セレニティーは1GM10だがプロペラが2枚羽根で、スラック・タイド(潮止まり)でせいぜい4.2ノットしか出ない。

3枚羽根は2枚羽根より後進のコントロールがし易い(フル・キール艇は後進コントロールが難しいためこの点重要)という利点もあるし、いつかは3枚羽根、しかも帆走中の抵抗を少なくするためフェザリング・プロップに換えたいと思っているが、まだしばらくは2枚羽根でがまんする。(1GM10自体は2006年に新品換装したばかりなので換えない。燃費1時間0.6ガロンは堪えられない魅力だ。)

***

キャビン内から見たところ。











この艇はPSCがデッキ・モールドを新型に変える前のものだが、新型のエンジン・ベッドでも入らないことはないだろう。

エンジン・ダッシボード。











右上のキー差込口にはHEAT、OFF、RUN、STARTのポジションがあり、ディーゼル・エンジン車と同様に操作するようだ。

右下の黒いボタンはスターターではなく、ストッパーだ。これを押してエンジンを止める。

手前に見える白い蓋状のものはコックピット・ソール(床)。旧型のデッキ・モールドではコックピット・ハッチの土台になっているソール自体、このようにネジ止めになっていて [着脱可能らしい] 。エンジン換装、またスターン部へのアクセスなどに便利だ。

(写真はいずれもPSC製434艇中174番目 Catherine です。)
日本のヤフー・フリッカ・グループ

2010年11月25日木曜日

デイ・セイリング用ドロップ・ボード

ファクトリー・オリジナルのドロップ・ボード(差し板)は厚いソリッドなティークでずしりと重い。(ブリッジ・デッキが付けられた1983年当時3枚式だったものが後に4枚式に変わったのは1枚1枚を軽くするためと思われる。)重厚なのは侵入や浸入を防ぐ大切な板なので納得できる。

だがSF湾でデイ・セイリングやショート・クルーズをするだけの日常で頻繁に出入りするには重過ぎるし、ニス仕上げなので取り扱いにも気を使う。

そこで合板を使い軽量で取り扱いやすいものを作ることにした。以前のオーナーが作った [1枚式の物] もまだあるが、それは外した時、合板とは言え厚めの1枚式なので重く、その大きさから収納スペースもVバースということになりハンドリング面で難があった。

大体形が出来たところ。上下2枚を蝶番でつなぐ。









白っぽく見えている枠は全部ポプラ材。ところどころ染みになっているのは振動式電動ツールで外溝をカットした際に付いた焦げ目。その他接合部に充てたフィラーの色も見える。いずれも上からステインを塗るので問題ない。上下2枚の合わせ部分は通常雨の浸入を防ぐため斜めに切り、コックピット側に水が落ちるようにしてあるが、この差し板ではその細工は省略。代わりに合わせ部を2枚折りした銅板でカバーする。

差し板を外す時は、上の1枚をひょいと持ち上げると全体が外れる。外れたらすぐに折畳む。





画面左側のブリッジ・デッキに乗る部分には下駄を履かせてある。中央部寄りに付けた茶色の小さい木の棒2本が見えるだろうか。材料は腐食し難いレッドウッド。この下駄の歯のおかげで合板部がブリッジ・デッキ上に溜まる水に直接浸かることはない。また、蝶番でつながった差し板全体がすんなり所定位置に収まりやすくなるという効果もある(差し板を嵌める際、左右への傾き角度を微調整できる)。

クォーター・バースでも個室ヘッドでも簡単に置けて、軽量で取り扱い易く、そこそこ丈夫なものということをテーマにした。



蝶番は仮留め。この後実際に艇に行き、ドライ・フィットして収まりを確認した後、持ち帰ってステインとセトールを塗布。その後錠前用の金具、蝶番、さらに2枚の間からの水の浸入防止用として上の板の底部に銅板フラッシングを付ける。

尚、重さはファクトリー・オリジナルの3枚式に比べ約1/3。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関係のものです。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2010年11月24日水曜日

ラビング・ストレイク

Rubbing Strake(s) はRub Strake(s) と言う事もある。ハルの両舷に付いている、言わばフェンダーだ。PSC製フリッカでは1989~1990年頃スタンダードになったようだが、それ以前はオプションで、付いていない艇も多い。

これは右舷をハインド・クォーターから見たところ。少なくとも厚さ1.5インチはありそうな分厚いティークの板だ。




付いていると艇が一層ソールティーに見える。無論見かけだけではなくハルを傷つけない実用面もあるだろう。

全体像は [こちら] 3枚目の写真。

***

セレニティーには付いていない。5年前、当時カリフォルニアにあったPSCに値段を訊いたら1本約2500ドル(送料・税金別)だったのでPSCからの購入はあきらめた。その後どこかでティークを探して自分で造ろうと思ったが、プライオリティーが低いので今のところそのプロジェクトは棚上げしている。

ティークはスティーム・ベンド(スティームで木を柔らかくして曲げる)して装着するのかと尋ねると、PSCではそういう手間はかけずハルに対して人手で押さえてスルー・ボルトで固定していくのだという話だった。

一人や二人での作業となるとやはりスティーム・ベンドした方が楽だろう。

(写真はPSC製434艇中340番 Toucan です。)
Toucan ホームページ 左のメニューの Blog をクリック。

2010年11月23日火曜日

サブリナの図面

サブリナは設計者ビンガムのフリッカで、PSC#025。セイル・プランやリグを示すこのプロファイル図面は昔雑誌に掲載されたもの。図面どおりの実物は [こちら]

リグの高さなど方々をカスタマイズしたサブリナだが、この図面にもブーム・エンド型メインシートをミッド・ブーム・シーティング同様に前を向いて操作できるようにする [仕掛け] が示されている。

1本のシートながら実質的にはブーム・エンド、ミッド・ブームのダブル・シーティング。






(画像はフリッカ設計者ブルース・ビンガム自身が起こしたもの。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年11月22日月曜日

ジン・ポール

ジン・ポールとはマストの起倒に使うテコの役目を果たすポールのこと。

マスト起倒については [以前にも書いた] のでまずはそちらを参照され度。

今日は全く同じ方法でマストを起倒している別のフリッカのジン・ポール関係の写真を3枚。

マスト前方の根元部分に取り付けたジン・ポール。

両舷にはブライドル(Bridle)と呼ばれるラインが走る。いずれもリングに結わえられ、そこから細いワイヤーロープ3本が張られている(それぞれチェインプレイト、スタンションの根元、アルミニュームのトウレイルなどに結わえる)。





ブライドルはマストのシュラウドと同様の働きをする仕掛けで、作業中ジン・ポールが左右方向に倒れるのを防ぐためのもの。

ジン・ポールの先端からバウに伸びたラインを引っ張ればマストが起きる。















ジン・ポール先端のリグ。

フリッカではないが、同方式でマストを起てているビデオが [YouTubeに出ている] のでそれを見ると仕掛けの動きが分かる。











***

この艇は以前 [風変わりなフリッカ] として取り上げた艇だ。その時コックピットの造作が一風変わっている、と書いたが、現オーナーの話でその理由が分かった。この艇はなんとファクトリーから出荷された時点ではコックピットの無いフリッカ、つまりコックピット部分をフラット・デッキにカスタマイズして出荷されたフリッカだったのだそうだ。初代オーナーの注文だったのだが、その後何代目かのオーナーがコックピットを造ったのだという。

コックピットの無いフリッカは現在シリーズで取り上げている [この艇] だけではなかったのだ。

***

(写真はいずれもPSC製434艇中、172番目 Right Jack です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年11月21日日曜日

ペリカン

今日のフリッカは以前インテリアだけ覘いた1980年製 [ペリカン]

フロリダ半島東海岸、[スチュアート] に係留。バハマの一番近い島まで70~80マイルの距離。バハマ諸島をクルーズしたことがあるのかも知れない。













これはメイン・ハッチ(スライディング・ハッチ)を目一杯前に押して開いた状態。1983年にPSCがデッキ・モールドを新型に更新するまでのフリッカには基本的にシー・フッドは付いていない。(下記註参照

旧型のファイバーグラス製メイン・ハッチはこのようにブリッジのような2本の山がアスワートシップ(左右方向)に横切っているのが特徴。

これはハッチの補強のためというより、前方から来るスプレイなどの水の流れを止めて横に流すためなのかも知れない。

ハッチ・トラックにはスカッパーも無いようだ。





昨日のセレニティーの写真を見ると分かるが、シー・フッドのある後期のタイプはシー・フッドの下、前と後ろ計2箇所にスカッパーがある。シー・フッドを取り外すと下がどうなっているのかますます見たくなって来た。

***

: 昨日のポストで、当初 「1984年中頃まではシー・フッドはオプションだったので付いていない艇も多い」 と書いたのは誤り。その本文も訂正済み。

[フリッカ・データベース] で Search フィールドに例えば1980とか1981とか古い年数を入れて検索結果のフリッカの写真を参照され度。1983年艇では両方の型が混在している。例外は1981年製 Kawabunga! で、これは1990年代初頭、当時フラトンに移ったばかりのPSCファクトリーで、改造したため。この時ハル両舷にティークのラブ・ストレイクも装着、そのすぐ後ハワイ経由南太平洋へのクルーズに出た。

尚、1979年製の Dart は特製のシー・フッドを装着している。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1980年製 Pelican です。尚、この Pelican は同名の [PSC#269] とは別艇。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。

2010年11月20日土曜日

シー・フッドのコーキング

シー・フッドはメイン・ハッチ(スライディング・ハッチ)をスライドして開けた時にハッチが収まる場所のカバーだ。大きい波のしぶきがデッキを舐めるような海でメイン・ハッチとキャビン・トップの間から海水が入るのを防止するのが目的だが、1983年にPSCがデッキ・モールドを新型に更新するまではシー・フッドは付いていなかった。

セレニティーではシー・フッドの足回りをコーキング(シール)している。4年前の雨のシーズンに施したコーキングはまだ充分用を成していたが、黄ばんで見栄えが悪くなっていたこともあり、劣化して水漏りし始める前にと思い、先週末新しくやり直した。

これは左舷側。白っぽく見えるのが新しいコーキング。









古いものを剥がして素地をきれいに掃除し、新しいコーキングを埋め込むという作業に全体で約3時間。その時間の殆どは古いものの除去と素地のクリーニングに費やした。ペイントやこの種の塗布物の作業は、実際の塗布作業の前に素地をいかにきれいにしているかが成否の鍵になる。

左舷側前方。

階段のステップのように一段高く斜め上に上る箇所が急所のようだ。





右舷側前方。

同じく階段のステップのように一段高く斜め上に上る箇所が急所。





ここを完全に塞がないと他をいくらやってもリークする可能性は大きい。

***

そもそもシー・フッド足回りをコーキングしたのは4年前、雨のシーズンに入り、ある日突然リークし始めたからだ。

これがリークの痕跡。右舷側、マスト・アーチの下から漏れていた。








気付いたのは雨の日の翌朝、艇に来た時。漏れた雨水は約50cc。キャビン側壁を伝って下のセッティーに落ち、クッションの下に溜まっていた。(クッション・カバーはビニール製。)

流れた量はわずか50ccとは言え、ティークの壁に残った痕は消えない。ティーク・オイルなどでいくらカバーアップしようとしても、どうしても周りより明るく浮き出てしまう。

リークしたマスト・アーチのスターン側はちょうどシー・フッドの前側あたりになる。







シー・フッド周辺部と同時にデッキ・オーガナイザーの足回りもコーキングした。それ以来4年間、一回もリークはない。

***

リークの原因を特定したいところだが、これらのコーキングで処置できているため、今回もまたイージーにコーキングのやり直しだけで終わってしまった。

次回こそシー・フッドを留めている一連のネジを外し、シー・フッド自体を取り外してその下を細かく検査してみたい。今回古いコーキングを除去した時、その先にかなり劣化しているシー・フッドのガスケットらしき物を視認できた。そのガスケットを交換すればコーキングは不要になるかも知れない。デッキ・オーガナイザーも一度外して、装着し直すべきだ。

その時はまずマスト・アーチ部分の天井ライニングのジッパーを開け、内部のインシュレーション用クッションを取り出し、天井にベイビー・パウダー(天花粉)を撒いてから、水道の水をホースでキャビン・トップに流し、リーク箇所を特定したい。パウダーの散布なしでは、いくら目をさらにしても、手で注意深く触っても、いったいどこから漏れて来たのかの判断は極めて難しい。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・スペックのページ

2010年11月19日金曜日

オープニング・ポートライトのレンズ交換 7

時間はかかるが少しづつ進展しているポートライトの作業。

前回長さ約1インチのヒビが入った右舷真ん中のポートライトもやり直したものが1週間後無事に収まった。




交換前と比べて太陽光線の透過率が高く、キャビン内が明るい。








右舷は写真に写っていない個室ヘッド中の大きいポートライトも含めて全部完了。

左舷真ん中も右舷真ん中と同時に仕上げて、残りは左舷前方の1個だけとなった。






早く一番前の眼帯を外してやりたい。今週末には完了させる予定。








(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのデータベース

2010年11月18日木曜日

セイラー

アメリカの何処かで帆走中のPSC製フリッカ、セイラー(スペルは Sailor ではなく Salar )。コックピット上にうまい具合にビマイニを付けているのでフロリダかどこか南部の海域かも知れない。

良く見るとメイン・シートはミッド・ブーム型だ。ブーム・エンド・シーティングだったらこのようなビマイニ装着は恐らく無理だろう。

ワーキング・ジブ(100%ジブ、#2ジブ)は色物。メインはセイル・マークを見るとハルの部分がソリッドになっている(フリッカのセイル・マークについては [こちら][こちら] を参照)。両セイルとも何代目かのオーナーが新調したのだろう。






ポートライトはプラスチック製の長方形。セイラーのハル番号は292。292と言えばハル製作時期は1984年6月頃だ。その当時でもまだこの型のポートライトがあったとは驚きだ。キット・ボート(オーナー・コンプリーション・ボート)だったのだろうか。

ちなみにセレニティーは#295、1984年7月製。

***

余談だが、青いジブだと遠くから見てもこの艇と特定しやすいだろう。小生のマリーナにフリッカではないが艇の視認性を高めるためにトランサムだけ真っ赤に塗ってある艇がある。その艇はレース時多数の艇の群れの中にいてもすぐ分かる。単独で走っている時は2マイル後方からでもはっきり確認できる。無論、両方のセイルを [タンバーク色] にすればそれだけで目立つかも知れない。

(写真はPSC製434艇中292番 Salar です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年11月17日水曜日

ブーム・エンド・シーティング

ブーム・エンド型のメイン・シート。












11月初旬、日没前のパシフィック・ノースウェストをビーム・リーチでゆっくり走るトゥーカン。

(写真はPSC製434艇中340番 Toucan です。)
Toucan ホームページ 左のメニューの Blog をクリック。

2010年11月16日火曜日

レイヴァック・ヘッド

ヘッド(トイレ)の話。

USヤフー・フリッカ・グループのメンバーで自分のフリッカのヘッドをレイヴァックに換装した人が二人いる。

この写真はニュー・イングランドの [スカウト] 。レイヴァック(Lavac)はクルーザーの間で水洗力が強く、なかなか壊れないという定評があるそうだ。

ちなみに一回流すのに約1.5ℓの水を使うというから、ことさら節水(汚水タンクの容量が限られている場合には重要)にはならないようだ。





ポンプは手動式、電動式、いずれも装着可能。

この艇ではヘッドのすぐ後ろのバルクヘッドに手動式ポンプが装着してある。手前に突き出ているのはそのハンドル。



尚、手動にしろ電動にしろ、レイヴァックのポンプは配管により、ビルジ・ポンプ、またヘッド・ルームにシャワーを設置した場合のサンプ(排水)ポンプとしても共用できるそうだ。

***

さて、この写真で興しろいのはこの改造汚水タンク。ファクトリー製タンクは左下に見える木の蓋のある部分から下のハルをそのまま利用したビルト・イン式。

この艇ではファクトリー・タンクのカバーを取り外し、ハル内部を清浄、その一部を見ての通り収納にしてしまった。無論、木の蓋は新装。

管はポンプから喫水線上に上った後、容量3ガロンのポリ・タンクに降りるが、タンクに入る直前のところにYバルブがあり、排泄物をタンクに入れるか、スルーハルから艇外に出すか選択できる。(注:アメリカでは排泄物を湾内・湖内は無論、外洋に面した海でも海岸から3マイル以内で海に棄てることは厳禁。このためヘッドを備えた大小あらゆる船艇は沖に出ない場合、排泄物はすべてホールディング・タンクに溜め、マリーナや港湾のパンプ・アウト施設=どこでも使用無料=でタンクを空にする。)

タンクからはパンプ・アウトのための管が伸びている。(* 下記註参照

***

このオーナーは方々いじるのが好きな人で、右舷にあるコックピット・ロッカーを広く使うため、通常ロッカー内にある手動ビルジ・ポンプを左舷クォーター・バースの隅に移した。また、エンジンのストッパーは使い勝手の点からコックピット内に出している。

それだけ利用可能スペースの広くなったコックピット・ロッカー内に特別発注の汚水ポリ・タンクを設置することを検討中という。タンクから下にスルーハル配管を付ける。排出許可海域ではスルーハル・コックを開け、禁止区域では閉じておく。タンクの位置が喫水線より高いのでスルーハル・コックを開けるとタンクは重力によって空になる。パンプ・アウトの手間もいらないというアイデアだ。

そうすればヘッド後方のスペースからタンク、およびYバルブ配管、パンプ・アウト配管が除去でき、同スペースのセイル・ロッカーとしての使い勝手が良くなる。

***

後日註: 汚水タンクに入ったものはパンプ・アウトではなく、タンクから伸びた管から専用のスルーハルを通して海中投棄するようになっているようだ。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年11月15日月曜日

マリーナまで0.65マイル (Video)

40フィート艇も出て来た。通常セイルを揚げるエリアを抜けてどういう訳か機走で北へ向かっている。



勿体無いな。人手が足りないのだろうか。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2010年11月14日日曜日

マリーナまで1マイル (Video)

西風13ノット。

マリーナから出てきたばかりの反航艇、Reef Early (リーフは早めに)の原則に則ってメインを既にシングル・リーフしている。



これから約17ノットまでビルドアップするという予報が出ていた。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。(全6ページ、各ページ一番下の Next>> をクリック。)

2010年11月13日土曜日

ルーワード (Video)

スターンから風下側を望む。



フリッカのメインシートは殆ど全てと言って良い程ブーム・エンド型だが、見ての通りセレニティーはミッド・ブーム型。以前USフリッカ・グループでこの件が話題になった時、ミッド・ブーム型と名乗りを上げたのはセレニティーの他にもう1艇だけだった。ちなみにPSCフリッカの図には [ミッド・ブーム型が描かれている] 例が多い。

***

一般にミッド・ブーム型の場合、ルース・フットのメインは避けるべきと言われる。ストレスがタック、クルー、およびシートの付いているブームの真ん中にかかり、タックでブームが強烈に振れた際、シートを装着するためブームに付いているU字型の金具(ベイル)装着部のブーム本体が折れる可能性があるためと言われる。特にブーム・エンドを吊り上げるトッピング・リフトをきつく張っていたら危ない。

フットにスラッグ(スライド)が付いているメインであればベイル装着部へのストレスはかなり分散される。強風下でタックする際(特にビーム・リーチから反対舷のビーム・リーチまでタックする時のようにブームの振れ幅が大きい場合)はジャイブ時と同様にシート・イン、シート・アウトすれば心配ない。

ミッド・ブーム、ブーム・エンド、いずれの型にしろ、長期航海に出る時はブームが強く振れて突然ブームのシーティング箇所に大きなストレスがかからないよう [ブーム・ブレーキ] を装着するのも一考に値する。

***

ミッド・ブーム型は前を向いたままシート操作できること、帆走中にブームが浮きにくいこと、コックピットが広く使えること、など利点があるので気に入っている。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのリグ

2010年11月12日金曜日

スターンから (Video)

レイルに乗って前方を望む。



デッキ上の長さは20フィート(LOD = Length on Deck)、バウスプリットと外付けラダーも入れると24フィート(LOA = Length Overall)。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・スペックのページ

2010年11月11日木曜日

キャビントップから (Video)

陽光に向かう。



この時およそ正午。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのデータベース

***

尚、こちらは今年の夏、南カリフォルニアは太平洋に大きく開いたサンタモニカ湾でイルカの群れと共に進む [ノウマッド(PSC #054)]

***

2010年11月10日水曜日

コックピットから (Video)

静かな帆走。



しばし自分が乗っているつもりでご覧あれ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー・フリッカ・グループ

2010年11月9日火曜日

フォアデッキから (Video)

10月25日のセイリングのつづき。

太陽に向かってキラキラ光る海面を進むのは気持ちが良い。



それにしても10月末でも太陽はかなり南寄りに回っている。尚、アンカリングの予定のないベイでのデイ・セイリングではバウ・アンカーはバウスプリットのプラットフォームから外している。その方がジブのハンドリングのための足場が広く確保できて安全。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年11月8日月曜日

オープニング・ポートライトのレンズ交換 6

11月6日土曜、二組目(大1小1)のポートライトを艇に取り付けに行った。

右舷側真ん中の小さなポート。

一見全てうまく行ったように見える。






しかしガラス上部、左側寄りに亀裂が入っている。

角度を変えて見る。












スタンションのすぐ左、向こうの青いハルのセイルボートのバウを背景に斜めに入った亀裂が見えるだろうか。

この亀裂は艇に取り付けるまでは無かったのだ。装着後、ポートを閉じるための締め具を締めすぎたのだろうか。

一週間前のペア、並びに本日の大きいポートライトは何事もなく収まってくれたのだが。

自宅に持ち帰って検査。

ガスケットを外し内枠のブロンズを慎重に取り外したところ。




この写真では右上の部分、木片を背景に縦に入った亀裂が見える。

ガラスの上に乗るブロンズ内枠を留めるビスがそこだけ余計に強く締めてあったとは思えない。無論亀裂は微妙な圧力のちがいでここに入ったのだろうからすぐ右上のビスだけ他より強く締まっていたのかも知れない。とにかく次回からはビスは全て程々に締めることに留意したい。

ひょっとしてブロンズ内枠の当該部分だけが他より微妙に盛り上がっているのかも知れないが、目で見た感じでは判らない。逆に外枠のガラスの乗る部分に盛り上がりがあるのだろうか。しかしどこも平均にベディング・コンパウンドを塗ってあるし、どうだろう。

寄って見たところ。












この亀裂、ラミネートのPVBをはさんで写真手前側(艇に装着すると外側)のガラスに入っているようだ。

やはり艇に取り付けた後、閉じるための締め具の締めすぎが直接の原因で、そこだけ何かの理由で他より強い圧力がかかったのだろう。

考えてみれば、この1枚だけグラインダーでのグラインドが足りなかったかなという気もする。亀裂の入った直線部は枠に対して余裕があるが、カーブの部分は4箇所ともきつかった。グラインドしてからエッジ面にエポキシを塗って枠の中に入れるのだが、中に入るのがぎりぎりだった。そういうところから皺寄せが来ているのかも知れない。次回からもう少しグラインドし、枠に入れる際全体的に余裕を持たせることに留意したい。

***

装着後、閉じる時にも注意が必要だ。亀裂の入った場所はポートの締め具のある下側ではなく上側。やはり締め具の締めすぎが直接の原因だろう。というのも、ポートライト上部は蝶番式に吊り下げる訳だが、新装のポートライトはガスケットが厚く、ポートを閉じる際にポートライトの上部(蝶番部)を一度グイと手前(艇の内側)に引いて余裕を持たしてから下部の締め具を締めるようにしなければ、上部に圧力がかかりすぎる。今までのヘタったガスケットのつもりでただグイグイ締めるのは良くない。この1個だけこの点不注意だった気がする。これが今後留意すべき第3点だ。

とにかく小1枚はガラスのカットからやり直し。

大きいポートライトは左舷側に無事装着。









同、外から。












ポートをカバーするためのビニールを留めていたガムテープの跡がベタベタしていた。それを除去するため軽くサンドしたらジェル・コートの元々の色(ベージュ)が出てきた。周りが紫外線ですっかり白くなってしまっているので目立つ。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2010年11月7日日曜日

コックピットのないフリッカ - リストア進行中 13

造作は大部分完了した。とにかく雨の降るシーズンに入ったので雨が降っても漏れたり浸み込んだりすることだけは避けなければならない。(というのが下の作業の理由らしい。エポキシでファイバーグラスを積層してあるので漏れはないと思うのだが。)

まずはコックピット全体をサンディング。









続いて塗り始めたのがこれ。プライマー(下塗り剤)のようだ。







どのようなプライマーなのか詳細は不明。









この後の写真がないが、とにかくプライマーだけでも塗っておけば紫外線も防げるし、安心ということなのだろうか。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1980年製フリッカです。)
⇒ 進展状況は [ここでチェック]。そこで見られない場合 [こちらでチェック] (写真は未整理で種々混載。他艇の作業写真もあるのでフリッカと混同されないようご注意。)

2010年11月6日土曜日

メキシコのダルシ二ア - インテリア

キャビン内は一見典型的な1990年代のPSC製フリッカ。

しかしVバース・キャビネット・ドア両脇の時計と気圧計はオプションか後付け。















ギャリーもさりげなくカスタマイズ。











2口コンロはアルコールではなくプロパン。水は電気ポンプによる圧力式で、水道と同じようにひねるだけで出る。

Navステーション。












見ての通り、クォーター・バースはNavステーションと物置に特化し、スペースを大きくするためクッションは取り払ってある。

エレクトロニクスは満載。レイダーは Raytheon の24マイル(半径12マイル)型。VHFはIcom IC-M56、GPSはFuruno Navigator CA-220、左端はEPIRB。

写真には写っていないが風向・風速計、およびノット・メーター(対水スピード・メーター)はDatamarine Corinthian II。無論デプス・サウンダー(水深計)も付いている。外洋向けに付け足したいものはAISとSSB兼HAM通信機位か。

尚、自動操舵装置は昨日書いたようにスターンにウィンドヴェイン(ウィンドパイロット製パシフィック・ライト)を装着しているが、オート・パイロット(Raymarine ST-4000)も備えている。

STBサイドの個室ヘッド。

ここは普通。(しかしハウス側壁がどういう訳かこの部屋だけティーク張りではない。)












18年前の1GM10。

まだまだ活躍してくれそうだ。








黒い太いホースはD2ヒーターからの暖かい空気を室内に送り込む [キャビン暖房用(上から2枚目参照)]

ダルシ二アのバッテリーはハウス用2個、エンジン始動用1個の計3個。航海中はエンジンの発電機とスターンのタワー・ブリッジに付けた100Wのソーラー・パネルで充電している。

アウトフィットの充実したフリッカだ。尚、船籍はまだカリフォルニア。Latitude 38の広告では [US$30,000] に値引きされている。

(写真はいずれもPSC製434艇中412番目 Dulcinea です。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。