2010年2月28日日曜日

ロング・クルーズに備えるノウマッド - 1

マリーナ・デル・レイのフリッカ、ノウマッド。オーナーのビルは南太平洋への長期クルーズに備え、サンタモニカ湾での強風トレーニング (Force 8~10) や、家を売りに出し、フリッカの艤装・備品をアップデートするなど準備に余念がない。

レイルに付けたブラケット(ホールダー)にセットしたスターン・アンカーは軽量でも噛みの良いフォートレス。













ティークのトウ・レイル上のフェアリードは、恐らく高さ調整のために合板のベース・プレイトを付け、底上げして装着してある。

その下のハウザー・パイプ(デッキ・パイプ)はクローム・メッキをした真鍮製のようだ。








ロード(チェイン+ロープ)はコックピット・ロッカーに収まる。ノウマッドは船外機仕様なのでそれで良いのかも。

船内機仕様のフリッカでは、ここにビルジの排水ホースに加え、ディーゼル・エンジンの排気兼排水ホースや、エンジン・リモート・コントロール、同ストッパーなどが配置されている。ホースやワイヤー保護のためプレイトで仕切る、カバーを作る、などの工夫が必要だ。


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スターン・アンカーは両舷ともセットアップしていた方が良い。ポート側はロードをハウザー・パイプを通してクォーター・バースの後端に落とせるので船内機仕様でも設定は比較的簡単だろう。

また、アンカーをレイルにセットしてトウ・レイルにフェアリードを装着しておけば、ロード自体は必要時までアンカー・バッグに入れ、ロッカーやデッキ下に収納しておくという手もある。(アンカー・バッグ参考: [カラノさんのブログ]

スターン・アンカーを使える準備がいつでも出来ていればスターン・アンカーを効果的に使う回数も自然と増える。

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(写真はいずれもPSC製434艇中054番目 Nomad です。)
フリッカ・ホームページのデータベースにある同艇の紹介

2010年2月27日土曜日

ふたたび フェアウェザー

2005年、ワシントン州サン・ワンで錨泊中のフリッカ、フェアウェザー。















シアトル・バンクーバー間にあるサン・ワン諸島をクルーズするため、南隣りのオレゴン州、太平洋に面した小さな町から300~350マイル、トレイラーを引いた。

恐らく諸島東側にある本土と橋でつながった島の町 [アナコーテス] あたりから出航したのだろう。

パシフィック・ノースウェストは原生の緑に包まれた多くの島々やフィヨルドに囲まれている。

湾や入り江に恵まれたサン・ワン諸島の島から島へ。夏のクルージングにこれ以上の場所はないかも知れない。








(写真はPSC製434艇中210番目 Fairweather です。)
フリッカ・ホームページのデータベースにある同艇の紹介

2010年2月26日金曜日

ニューイングランドのシグネット

ニューイングランドはニューハンプシャー州のシグネット。

1981年製フリッカだが、バウスプリットは無垢のマホガニー、その両側のプラットフォームはティークで、共に近年新調したもの。


トウ・レイルはステンレス・スチール製に張り替え、両舷ともその上に装着した頑丈なオーバー・サイズのSS製チョックが目を引く。

ハッチもルーマー製の新品。その上のソーラー・ヴェント、さらにマストステップ・オーガナイザー上のブロック(滑車)もニューだ。



この他、2007~2009年にかけて新品に交換済みのものには、全スタンディング・リギング、全ラニング・リギング、排気ホース、ウォーターロック、カトラス・ベアリング、スタッフィング・ボックス(パッキング・グランド)、シャフト・カプラー、燃料ライン、燃料フィルター全体、バッテリー、バッテリー関連配線、ティーク製ハンドレイル、全ポート(プラスチック製からブロンズ製に換装)、キャビン内クッション、デプス・ファインダー、スピード・メーター、コンパス、航海灯、マスト内配線、据置型VHF、VHF用アンテナと配線、ラダー・チーク、一番下のピントル&ガジョンのセット、スルー・ハルなどが含まれる。

交換の必要のなかったものでも、燃料タンクの取り外し・洗浄・再装着、シーコックのオーバーホール、全デッキ・ハードウェアの取り外し・点検・再装着等を行っている。もちろん船底のケアー等、定期メンテも怠ってはいない。

やらなかったものと言えば、キャビン内の天井のヘッドライナーの張替え。しかし、既に新しい素材は手元に届いているとのこと。

沖合いのムーアリング・ボールに係留のため、簡単に水洗いというわけにはいかないようだが、喫水線近くの汚れは簡単に落ちる。


今年冒頭にも書いたが、パシフィック・シークラフト製フリッカは一番新しい434番艇でも1998年製の12歳。新しいオーナーが艇を選ぶファクターとしては既にメンテの良し悪しが造船年よりも大切になっていると言えよう。

(写真はいずれもPSC製434艇中196番、1981年製の Cygnet です。)
Cygnet のページ

2010年2月25日木曜日

トゥーカンのサイド・テーブル

クォーター・バースにセットしたテーブルは昨日見たコックピット・テーブルそのもの。このようにチャート・テーブルや料理時の補助テーブルとしても使える。

上に乗っているのはコックピット・テーブルとしてセットする時の脚。





(コックピット・テーブルの脚はおそらく金具の突き出した方を下にする。金具がコックピット・ソール上のティーク・グレイトに開けた穴に収まる。)

ギャリー側エンドはコックピット・テーブルとして使う場合と同じ金具の組み合わせ。




すり抜けないように金具の装着角度を微妙に調整してあるのだろうか。

アウトボード側アフト・エンドを引っ掛けるアーム。構造から見て上にスウィング・アップさせて収納出来るようだ。

(尚、後ろに見えるハルの内壁はファイバーグラス層が剥き出しになっているが、これはその上に張ってあった薄いカーペットのような生地を剥がして、内装をやり直す作業中のため。)









インボード側サポートは、壁からスウィング・アウトして来る。





トップには一見閂(かんぬき)に見える、上から何かをカチッと受け止めるための金具が付いている。筒の中にボール・プランジャーが相対して嵌めこまれているようだ。テーブル側には何が付いているのだろう。見てみたいところだが、その写真がない。()

クォーター・バースにもライトが点く。長距離航海時には一番寝心地の良いバースなのであると便利だろう。

後日註: この留具はフリッカの扉で使われている [ダブル・ボール・キャッチ] であることが分かった。

(写真はいずれもPSC製434艇中340番目 Toucan です。)
Toucanホームページ ”Blog” をクリックするとアップデートが見られます。

2010年2月24日水曜日

トゥーカンのコックピット・テーブル

このテーブルは以前にも [登場した] が、今日はその細部を見てみよう。

脚はキャビンにあるドロップ・リーフ式テーブル同様、脱着の簡単な差込み式。















スターンの垂木も脱着式で [ジュビリーのもの] にそっくりだが、装着方法がちがう。



まず、テーブルを掛ける金具がジュビリーのもののように袋式ではない。




この金具、普通なら90度回して立てた状態、つまり木ネジで留める部分が下に来るようにして使うものではないのだろうか。この状態でテーブル側の金具とどう噛み合わせてテーブルを固定できるのか、疑問が残る。

スターン・プルピットへの装着はジュビリーのラニヤード(細紐)式に対し、白いクランプ式。



クランプで取り付けると、垂木もプルピット・レイルの柱の角度通りにピッタリ固定される。レイルの柱は垂直ではなく、僅かだがスターン方向へ傾いている。それがテーブルが下へずり落ちない理由なのかも知れない。

(写真はいずれもPSC製434艇中340番目 Toucan です。)
Toucanホームページ ”Blog” をクリックするとアップデートが見られます。

2010年2月23日火曜日

ハンドヘルドのGPS新調

昨年まで4シーズン使ったマジェランのハンドヘルド型GPSが使用不能となったので、ガーミンの72H型を購入した。















カラー表示でもなく、上級機種や据え置き型のように様々な機能も付いていないが、SF湾や西海岸沿岸のナビにはこれで十分だ。

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以前のマジェラン製もハードウェア、ソフトウェアを含め、GPS機能そのものが壊れた訳ではない。LCDの液がスクリーン内部で漏れてインクのように広がり、表示不能になっただけ。

ほとんど2シーズン、何の不具合もなく機能した(出航日数75日)。ところが、2シーズン目の終わり頃、GPSが太陽に当たった時スクリーン表面の内部に結露が見られるようになった。結露は一日の終わりまでには消える。

3シーズン目、結露が消えるのに時間がかかるようになる。シーズンの終わり頃、スイッチを入れた時、突然画面全体の表示が極端に薄くなり、大変見難くなってしまった(出航日数110日)。斜め下から見ると何とか読める程度。が、GPS機能自体には何の問題もなかった。

4シーズン目、どのくらい持つものだろうとそのまま使い続けていたところ、うまくした(?)もので、風の落ちたシーズンの終わり、11月末に、画面内に真っ黒なインクを流したようにLCDの液が広がり、全く用を成さなくなった次第(出航日数150日)。

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カリフォルニアは1年を通して日本では考えられないほど昼と夜(早朝)の寒暖の差が大きい。冬季は特に結露しやすい。家もそうだが艇内はもっと結露しやすいようだ。それが影響しているのだろうか。

この新しいガーミン製は防水だ(マジェラン製もそうだったと思う)が、これからは使用後毎回家に持ち帰り、布などに包んで室内の温度変化の少ないところに置くようにしてみたい。

(写真はPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2010年2月22日月曜日

新コンパスの装着

旧HVシリーズ・コンパスの孔に新しいSR-2 コンパスを装着するためのアダプター・プレイトが届いた。

外側の孔4個をHVシリーズのコンパスをバルクヘッドに取り付けていたネジ穴に合わせ、HVシリーズに使っていたネジ(非鉄)をそのまま使用して取り付ける。

シーラントも噛ませた。












旧HVシリーズはコンパス本体を大きい孔に入れた後、バルクヘッドにネジで装着するようになっていた。このため本体が孔に入りさえすれば、孔の中心点から多少上下左右にずらしてネジ止めしても構わなかったようだ。セレニティーでも少しインボード側にずれた形で装着されていたことがこの上下2枚の写真(上=表側、下=裏側)で分かる。

アダプター・プレイトの内側の4個の孔が新しいSR-2 コンパス取付け用の孔なのだが、インボード側の2個はOKでも、アウトボード側2個は完全に大きい孔の上に来てしまう。

しかし、SR-2 コンパスはHVシリーズとちがい、ネジではなくバルクヘッドの表から裏まで突き抜けるプラスチック製ロッドを使って装着する。


球体裏にHVシリーズのようなシリンダー部分も無い。球体は水平に差し込む。

インボード側2本のロッドはバルクヘッドに新しい孔を開けて貫通させた。







アウトボード側は大きい孔の円周の内側にそのまま通す形となった。

ロッドにはネジが切ってあり、同素材のナットを嵌めて固定する。電線は夜間の読み取り用にグリーンの明かりを灯すためのもの。

ロッドはこのように裏のカバーにも通した上でナット締めする。









尚、下の膨らみはSR-2用 [コンペンゼイター(誤差補正)モジュール] を付けるためのもの。コンペンゼイターはエンジン、電気配線、艇の素材など、その艇特有のエレメントによる磁石への影響(指針の東西方向へのブレ)を補正するもの。別売り。セレニティーでは不要なので、そのための孔の拡大(下部の四角)もしなかった。

アダプター・プレイトと本体の間にはコンパスに同梱されて来たパッキンを噛ませる。






今時の新しいカバーは下につけてある紐を引っ張って外すようになっている。







おまけで付いて来たおもちゃの(様な)インクリノメーターはエンジン・ダッシボードの下に付けた。





(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

2010年2月21日日曜日

America's Cup アメリカに帰る

アメリカズ・カップが19日(金)午後、アメリカ(サンフランシスコ)に帰り、本日20日(土)11:30am からシティ・ホール(市庁舎)で報告会と展示が行われたので、マリーナに行く前に立ち寄って来た。

* 画面が黒くなっている場合でも、スタート・ボタンをクリックされ度。
* Click "Start" button on the viewers, even when they show nothing but pitch black. Videos will play.



↑ 画面左側長身の市長の隣(カップの横)がラリー・エリソン。カップの右側にはチームの主要メンバー3人(ジェイムズ、ラッセル、ジョン)の姿も見える。



↑ クルー全員登壇。

クルーが記者会見場に移った後の市長、ラリー、奥さんのメラニー、+カップ。






このカップを見たのは22~23年ぶり。カップが成長して随分大きくなっていることにびっくりした。銀の台座の一番下の部分が追加・延長されている。(勝者の名前を彫り込む場所がなくなる度に付け足される。これで追加は2回目。)

小生がまだLA に住んでいた頃はデニス・コナーが時の人で、ロングビーチ・ボートショーの会場でガラスケースに収められて展示されていたこのカップをガラスに5cm ほど近くまで寄って、回りをぐるっと360度周って見ることができた。ちょうど [こういう感じ] だった。

今日の様子は既にマスコミの写真に出ている。その [写真のカップ] と比較されたし。

***

この後、ゲストブックへの署名、段に上って真近にカップの拝見、さらにカップと並んで写真撮影も可能との事だったが、マリーナで愛艇のメンテが待っているのでそそくさとシティー・ホールを後にした。

尚、カップはこれからサンディエゴに飛び、そこからアメリカ全国ツアーの展示がスタートする。

おまけ。会場でもらったキャップ。左側頭部に第33回アメリカズ・カップ・チャレンジャーとある。






今日のために作ったものではない。レース前からの残り物だ。が、喜んで頂戴した。

(ビデオ・写真はいずれも America's Cup #33 Winner "Golden Gate Yacht Club" に関係するもの。SF市庁舎とマリーナのセレニティーにて。)
勝利を伝える Latitude38 の記事。

2010年2月20日土曜日

コックピットのないフリッカ - リストア進行中

[コックピット・スペースの上に張られたデッキ] が削除された。













この艇は船外機仕様。エンジン・ルームや右舷コックピット・ロッカーに張られた板も剥がすのだろうか。



















まるでカットアウト・モデルのようだ。こういう写真はそうそういつも見られるものではない。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1980年製フリッカです。)
⇒進展状況は [ここでチェック]

2010年2月19日金曜日

25年半経ったコンパス

このバルクヘッド・マウントのコンパスは、リッチー(Ritchie)社製HV-Cというタイプで、セレニティーに新艇時(1984年)以来ずっと付けられていた。

毎年球体中のオイルが減少する。4年前には上部わずか1.5cmほどしかなかった球体中のエアーが、今年に入って40%以上になってしまった。

本体を外してオイルを補充すれば良いのだが、球体左上のグラスに無数の細かいヒビが入っているため、使えるまで使って新品と交換した方が良いと考え、メンテはして来なかった。

しかし、いよいよ交換の時が来たようだ。











キャビン側(ヘッド内)のカバーを外したところ。









見ての通り、コンパス本体は球体裏側に付いたシリンダーが水平ではなく、下に傾斜する形でベースに座っている。この点は90年代製造のフリッカに多く見られる同じ Ritchie 社製の [Navigator BN-202] でも同じ。

(尚、以前にも書いたが、裏カバーの取り付け位置はあまりにもずさんで、画面左側に大きくずれ、4本のネジの中、右上の1本は孔の円周上に引っ掛かり、何の役にも立っていなかった。)

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交換のためにまず現物を外す。本体(球体やシリンダー)を外すのは簡単で、一番上の写真に見える円形部分のネジ4本と下部の1本を外せばすぐ取れる。問題はその外側、角ばったベース部分だ。

ネジ4本を抜いてから、ナイフ、ノミ、ハンマーなどを使って力づくで外そうとしても外れるものではない。ベースとバルクヘッドの間には 3M5200 などのシーラント兼接着剤が塗ってあるからだ。

しかしシーラント兼接着剤は熱に弱い。故に使用するイグザクト・ナイフ(細いカッター・ナイフ)の先を電熱器で暖める。




(工作用ヒーティング・ツールがあればツールの先端をナイフの刃に替えるだけなので便利だ。)

熱くなったナイフの先端をベースとバルクヘッドの間に突き刺すようにしてシーラントをカットしていく。





全部カットするのにナイフを計5~6回暖め直したがカット作業は極めて容易だ。

その後フラットヘッドのドライバーを差し込むと、ベース全体がポロッと外れる。外れたベースを見てシーラントの量の少なさに驚き、その接着力に改めて感心した。

バルクヘッドのジェル・コートに残ったシーラントを除去。









ベースを剥がした後に見えるベージュ色が、ジェル・コートのもともとの色だ。25年ですっかり白くなってしまった。

この後、孔にポリ袋と古いコンパス・カバーをビニール・テープで貼りつけ、新しいコンパス装着用の部品が届くのを待つ。

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コンパスのHVシリーズはすでに廃盤となっているので、交換用としては同じ Ritchie の[Venture SR-2] を選択した。

SR-2 を選んだのは、ダイヤル色がブルー、コンパス・オイルの補給不要、バルクヘッドの上り角度を気にすることなく装着可(仮に垂直でなくても取付け角度調整は不要)、などの点が気に入ったからだ。

しかし、必要とする装着用孔の直径が旧HVシリーズのものより小さいなどの理由から、HVシリーズのコンパスの孔にSR-2 を装着するにはアジャスター・プレイトが必要。アジャスター・プレイトは小売店ではなく、直接 Ritchie から実費で取り寄せることができる。今それが届くのを待っているところ。

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尚、SR-2 には艇のヒール角度を示す大雑把な目盛のインクリノメーターがセパレートで付いて来るが、それはコンパス下ではなく、コックピット後部、スターンのエンジン・ダッシボード下に装着する予定だ。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年2月18日木曜日

2月7日のつづき (Videos)

先週末は風はほとんど無かったので、メンテに精を出した。これは先々週末の様子。

* 画面が黒くなっている場合でも、スタート・ボタンをクリックされ度。
* Click "Start" button on the viewers, even when they show nothing but pitch black. Videos will play.



陽気が春めいて来ているので、毎日西風が立つのも遠いことではないと思う。



(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年2月17日水曜日

マイラのドジャー

今までに見たことのない小型のドジャー。

世界中のクルーザーから神様みたいに尊敬されている [リン+ラリー・パーディー] のデザインを基につくったドジャーだ。




コンパニオンウェイの上だけをカバーするのは [このリンク先ページ] 下2枚の写真のドジャーと同じだが、プロファイル(プロフィール)の低さ、造作のシンプルさが際立っている。

ステンレス・パイプのフレームはない。










アフト・エンドに家の中の水道管などに使われているPEX管1本をアーチにして、バンジー・コードで引っ張ってあるだけ。覗き窓はないが、PEX管はフレキシブルなのでコンパニオンウェイのステップに立って、ヒョイと下に押し下げて前方を見ることもできる。

「ドジャーは好天の時は邪魔者、荒天の時は必需品」というのが、脱着の極めて簡単なこのドジャーにした理由という。

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PEX (ペックス=Cross-linked PolyEthylene) については [こちらのビデオ] を参照。

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(写真はPSC製434艇中、番数未確認 Mira です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2010年2月16日火曜日

1978年製デンジャラス

昨日新調されたフォアワード・ハッチを見た048番艇デンジャラス。本日はプラスチック製ポートをブロンズ製に替えた時の様子を手短かに見てみよう。

プラスチック製ポートはもとより、キャビン内のティークの内張り、天井のビニール製カバーなどすべて剥がした状態。




マスト下の厚いアーチは新しいものに交換したところ。

同じく、ポート、ティークの内張り、ビニール製カバーを取り払ったスターボード側クォーター。






新しいティーク・ベニヤを貼り付け、クランプで固定して乾くのを待つポート側。接着剤を塗布しているのはスターボード側のベニヤ。



乾いてクランプを取り払ったところ。











ブロンズ・ポートを嵌め込む前に、外側からパッキンを装着。








完成(ガラス面の保護シールはまだ剥がしていない様子)。ブロンズ・ポートはティーク製のリングに載っている。



天井はカバーは張らず、ファイバーグラスとレジン(ウェスト・システム)で仕上げた。






デンジャラスはこの他、セイル(メイン、ジブ、ドリフター)新調、艇内全配電線を新品に交換、バッテリー2個新品に交換、ソーラーパネル装着、VHFアンテナを新品に交換、アンカー・チェイン新調、ラダー用ピントル+ガジョンを新品に交換、ラダー・チークを新品に交換、全スタンディング・リギングを新品に交換等々、実に大掛かりな改修を行った。これだけやると新艇同様でさわやかだろう。

詳細は下のリンクを参照。

(写真はいずれもPSC製434艇中041番 Dangerous です。)
デンジャラスの改修など詳細ページ

2010年2月15日月曜日

フォアワード・ハッチ

このところ1978年製フリッカの写真が多いが、1977~78年と言えば、パシフィック・シークラフト(PSC)がフリッカを造り始めて最初の1年だ。オーナーの変遷、メンテやアップデートもそれだけ多いのだろう。

この艇は1978年製のデンジャラス。長期航海を計画し、2009年にロサンジェルスで計約$30,000をかけて大掛かりな修善を施したばかりだが、赤ちゃんが産まれたこと、ハワイへ引っ越したこと、が理由で計画変更。マリーナ・デル・レイで何と$21,900で売りに出ている。

フォアワード・ハッチも Lewmar のハッチに新調した。この写真ではまだ保護シールも剥がしていない。




ベース(リング)はティークで作製。 同時に右側のマスト・ステップも補修した。

夜の写真で見づらいが、完全にアップデートの終わった同艇。マスト・ステップのオーガナイザーも新調。ラインも新調。




手前のハンド・レイルもいったん外して装着し直した。

これは別艇。1980年製のスヌーカムス。










このスヌーカムスも昨年オレゴンからハワイまでの航海前に、かなりの費用と時間を投じて大掛かりな改修を行い、ハッチもその際新調した。この写真はハワイ到着時のもの。

ハッチはレキサンやプレキシグラス(比較的引っ掻き傷が付き易い)およびパッキンを交換するより、いっそ全部取り替えた方が、費用もあまり変わらず、見栄えも良いし、特に長期航海に出るとなると、やはり安心なのだろう。

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本日は2艇ともたまたまハッチの写真になったが、今でもフリッカのオーナーになる人には長期航海を目指して、中古艇を購入後かなりの金額と時間を注いで改修する人が少なくないようだ。外洋艇としてのデザインと実績があるからこそだろう。

尚、スヌーカムスもハワイに約4週間かけて到着後、オーナーの予定変更のため、2万ドル強で新しいオーナーの手に渡った。(スヌーカムスについての過去のエントリーは、当ページ左上のサーチ欄に snookums または スヌーカムス をコピペしてサーチされ度。)

(写真上2枚はPSC製434艇中041番 Dangerous、下は148番 Snookums です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

2010年2月14日日曜日

SF湾の1978年製フリッカ

ヘッドがVバースにあり、セッティー(シート)の長い、オープン・レイアウト型。

両舷ともに(Vバースとセッティー間、Vバースとギャリー間に)ハーフ・バルクヘッド+ポストがある。

Vバースのシェルフ(棚)や両舷ポスト間のニー(knee)付きクロスボードなど、かなりカスタマイズされている。天井も板張りだ。




Vバースの天井も板張りになっているのだろうか。残念ながら確認できる写真がない。




ポート(窓)はファクトリーで付けたブロンズ製ではなく、6個とも白いプラスチック製だったものを後でブロンズ製に取り替えたもののようだ。

78年製なのでコンパニオンウェイはブリッジ・デッキのない、切り込みの深いタイプ。ドロップ・ボードは4枚式だが、一番下の板はスピーカーを組み込むなどカスタマイズして、常時セットしたままのものに改造してある。

ギャリーのアイスボックスの前にドロップ・リーフ式テーブルが見当たらない。





代わりにクォーター・バース入り口に折りたたみ式テーブルを伸ばせるようになっている。(少なくとも最後のオーナーは二人でゆっくり食事を楽しむというタイプではなかったようだ。)

板張りの天井とブロンズ・ポートのディテール。








ポートは少なくとも83~84年頃までは新艇オーダー時に開閉式ブロンズ製(楕円形)か、閉め切り式ブロンズ製(長方形)、または開閉式白いプラスチック製(長方形)か選べるようになっていたようだが、開閉式プラスチック製の場合、後のオーナーがブロンズ・ポートに換装した例は多い。

エンジンは船外機。このフリッカは2008年10月頃、オーナー死去のため、管財人によって売りに出された。ほどなく売れたように記憶しているが、つい先日また売りに出た。1年ちょっとの間に今売りに出しているオーナーがどれほどメンテや改造をしたのかは不明だ。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数未確認、1978年製のフリッカです。)
www.yachtworld.com SEARCH ボタンの上の欄に Flicka と入力して検索すると、今売りに出ているフリッカがリストアップされます。