フォア・ハッチはキャビントップではなく、ビンガムのデザインそのままにフォアデッキに在り、この小さなテントの下に隠れている。
スプリット上にはクリートの替わりにブロンズ製ムーアリング・ビット(サムソン・ポスト)が鎮座。
その後ろに見えるのはステイスルのタックを留めるためのアイ。右舷側デッキにはチェイン・ロッカーに通じるハウザー(デッキ)パイプ。
左舷側には船内機燃料タンクのデッキ・フィル(注油口)。
バウスプリットのフォアデッキに伸びた部分は後年のPSC製より25~30cmは長い。
スプリットのデッキへの装着に万全を期したのだろう。長いプルピット・レイルとのバランスも良い。
欲を言えば、ステムの直ぐ前のSSプレイト上にもプルピット・レイルの脚が欲しい。
そこにレイルの脚が在ればプラットフォームとして使う時も足がサイドに滑べり落ちず安全。ジブ等ヘッスルのテイク・ダウンやリーフ作業時には両ひざを各舷のプラットフォームに置き、股を開いてレイルの脚に自分の脚を押し付けるようにすれば、波を乗り越えるバウの動きの中でも非常に安定した形で体をサポートできる。
ステム下部、ボブステイのチェインプレイトもSS製。
後年のPSC製ではブロンズのものがステム中に深く埋め込まれたアンカー型だが、これはスルーボルト2本による外付け。
大きい流木に当たってブロンズ製のチェインプレイトが曲がる例は少なくない。このような外付けだったら取替えも簡単だろう。
(写真はいずれもノー’スター製又はPSC製の番数不詳、1977~78年製フリッカ Munchkin です。)
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