2010年1月31日日曜日

アラスカのフリッカ

アラスカ・シトゥカのフリッカ、ヴィヴィアナ。1981年製。ワシントン州からアラスカまでセイルして、1995年以降倉庫に陸置きされていたが、2004年に2代目オーナーに譲られ、さらに2009年10月に3代目オーナーの手に移ったばかり。

ティークの張られていないキャビン・ソール(床)はファイバーグラスのイナー・シェルのまま。

オーナー・コンプリーション・ボート(キット・ボート)らしく、キャビン内クッションもスターボード・セッティーに自作のものがひとつあるだけ。

ギャリー・シンク下にドアは無く、レンジ下の引き出しも無い。



船外機はヤマハ9.9、バックステイは逆Y字型のスプリット。フォアワード・ハッチのベースはティーク製のように見える。




同じ1981年製のロアン(Roane)やキャサリン(Catherine)同様、ヘッスルもメインもタンバーク色だ。

バウ・プルピットのプラットフォームの板にスリットが少ない艇は他にないわけではないが、珍しい。アンカーのセットアップ(バウ・ローラー、及びチェインやラインが出入りするハウザー・パイプ)が左舷側にあるのはもっと珍しい。

ヘッスルはハンク・オン式のワーキング・ジブかジェノア。タック・ペンダント(ジブ・アウトホル)を使ってできるだけプルピット・レイルをクリアー。


シングルハンド・パッケージ艇ではないのでハルヤードはマスト留め。ハルヤードをコックピット前まで引いたシングルハンド・パッケージで小型ウィンチのある場所にはベルが付いている。

ベルはフォグホーン(霧笛)の代わりに警鐘として使うのだろう。[シップス・ベル] は昔の帆船時代にはウォッチ交代などの時間を知らせるために不可欠だった。



しかし、これはベルではなく、ベルの形をしたエアー・ヴェント(通気孔)のカバーが正解ではないだろうか。悪天候時はこの2段になったカバーをキャビントップに引いて密着させると思われる。

(写真はPSC製434艇中173番目 Viviana です。)
フリッカ・ホームページの登録データベース

2010年1月30日土曜日

オーカ・アイランドのエリカ

このフリッカはワシントン州シアトルの北方、サンワン諸島はオーカ・アイランドのエリカ。名前の通り近海にオーカ(シャチ)が多い。

2009年12月前オーナー(おそらく2代目)から現オーナーの手に渡った。前オーナーは新艇の時からの名前 Erika をキープしていたが、新オーナーはスペルを Erica に改めた。

1982年製なのでメイン・ハッチは幅広のアーチが横に2本入った、特徴のある旧型。





船外機は1990年代初期のものと思われるマーキュリー(という事は日産の OEM か) の9.9馬力。オイルを混ぜた混合ガソリンで走る2ストローク・エンジンだ。

新オーナーはディーゼル船内機搭載を考えている。候補は NANNI の [N2.10] (10馬力)。周知のとおり、Nanni は Beta 同様、ベース・エンジンはクボタ製。ちなみにディーゼル・エンジンはヤンマーがグレイ、Nanni は青、Beta は赤というようにペイントの色でブランドを特定できる。

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新オーナーのアンドゥルーは、ヨットに搭載できる [薪ストーブを作る会社] のオーナーだ。小さくてフリッカにも収まるタイプもある。コーヒー・カップのサイズと比較すると大きさが良く分かる。

どのモデルにしろ家に置いても似合いそうだ。洒落ているかも知れない。[設置例] ページの各写真はダブル・クリックで拡大する。

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(写真はPSC製434艇中235番目 Erica です。)
フリッカ・ホームページにあるアンドゥルーのブログ

2010年1月29日金曜日

ハリケーンから蘇ったフリッカ

2005年8月末、メキシコ湾湾岸のルイジアナ州を巨大なハリケーン [カトリナ] が襲った。ニュー・オーリンズの街も殆ど水没して多くの犠牲者を出した。マリーナ係留中だったこのフリッカも、そのハリケーンで完全に水没。

その後、マイアミでボート・ヤードを営んでいる男が保険会社から買取り、自分のスタッフに再生させた。

これはリストアした3代目オーナー、もしくはその後の4代目オーナーの時の写真。

スタンディング・リギング、チェインプレート、バウスプリット、メインスル、セイルカバー、日除けのテント(オーニング)、コンパス、以上全て新品に交換、エンジンは他艇の 1GM10 を再生したものに換装してある。





キャビン内のティークは黒ずんで今でも水没時の痕跡が見られる。ポスト(柱)は殆どオリジナルの色を残していない。




キャビン内のクッションは全て新品に交換。(コックピット・クッションも同様。)

デプス・ファインダー、VHF、バッテリー、コンパス、2口レンジ(Force10製)、以上も全て新品に交換したと言う。



コックピット内、スターンの壁に見えるエンジンのダッシ・ボードはメンテのため取り外し中。

このフリッカ、2010年に入って5代目オーナーの手に渡った。今、新しい名前を思案中だそうだ。

水没する前の2代目オーナーの時の名はパンカー・ドゥードル。手製のハード・ドジャーを付け、シアトル、カリフォルニア、バハ・カリフォルニア、メキシコ湾岸と、トレイラーで引っ張って各地をクルーズしていた。

(写真はPSC製434艇中311番目、無名のフリッカです。)
フリッカ・ホームページのデータベースにある同艇の紹介。同ページの下にパンカー・ドゥードル時代の 『フリッカ・フレンズ』 掲載記事へのリンクがある。

2010年1月28日木曜日

バハマのデイジー


[バハマ] に停泊中のフリッカ、デイジー。(尚、ヨットの日除けテント、ビマイニはバハマの Bimini 島が発祥地。)

フロリダからはちょうど良いクルージング先らしく、バハマとの間を数え切れないくらい往復したという。バハマは島数が多いので、その意味からもクルージングには最適だろう。







バックステイにはアメリカ船籍であることを示す星条旗、マストのスプレッダーあたりにはコータジー・フラッグ(訪問国の国旗)。

この後、バハマに船籍を移したとのこと。今、バハマ在のまま売りに出ている。1979年製だが、エンジンは2005年に新しいヤンマーに換装、ポートも全て2007年に新品にしたという。


それにしてもジェリー缶(ポリ・タンク)は何だろう。ディーゼル・エンジン用燃料(軽油)は黄色、ガソリンは赤、灯油は青、廃油は黒、清水は白(明るいグレイ)というのがカラー・コードだが、この艇のエンジンは船内機(1GM10)であるにも拘わらず、黄色いタンクは見当たらない。ひょっとしたら向こう側(ポート側)サイドデッキに黄色いタンクを3本積んでいるのかもしれない。

赤のタンクはディンギーの船外機用だとして、青のタンクにはもしかして清水が入っているのだろうか。(カラー・コードは自分やクルー、そして艇を守るためのものだ。色をミックスした使用は大変危険。)

この写真ではコックピットにひとつ、黄色いタンクが見える。









フローティング・ドック(浮桟橋)でないと、ハシゴの昇降で燃料や水の補給も少し大変そう。

(写真はいずれもPSC製434艇中101番目 Daisy です。)
フリッカ・ホームページ、売りに出ているフリッカの一覧

2010年1月27日水曜日

エイブラザス

船体にはオレゴン州ポートランドがホーム・ポートと書いてあるが、今は北隣りのワシントン州にあるらしい。そこで売りに出ている。



メンテのためセイル、ドジャー、すべて外してあるが、スターンにウィンドヴェインや [CARDシステム] が付いている。長距離クルージングも意図した艇だ。

ちなみにセイルボートの船体の重心(CG)とセイル面積の中心点(CE)は同じ垂直線上に来るように設計されている。



およそマストの立っているところがその垂直線にあたる。上架中、艇の全重量を支える木のブロックがキールの下2箇所に置いてある(スタンドは転倒防止用で、重量を支えるのが目的ではない)が、フリッカで 817kg の鉛のバラストがちょうどフォア(前)のブロックあたりのキールに入れてあるのはそのためだ。艇の重心を低くするとともに、CG を CE の真下に持って来るためだ。

(写真はPSC製434艇中401番目 Abraxas です。)
フリッカ・ホームページ、売りに出ているフリッカの一覧

2010年1月26日火曜日

ヴェスパーのコックピット・ロッカー

ヴェスパーはクォーター・バースが無いのでポート側にもコックピット・ロッカーがある。















通常、クォーター・バースは場所的に便利なので物置になりやすいが、コックピットからアクセスできるロッカーなら、スピネイカー、ドリフター、ワーキング・ジブ、ステイスル、ストーム・ジブ等のセイル、その他を仕舞うことも出来る。

セイルはVバースにも入るし、長尺ものもVバースに入る。Vバース全体をヘッドと収納のためのスペースにして、クォーター・バースも収納スペース。このフリッカはクルージング時は通常シングルハンドかも知れない。

無論クッションさえ置けばVバースもバースとして機能するが、通常スターボード側のセッティー(長椅子のように座る所)に横になれる。

デイ・セイリングならゲストもヘッドにドアがあるので安心だろう。

(写真はPSC製434艇中195番目 Vesper です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2010年1月25日月曜日

続 カスタム・インテリア

ヴェスパーのギャリー。

シンクの横、通常2口レンジのあるスペースは白いカウンターと引き出しになっている。






クォーター・バースは無い。そのスペース手前部分には木製の収納を設えた。






オライゴ製非圧式アルコール・レンジは、奥にしまってある。

必要時のみ手前に引き出す。

配電盤やエレクトロニクス製品の姿は見えない。スターボード側にあるのだろうか。


(写真はいずれもPSC製434艇中195番目 Vesper です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ・スペック

2010年1月24日日曜日

カスタム・インテリア

PSC 1981年製フリッカ、ヴェスパー。

この艇もファクトリー・フィニッシではなくオーナーが自分で仕上げる「オーナー・コンプリーション・ボート」(キット・ボート)と思われる。


内壁はすべてウッドでカバー。ブロンズ製ポートは正円形。何と言ってもバルクヘッドと2曲のドアでフォアのVバースを仕切っているのが目を引く。

現在はバースとして使用しておらず、専ら収納とヘッドになっているようだ。







ヘッドは簡易なポータ・ポティを使っている。ヘッドがVバースにあるオープン・レイアウト型フリッカの場合、ヘッドを一番手前のスペースに置くのが普通だが、それよりもフォア(船首側)に設定。偶然か同じ1981年製(ハル番号169番)のピカチューのヘッドも同じ位置にある。

(写真はいずれもPSC製434艇中195番目 Vesper です。)
フリッカ・ホームページの登録データベース

2010年1月23日土曜日

雨の合間をぬって帰港

ウィンター・ストームの続く毎日、やっと曇り空、小雨のパラつく金曜日、サンフランシスコ・ボート・ワークスを出航。

奥に見えるのはドック入りしている米海軍病院船のマーシー(建造1986年)。







今、地震被災者の救援にハイチに出向いている同病院船コンフォート(同1987年)の姉妹船だ。

マリーナに帰着。











途中、雨、波、風というエレメントもあったが、南に進むにつれ風波も弱くなり、係留して小一時間もすると青い空と日光に恵まれた。

明日土曜日は大方曇りだが、それから先はまたずっと雨の予報が出ている。






(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2010年1月22日金曜日

カッター(カター)・リグ

ヘッスル2枚=カター・リグのフリッカ。1994年製、ニーナ。

マスト・トップ。ファーラーで巻いてあるヘッスルはジェノア。手前のハルヤードはセイル・チェンジ時、スピネイカー、ドリフターなどをホイストするためのもの。













こちらはその下、イナー・ジブ(ステイスル)用ファーラーのトップ。
















(写真はいずれもPSC製434艇中424番目 Nina です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ・データベースにあるニーナの紹介

2010年1月21日木曜日

1981年製

スパーズ、バウスプリット、スタンディング・リギング、などデッキ上の艤装を外した状態のフリッカ。

写真をクリック拡大してバウのステム近くを見て欲しい。








通常フリッカの葡萄のツタのスクロールワークの真ん中上あたりにある燃料タンクのヴェント(通風孔)がこのフリッカではもっとフォア(前)にある。この頃はこれが標準だったのかも知れない。少しでもしぶきなどによる海水の燃料タンクへの浸入を防ごうという意図があったのかも知れない。

この艇は三角帆のマルコーニ・リグではなく四角帆のギャーフ・リグだからシュラウド用のチェインプレイトが2本しかない。


ギャーフ・リグはマストが低いのでシュラウドは各舷2本づつで可。

写真が小さくて見辛いが、バックステイ用のチェインプレイトはオフ・センターで右舷側に1本。しかも1970年代製のようにミニ・バンプキン(トランサムから少し後方に突き出ている)型にあらず。


チェインプレイト自体はその後のフリッカと同型だが、右舷側に1本しかない過渡的タイプと思われる。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1981年製のフリッカです。)
www.yachtworld.com SEARCH ボタンの上の欄に Flicka と入力して検索すると、今売りに出ているフリッカがリストアップされます。

2010年1月20日水曜日

メンテ完了、しかし冬の嵐


大きいブリスターはグラインドしてアセトンで清拭後、ファイバーグラスをレジンで積層する。






キュアしたら軽くサンディングしてハルをフェアにした後、バリアー・コートを塗布。







その後、船底全体に効果的で持ちの良い船底塗料 Pettit を1コート(剥げやすい喫水線あたりのみ2コート)塗布。



いつもは全体を2回塗りするが、今回は1回塗りにした。









毎週観察を続けるが、SF湾の冷たい海水の中では1コートでも次回上架時(2年後を予定)まで十分持ってくれると思う。その時にはまたウェット・サンディングしてブリスターの修理が待っている。

メンテは先週完了し、下架準備OKだが、今週はウィンター・ストームで毎日大雨注意報が出ており40+ノットの風雨が続いている。


しかも南からの風で真上りになる。ということで天気待ち。もしかしたら金曜日には小雨から曇り空の下、マリーナに帰れるかも知れない。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年1月19日火曜日

ミニ・ギャリー2000

Forespar の Mini Galley 2000 でお湯を沸かす。



2カップ(カップ・ヌードル2つ分)の水を沸かすのに弱火で6分だった。

ポータブルでバルクヘッドに引っ掛ける方式だが、セレニティーではバルクヘッドに取り付けた [小物入れの前面に装着] する。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ、売りに出ているフリッカの一覧

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標題とは関係のない、YouTube に出ている世界各地のフリッカのビデオ。まだ他にもいくつかあるが、今回のシリーズは、2009年スヌーカムス(PSC製148番艇)でオレゴンからハワイまで太平洋を横断したコウビーが撮影したフッテージで最後を飾ろう。

[その1] スヌーカムスはツイン・ジブ・システムなのでフォアステイも2本ある。しかし、この時はペンダントを使い、ラフにワイヤー・ロープの入ったステイスルを揚げている。
[その2] Aries 製のウィンドヴェインで自動操舵中。
[その3] ハル・スピードかそれ以上のスピードで航海中。
[その4] ハワイには前日夜到着、オアフ島沖合で朝方までヒーブ・ツーして過ごした。

コウビーのビデオはこの他にも YouTube に多数ある。また、コウビーのブログは [こちら]

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2010年1月18日月曜日

クォーター・バースの整理 2

木製オールはVバース左舷側の棚の下、ウィスカー・ポールは同右舷側の棚の下が新しい収納場所。

棚の下のコート・フックはティークの下敷きもせず、フックに付いてきた木ネジを使って直接装着。





補強のためフックと棚の板の間には3M5200を潤沢に塗った。また、木ネジの先端が約1mm 棚の上に顔を出すので、突き出た先端部はヤスリでフラッシになるように削った。その後色の合った鉛筆型のウッド・フィラーでタッチアップして作業完了。

適当な長さに切ったレイテックス製ゴム管はテグスを幾重にも巻いて結んで輪っかにする。






耳(下の突き出た部分)を引っ張るとフックへの脱着も簡単。

左舷側に収納したオール。











全体像。棚の下に無理なく収まる。このゴム管は強く、フォアの1本だけでもオールを定位置に支えられる。





右舷側にはウィスカー・ポール。こうしてしゃがんで見ても棚の下に収納していることは殆ど分からない。立っている時は見えない。



整理後のクォーター・バース。置いているものの出し入れが簡単になった。







現在クォーター・バースにあるもの:

小さい星条旗の付いたフラッグ・ポール1本(コックピット側の壁に沿って置いてある)、折り畳み式椅子型クッション2つ(日本の座椅子みたいなものだがもっと大きい)、脱着式スイム・ラダー1つ(ハルの内壁に立てかけてある)、箱に入れたミニ・ギャリー2000(ミニ・プロパン・ボンベ使用のギンボル式コンロ)、および小箱1つ(ウィンチ・ハンドル、ブーム・ヴァング、コイルしたライン2~3本入り)。

中央に見える折り畳んだ白っぽいものはコンパニオンウェイの差し板(3枚)を挟むための小さなカーペット。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

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標題とは関係のない、YouTube に出ている世界各地のフリッカのビデオ、三日目は、

(5) カートップならぬキャビントップ。荷物を運ぶのに便利かもしれないマリーン用バーリントン・ラック・システムを付けたフリッカ、ピカチュー。[その1][その2] 。この海域は他でもないフリッカのデザインの母体となった昔の帆漁船 「ニューポート・ボート」 の活躍したロード・アイランド州ニューポート沖だ。ピカチューの写真は[ここ] にある。

(6) 同じく [ピカチュー]。西海岸の買い手のために撮ったビデオらしい。1983年中頃以前の古いモデルのフリッカの様子が良く分かる。尚、boomkin をブームキンと言っているが、船乗りはバンプキンと呼ぶ。

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2010年1月17日日曜日

クォーター・バースの整理 1

クォーター・バースはコックピットに近いということで、ついつい色々な物を置いてしまう。奥行きも約2mあることから長尺物の置き場としても重宝する。しかし、便利だからと置く物の数が増えると、それらの物の出し入れもどんどん不自由になってくる。

以前から何とかクォーター・バースを整理したいと思っていたので、ボート・フック2本中の1本(ブロンズ製金具の付いた重い木製のもの)と、フラッグ・ポール2本中の1本(大きい星条旗の付いたもの)は艇から降ろして自宅ガレージ行きとなった。

残った長尺物3本(ウィスカー・ポール、アルミ製ボート・フック、木製オール各1本)はキャビン内の他の場所に移すことにした。


必要なものとしてネット通販で購入したのは真鍮で鋳造したコート・フック。ペア・アップしてクリートのようにして使う。




ボート・フックはアクセスが肝心。故にコンパニオンウェイの横に立てた。








真鍮製コート・フックはいずれも右上に見える3連のブロンズ製コート・フック同様、ティークのベースを敷き、マシーン・スクリューを通し、壁の反対側からウォッシャーとナットで留めている。フックとフックの間に渡してあるのは病院や理科の実験などで使われるレイテックス製ゴム管を適当な長さに切り、輪っかにしたもの。

下端のベースはティーク板を成形して3M5200でファイバーグラスに貼り付けた。







これで必要な時はコックピットから瞬時に取り出せる。邪魔にもならず使い勝手も良いので気に入っている。














(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ・スペック

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さて、標題とは関係のない、YouTube に出ている世界各地のフリッカのビデオ、二日目は、

(3) カナダ西海岸ブリテッィシ・コロンビア州とバンクーバー島の間にあるガルフ諸島海域を行くフリッカ [アラクリティー]。オーカ(シャチ)の多いところ。

(4) マサチューセッツ州バザーズ湾をセイリング中のフリッカ、パピヨン [その1][その2]。写真は [こちら]

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2010年1月16日土曜日

ギャリー・シンクの下

こんなところにもフリッカの変遷が垣間見られる。

これはPSC製後期のフリッカ。1980年代末期か1990年代製と思われる。

シーコックはボール・タイプだ。開閉ハンドルもアスワートシップ(舷から舷方向)に動くよう装着されている。この方が操作しやすいかも知れない。








デプス(水深)ファインダーやスピード・メーター用スルーハル部分のカバーと、奥の棚は自作だ。小ぎれいにまとめている。













こちらは1984年製セレニティー。シーコックは素材は同じブロンズでも、ブラグを横にして差し込む形のウィルコックス・クリッテンデン社製品。

シーコック・ハンドルは今オープンの位置に持ってきてあるが、操作方向はロンジテューディナル(艇の前後方向)だ。シーコック自体の位置もコック一つ分だけ艇のセンターラインに近い。



このため床を張ろうとしても小型のものしか設定できず、あまり有用ではないので床を張るのはやめた。一番手前には雑巾類を重ね、左側の壁に沿って幅7~8cm、奥行き25cmくらいの透明プラスチックボックスを置いて小物入れにしているだけ。(しかし、逆に奥の部分は広いのでそこに広い棚をつけることは出来るかもしれない。)

手前のスペースはドアの後ろに提げたゴミ箱が入る。









両面接着テープ付きのフック2個、フレキシブルなメッシのバスケット、全てダイソーで購入。クラッシーではないが用を成している。



(写真上2枚はPSC製434艇中、番数・艇名未確認のフリッカ、下3枚は295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

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標題とは全く関係ないが、今日から数日 YouTube に出ている世界各地のフリッカのビデオをシリーズで紹介。

(1) 2009年6月、コネティカット州ブランフォードからペンシルバニア州フィラデルフィアまで東海岸270マイルを正味63時間かけて [機帆走で回航] した時のビデオ。

(2) 2005年、南カリフォルニアから100マイル沖にある浅瀬 [コーテズ・バンク海域] を航海中のフリッカ。僚艇のコロンビア28から撮影したもの。(音楽は耳障りなのでミュートにした方が良いかも。)海に出た人は分かると思うが写真やビデオにすると波やうねりは人間の目で見るより随分小さく見えるもの。それでもこのビデオでは太平洋のうねりが浅瀬で増幅されている様子が良く分かる。

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2010年1月15日金曜日

バイヨ・リッチオ

PSC製フリッカは総数434。このバイヨ・リッチオは433番目、1997年製。

良く見るとバウスプリット先端にあるクランズ・アイアンがブロンズ製ではなく、SS製のようだ。(ブロンズにクローム・メッキを施したものかも知れないが、恐らくSS製。)

それにしてもバウスプリット両脇のプラットフォームとプルピット・レイルはまだどちらの舷にも傾いていない。







セレニティーの場合4年前の購入時には21.5歳で、既にいずれも右舷の方に少し傾いていた。恐らく右舷側のプラットフォームにいつもCQRアンカーを載せていたせいだろう。今はCQRは降ろして、プライマリー・アンカーとしては [バブル・アンカー] をコックピット・ロッカーに入れている。

バイヨ・リッチオもアンカーはいつもプラットフォームからはずしているのだろうか。バウスプリットをメンテし直した直後の写真だから単にまだ載せていないだけかも知れない。

1990年代の艇ではクランズ・アイアンだけでなく、バウ・ローラーもそれ以前の艇とはちがっているようだ。セレニティー(1984年製)では全体がブロンズ製だが、これは二つともローラーだけがブロンズでベースはSS製に見える。



ギンボルで自動的に水平を保つレイダー・ドーム。バックステイ2本(デュアル・バックステイ)の艇では、レイダー・マウントを両方のバックステイに跨らせるのが一般的だが、左舷側のステイ1本に仕込んである。










(写真はいずれもPSC製434艇中、433番目 Ballo Liscio です。)
フリッカ・ホームページのデータベースにある同艇の紹介