1977年、パシフィック・シークラフト(PSC)が設計者のビンガムからフリッカの製造権を得た。それまでフリッカを製造していたノー'スターからハルのモールドを譲り受け、ノー'スターで働いていた技師ビル・ルーサーも移動してPSCでフリッカの生産が始まって最初の艇がこの1号艇、ダフニー。
当然と言えば当然だが、見た感じ [ノー'スター製フリッカ] と似ている。
幅広のバウ・スプリット。プルピット・プラットフォームは無い。
ハルはモールドが同じなのでノー'スター製と変わらず。後年PSCが自前でハル・モールドを作るまでは葡萄の蔦のスクロールワークはバウもスターンもこの大きいサイズのもの。
この写真ではラダーは外してある。興しろいのはバンプキンが付いていて、そこからバックステイ2本(つまりデュアル・バックステイ)が伸びていること。
この他にも興味深い特徴が幾つかあるが、それについてはまた明日。
この1号艇のハルに刻印されたIDは PCS200010877 だと言う。PCS20はフリッカのこと、001はハル番号、0877はハルが出来た年月で、1977年の8月。(註: アメリカ・コースト・ガードによるパシフィック・シークラフトの略称はPCSで、オーナーたちが好んで使うPSCではない。)
上記のハル番号がこの艇に刻印されているのなら、この艇がPSC最初のフリッカであることは間違いない。以前1号艇として [フリッカ・フレンズで紹介された艇] はPSC独自のモールドによる第1号艇ということになる。独自モールド艇のハル番号が何番かは未確認。
(写真はいずれもPSC製434艇中001番 Daphne です。)
⇒ フリッカ・ホームページ