2015年7月31日金曜日

メインのヴァキータ II On Trailer

確か1ヶ月程前だったか、トレイラー付きで売りに出ていたメイン州のフリッカ、ヴァキータ。

自宅バックヤードらしき風景。

バウスプリットを含むバウ・プルピット・プラットフォーム、トウ・レイル(ブルワークス)のキャップ・レイル、メイン・ハッチなどに青いヨット・ペイントを塗布。

コックピット後部に見えるのはブームを乗せるブーム・ギャロウズ。





下の写真を見るとコックピット・コーミング上面に張られたティークとコックピット・ソール(床)に置いたティーク製グレイティング(スノコ)はさすがに生のままで、足が滑らないように注意している様子。

メイン・ハッチの形状を見るとこの艇が旧型デッキ・モールドによって造られた1983年前半以前の艇であることが分かる。



左舷側から見たところ。

ポートライトは80年代のフリッカに良く見られるブロンズ製の陸上競技トラック型楕円形。


バウのステム上部には航海灯用の窪みが造り込まれている。ハル・モールドはデッキ・モールドより早く新型になったが、この航海灯の窪みはとりもなおさずこの艇がハルもまだ旧型モールドを使って造られたことを示している。ちなみにこの艇は1981年製だそうだ。

船内機仕様艇。

搭載エンジンはヤンマー1GM。

トレイラーはまだ比較的新しい様だ。



スペア・タイアはトレッドからして一度も使われたことが無い様子。

恐らく4本のタイヤも似た様なものだろう。シーズンの初めと終わりに何度かローカルの短距離を走っただけではないだろうか。

尚、取引には左舷横に置いてあるインフレイタブルのディンギーも含まれていた。




(写真はPSC製434艇中、番数不詳、Vaquita II です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2015年7月30日木曜日

セレニティー 7月25日土曜日の風 3 (Videos)


★ お知らせ ★

唐突かも知れませんが本日は本題に入る前にお知らせ・お尋ねをひとつ。

セレニティーを2006年2月に南カリフォルニアで購入し、ベイ・エリアまで運んでサンフランシスコ湾にて今年で10シーズン目のセイリングを楽しんでおりますが、この度夫婦で相談の結果、10シーズンという区切りの良いところで次のライフ・ステージへ移動すべく、セレニティーを売りに出すことを決めました。

アメリカでの売却を考えておりますが、もし日本の読者の皆さんの中でセレニティーを欲しいとおっしゃる方が居られましたら、ベイ・エリアから日本の港(港は船便により限定されますが例えば横浜、神戸、博多)まで輸出手続きをしても良いかなと考えています。

購入ご希望の方が居られましたら、米時間 8月10日(月)までに boatlife2go @ yahoo.co.jp (コピペ時に @ の前後のスペースを削除)宛てご連絡ください。詳細はメールを戴いた方に直接返信致します。尚、お問い合わせには必ずご住所、ご氏名、電話番号、簡単なヨット歴(セイリング歴)をご記入ください。

当ブログ筆者拝

★ ★ ★ ★ ★

フル・メインとフル・ジブ(セレニティーのジブは85%ジブ)でゾーンに入る。



西風18~19ノット、ガスト21ノット。対地艇速4.8ノット。



オートパイロット無しで直進自走。



ゾーンを抜けてメインのリーフを同時に解き、フルにする。空も風も夏らしく、気持ちの良い午後だった。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
www.yachtworld.com SEARCH ボタンの上の欄に Flicka と入力、検索するとリストアップされます。

2015年7月29日水曜日

セレニティー 7月25日土曜日の風 2 (Videos)

風の強いゾーンに入る。



15+ノットの風。シングル・リーフでも良さそうだが風はもっと強くなりそう。



そこで早速メインをダブル・リーフしたが作業を終わったところでまた風が少し落ちた。しかし復路もあることだし、このままで走る。久しぶりにSF湾のサマー・セイリングが帰って来た様だ。ルーティーンでシングル、ダブルの両リーフ作業をするのも楽しい。風もまた少し戻って来た。



ハンターズ・ポイント沖でジャイブして南行。(キャメラは防水。)

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
今フリッカ・ホームページで売りに出ているフリッカ一覧

2015年7月28日火曜日

セレニティー 7月25日土曜日の風 (Videos)

この日も早めに風が出て来たので12:45PM に出航。マリーナ出口では13.5~17.8ノットの風があった。



メインスルをシングル・リーフでホイストして北に向かったがその後風が徐々に落ちて10~11ノット、ガスト13.5ノット。リーフを解いても良いがズルをして暫くそのままで走る。



7~8分してラル(パフやガストの反対)は8ノット。そこでやはりメインをフルにする。逆潮で対地艇速は風8ノットで2.8、10~11ノットで3.1、13ノットで3.8ノット。



いつも強い風の吹くゾーンが近付いて来たので Reef Early の原則に則ってメインを再びシングル・リーフ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのリグ

2015年7月27日月曜日

ウィスコンシン州の1978年製フリッカ インテリア・アフト + 2気筒エンジン

フォアからアフトを望む。

実に長く幅の広いバースは通常中央部のクッション2つを外し、両舷にセッティー(シート)のあるサロンとして使う。


この艇には各所にアクセスの良い収納スペースが配置され、背もたれのアウトボード側やセッティーの下も収納。右舷側(画面左)の棚にはVHFを置いている。

右舷側のギャリー。

コックピットに面したバルクヘッドにはキャビン内からも見えるコンパス、プロッター用のスウィング・アーム、バッテリーのメイン・スイッチ等が見える。

カウンタートップに面したサイドデッキ下の収納(カボード)にはステンド・グラスをあしらったドアを装着。

足元の収納アクセス口は籐か竹で編んだスクリーン張りで通風が良さそう。


昨日2枚目の写真に見える様に、フォア正面や両舷上部各収納のドアなどにも同じスクリーンが効果的に使われている。

対面の左舷側、個室ヘッドの壁にはフォース10 (Force 10) ヒーター。

フォース10 には軽油/灯油を燃料にするモデルもあるが、これはプロパン用。

その下はキャビネットのカウンタートップ。

画面左、コンパニオンウェイ・ステップのボックスの下に船内機がある。




クボタ・エンジンをベースにしたユニヴァーサルのFWC 2気筒エンジン。








この艇はオーナー・コンプリーション・ボートという販売システムでPSCから入手したハルとデッキに自分の好みどおりの造作を施したフリッカ中の傑作と言える。クルーザーの面目躍如、20フィート艇である事を忘れてしまいそうな大変居住性の高い艇だ。

(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共に不詳、1978年製のフリッカです。)
フリッカのスペック

2015年7月26日日曜日

ウィスコンシン州の1978年製フリッカ インテリア・フォア

このフリッカのインテリアは圧巻だ。

コンパニオンウェイから見たところ。

VバースはPSC製スタンダードのものより長く、かつ、両舷に伸びるラップ・アラウンド型。

真ん中にはフィラー・クッションを一つではなく二つ置く。セレニティーの [バース・イクステンション] 設定時と同じ位の長さか。





しかしこの艇のバースはラップ・アラウンド型なので横にも広く、仮に身長8フィートの大巨人が2人居たとしてもゆっくり並んで横になれそうなスペースが出来上がる。

このバランスの取れたユニークで広いラップ・アラウンド型レイアウトを可能にしたのは左舷側にクォーター・バースと長いギャリーを直列に置くビンガムのオリジナル・レイアウトに囚われなかった自由で経験に裏打ちされた実用的な発想だ。

ギャリーはコンパニオンウェイ右舷側。

コンロを置くスペースはあるが仕込んでいないと云う。



代わりに正面Vバース下の壁に付けたブラケットにギンボル式の [シー・スウィング] コンロを装着して使う。

左舷側はクォーター・バースが無いので直ぐに個室ヘッドになっており、前方バースとの間には小型のキャビネットが設えてある。

(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共に不詳、1978年製のフリッカです。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2015年7月25日土曜日

ウィスコンシン州の1978年製フリッカ 

このフリッカはハルとデッキをPSCが造り、その他はオーナー又はオーナー指定のヤードが造ったオーナー・コンプリーション・ボート、所謂キット・ボート。

ポートライトは長方形の開閉式ブロンズ製。

どうやら全ポートが同じ大きさの様で、重厚さを感じさせる。


フォア・ハッチもメイン(スライディング)ハッチもティーク製。

手入れはなかなか良いようだ。



旧型モールドの深いコンパニオンウェイに幅広の3枚式差し板。

トップの板には2個のヴェント(通気孔)。



バルクヘッド上部に張ったティーク板がアクセントになっている。その下のコンパスその他の計器類は古さを感じさせない。近年のアップデートだろう。

コックピット後部センターにはラザレット(ロッカー)。この艇は船内機仕様なので船外機用燃料タンクの置き場ではない。


その横、シート・トップがティーク張りになっている部分は両舷ともやはりロッカー。各シート最後部、スターンの壁には円形ハッチが付いていてトランサムとの間のスペースにアクセスできる様だ。無論円盤を取り外せば通風孔にもなる。

コックピット足元の壁、左舷(画面左)側にあるのがエンジン・ダッシボード、右舷(画面左)側にあるのは手動ビルジ・ポンプのハンドル差込場所。コックピット・ソール(床)はティークのグレイティング(スノコ)でカバー。コックピットの要所がティークで引き締められており全体的に木造艇の様な重厚さがある。

(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共に不詳、1978年製のフリッカです。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ (全6ページ、各ページ一番下の Next>> をクリック)。

2015年7月24日金曜日

外付け燃料ポンプの修理キット

福岡のフリッカ、ティー・カップの外付け燃料ポンプ換装の記事を読んで、横浜のフリッカ、マリタイムのオーナーの方から、自分も同じポンプが同様に壊れたので修理キットを購入し修理したとのお便りを戴いた。

修理キット。

問題のゴム製部品は薄型のダイアフラムではなく、完全に蛇腹状のベローズ(bellows) である事が分かる。





キットの値段は約6ドル。アメリカからの送料は約17ドル。仕入先は [こちら]

この部品は Walbro の古い型の WEP シリーズの燃料ポンプに共通使用できるものの様で "This is a bellows rebuild kit for old-style Walbro WEP fuel pumps." と書いてある。

***

マリタイムではエンジン用のみでなく、室内暖房ディーゼル・ヒーター用にも別個に同型ポンプが装着されており、今年春1か月の間に何と2台共にポンプが空回りし続けるようになり、分解してみたところ、いずれもゴムの蛇腹(べローズ)に孔が開き、ハウジング(ケース)が軽油で満たされた状況だったとの事で、ティーカップとほぼ同じ壊れ方だったと思われる。

マリタイムは1995年製(426番艇)、ティー・カップは1993年製(421番艇)。90年代に造られたPSC製後期艇の外付け燃料ポンプが押し並べて [このWalbro 製ポンプ] である確率は高そうだ。両艇共建造からほぼ20年が経過したところでゴムのベローズが破損したことから、同年代の他のフリッカでも遅かれ早かれこのポンプの修理または換装が必要になることが考えられる。

マリタイムでは立て続けに2個修理が必要だったことから今はこのキットのスペアも購入・保存されている由。組立直しには多少苦労が伴うかも知れないが、ありがたい選択肢だ。

尚、このポンプはイグニッションをオンにするだけでいつも動いている常時稼動型ではなく、必要な時のみ稼動するタイプで、修理後のマリタイムではエンジン起動時のみ、たまに2~3回カタカタとソレノイドの音がするだけで、後は沈黙していることが多く、壊れているのかと思う位との事。(ちなみにディーゼル・ヒーター用の同型ポンプは、10秒に1回位の稼動。)

***

またマリタイムでは今コンパニオンウェイ梯子の後ろにあるエンジン・アクセス口の板の裏に貼ってある銀色カバーの付いた防振・防音ウレタンの処理中。問題はウレタンが劣化して粉が出ることで、カバーを一度板から剥がして劣化したウレタンを除去し、芯のみ残して再接着中との事。(セレニティーの板には何も貼られていない。これは後期艇またはアラスカに居たマリタイムの様な寒冷地仕様艇だけのものかも知れない。)ともかく建造後20年を経る頃からゴムやプラスティックなど化学製品の劣化には充分注意した方が良さそうだ。

他のフリッカのオーナーの方々のためにこの情報を送信戴いたマリタイムのオーナーK氏に感謝したい。他のオーナー諸氏も事の大小を問わずメンテその他の経験をシェアして戴ければ有り難い。どうぞ boatlife2go @ yahoo.co.jp (@ の前と後ろのスペースは削除され度)まで。

(写真はPSC製434艇中1990年代製等後期建造艇に標準装備されていると思われる Walbro WEP シリーズ燃料ポンプ用リビルド・キットです。写真・情報提供: 426番艇 Maritime のオーナーK氏。)
フリッカの歴史 (History of the Flicka)

2015年7月23日木曜日

セレニティー 7月18日土曜日の風 3 (Videos)

この日は程々の風でセイルボート・レースには最適の日だったかも知れない。



北から来た12~20艇程が約1・5マイルの長さに散らばって南へ下って行く。



タックしての復路は風9.7~10.2ノットで艇速約4.1ノット、13.7~15.8ノットで4.5~4.7ノット。レースする訳ではなし、これだけ走ればまあいいじゃないかとついつい船底の手入れを怠っている。



マリーナまで0.35マイル地点でジブを降ろす。メインのみの艇速3.0~3.1ノット。のんびり出来た良い一日だった。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・データベース

2015年7月22日水曜日

セレニティー 7月18日土曜日の風 2 (Videos)




ハンターズ・ポイント沖でタックしての復路。



これだけ長くリーフ作業無用の一定した夏(西)風が続くのは非常に珍しい。少し手持ち無沙汰の感がないでもないが、天が久しぶりに二人でゆっくりさせてくれたのかも知れない。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ニューズレターのページ

2015年7月21日火曜日

セレニティー 7月18日土曜日の風 (Videos)

マリーナ内で12:30PM まで吹いていた弱い東風が西風に変わったのを機に出航(発航)。



両セイルをフルに揚げて北に向かう。風7~8ノット、ガスト14.5ノット。まだ1:06PM。今年は風は弱いが比較的早い時間に帆走できる状態になるのでその点うれしい。例年なら2:00~2:30PM の風のビルドアップを待って2時前位に出航するのが普通。

ベター・ハーフの右目は白内障の手術後、裸眼で遠くが実に良く見える様になった。左目は乱視のためかまだ眼鏡が必要な様で今月末まで待って調整予定。やはりダブル・ハンドは楽しい。



9~10ノットの風で静かに北行を続ける。フラッド・タイド(入り潮・上げ潮)なので逆潮。対地艇速2.7ノット。湾中央部の本船停泊域には荷役待ちか NYK Line(日本郵船)の車両運搬船など大型船が12杯以上錨泊中。



リー・サイドの様子。この日の往路はずっと同じ様な風が続いてあまりに気持ち良く、この後ビデオを撮ることさえ忘れてしまった。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2015年7月20日月曜日

テキサス州キーマの1979年製フリッカ インテリア


キャビン側壁は元々白だったのかも知れないが、天井は古くなったビニールを剥いでラミネート板に張り替えた様だ。

フォア・ハッチの内壁も木になっているし、シーリング・ライトもブラス(真鍮)とガラスではなく白いプラスティック製に換装してある。







クッションも比較的最近新調した様子。

Vバース・クッションの上に乗っている両サイドの2枚はコックピット・クッションではないだろうか。

フィラー・クッションの下にポータ・ポティー(ポータブルWC)が見えるので個室ヘッドの無いオープン・レイアウト型艇である事が判る。




アイスボックス蓋の右上に何やら金属製の物が付いている。もしかしてヒンジ(蝶番)だろうか。もう1個左側にもあるのかも知れない。












アイスボックスの蓋を開けたところ。

金属がヒンジだとしたら、重い蓋でもこの様にバネで軽く開けられる方式の物かも知れない。

ボックス内のスペースは家庭用洗剤の収納庫として利用している模様。







(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共に不詳のフリッカです。)
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2015年7月19日日曜日

テキサス州キーマの1979年製フリッカ

メキシコ湾岸、テキサス州ヒューストン近郊 [キーマ] のフリッカ。この町の近くの汽水湖クリヤー・レイクを含め、ヒューストン近郊はフリッカの多い場所の一つだ。メキシコ湾岸は概して浅瀬が多く、潮の干満の大きいのも理由のひとつかもしれない。フル・キールで喫水1m 弱のフリッカはこの様な水域でも航行しやすい。

このハル色のフリッカは多くないが、1981年製 [ウィスパー] と同色。

ポートライトは70年代艇には珍しい長方形のブロンズ製。











バウのプライマリー・アンカーはブルース。

ボブ・ステイには錨泊時アンカー・チェインが当たって耳障りな音を立てたり金属同士が擦れたりしない様にビニール管を被せ、その下のチェインプレイトにはトレイラー積載時にバウを固定するためのシャックルが付けてある。






トランサム右舷側にはこの時代のフリッカに特徴的なオフ・センターのバックステイを装着するためのミニ・バンプキンが突き出ているが、それでも船外機(ニッサン5馬力)が同じ右舷側に付けてある。










左舷側にも装着用ブラケットがあるので以前は左舷側に付けていたのかも知れない。ブラケットが両側に付いていればスキッパーの右利き左利きの問題にも対応しやすいだろう。

(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共に不詳のフリッカです。)
フリッカのリグ

2015年7月18日土曜日

福岡のティー・カップ 外付け燃料ポンプの換装 2

West Marine を通じて購入の代替品はUSヤフー・フリッカ・グループでも話題に上ったスチュアート・ワーナー (Stewart Warner) の [82089] (註: リンク先のヘッド・イン、ヘッド・アウト型の写真は参考写真で、実物ではなく、送られて来た 82089 は本日のポストにある様にボトム・イン、ヘッド・アウト型)。

新ポンプ装着後の写真。








ポンプ圧力は 5 psi (0.35 kg/cm2) で程良い。ダッシボードのイグニッションがオンになっている限り(エンジンは運転していなくても)常時動くタイプ。

以前のポンプ装着に使われていた壁の4本の既存ボルト中、下の2本を使って装着。



こうすれば天辺にある燃料出口孔に付ける真鍮の接続具(アダプター)がL字型(エルボー)でなくこの様なストレート・タイプでも燃料管がデッキとの間に収まる。

アダプターは上下ともこれを使用。

画面下側をポンプにねじ込み、上側を燃料管に差し込む。

写真では分かり難いがポンプにねじ込む側も微妙に先端部が細く、ナットに近い根元部の方が太くなっていて、ネジ部全体がすっぽりポンプの中に入らないが、それでもきっちり接続されるためリークは無い。







(尚、燃料出入り口周辺のスペースの関係でどうしてもL字型アダプターを使いたいがそれが手に入らないという場合は、アダプターはストレート型にし、ポンプ自体を横に倒して壁に装着すれば良い。ポンプは横向きに寝かせて装着しても何ら問題は無い。)

***

[ 今回のポンプ換装についての付記 ]

(1) 82089 の付属アダプター類(左の写真)は全く役に立たなかった、ポンプ 82089 発注時に上の写真の 1859222 を合わせて注文しておくと時間のロスが無い、

(2) 燃料フィルター(油水分離器)・燃料ポンプ間の燃料管は既存のものでは長さが足りないので新規に購入、最短1m でないと小売してくれないので1m 購入= 1,500円 したが、およそ30~40cm あれば充分、



(3) 電線は以前のポンプと設置場所が同じなので、ポンプ本体から出ている赤線(陽極線)と黒線(陰極=アース線)は本体に付いて来たそのままの長さで従来の接続ターミナルに接続可能、

(4) Stewart Warner 82089 購入前にネットでヤンマーの陸上機に使われるポンプ(下の写真)を買って試運転をしてみたが、手で触れない程熱を持ったので直ぐに外した、












(5) 82089 装着後の試運転(クラッチを前進に入れ1800~2000回転で1時間程運転)では、ポンプは何とか手を置く事の出来る熱さだった、

(6) ちなみに僚艇 Dana 24 のポンプ(左の写真)は運転後に手で触っても熱くなかった(30年以上経ったセレニティーのポンプも別型だがやはり熱くはならない)、ポンプが稼動している事から少々の発熱は仕方が無いのだろうかとも思うが、今後も 82089 の看視は続けたい、

(7) 外付けポンプ装着後の燃料経路のエアー抜き(ブリーディング)は簡単、ポンプ出口側のアダプターに短めのホースを付けバケツで燃料の飛び出しを受けるよう準備し、ダッシボードのイグニッションをオンの位置にすると(エンジンはスタートさせない)初めはガタガタと大き目の音がするが、燃料ポンプ内に燃料が回り始めると音は小さくなり、ホースから燃料が出て来たらすぐにイグニッションをオフにし、ポンプにエンジンへの燃料管を繋ぐだけでOK、その後エンジンをスタートさせ約10分間運転した後エンジン本体に付いている燃料フイルター上部のエアー抜きボルトを緩め、手でポンビングしてみたがエアーは出て来ず、この部分のエアー抜きは必要の無い状態だった、

(8) 外付けポンプに問題があった場合、外付けポンプをスキップして油水分離器の出口側にエンジンへの燃料供給管を直接接続する事で緊急避難する方法も体得出来たと思うので良かった。

***

以上、愛艇での外付けポンプ換装経験・情報をシェアして戴いたO氏に感謝したい。

(写真は最後の1枚を除き全てPSC製434艇中421番目 tea cup 及びその関連の品物です。写真・解説提供: オーナーのO氏。加筆・編集: 当ブロッグ筆者。)
フリッカのスペック

2015年7月17日金曜日

福岡のティー・カップ 外付け燃料ポンプの換装 1

昨日の一等下の写真に見える、エンジン・ルーム左舷側の壁。

画面右の白い物は燃料フィルター(燃料内の水分を除去する油水分離器)、左の灰色の物がポンプ。燃料は画面右から左へ流れる。


問題はこのポンプがカタカタと音を立てる様になり、その状態が暫く続いていたが、ついに音もしなくなるとポンプ本体が手で触れない程熱くなった事。オーナーのO氏は危険と判断されポンプを取り外された。

外した燃料ポンプ。












周知の様にエンジン本体にも燃料ポンプが付いているのでこの外付けポンプが無くてもエンジンの運転は可能。O氏は外付けポンプの代用品が届くまで、燃料フィルターの燃料出口にエンジンへの燃料管を直結し、エンジン本体のポンプに過剰な負担をかけない様、燃料タンクはいつも満タンかそれに近い状態で運転された。

(フリッカの場合、Vバース下にあるタンクの位置がエンジンの位置より低いので外付けポンプが正常に運転している状態でもタンク内の燃料の量を半分以上に保つことが推奨されている。燃料がタンク半分より少なくなると特に荒天などで波浪が高くバウが下がった時にエンストする可能性がある。またタンクからエンジンまでの距離が比較的長いと言うことも燃料の安定供給という点から外付けポンプが追加された理由にもなっている。)

分解したポンプ。

左端がトップ部分で燃料が出入りする所。

右端はケース、真ん中がポンプ本体。


解体した時にはポンプ本体とこのケース間のスペースも燃料で一杯だったそうだ。






ケース内への燃料リーク、かつポンプ不具合の原因はこれ。

トップ部分の中心にある孔に仕込まれていた蛇腹状のゴム(ダイアフラム)が劣化し、千切れてしまったこと。









ヘッド右側の燃料入り口と左側の出口部分には恐らく一方通行の弁が仕込まれているので、本来ならゴムの蛇腹がポンプ本体のメカニズムによって伸び縮みする度に燃料は蛇腹内およびその上のスペースを通ってヘッド部を右から左へと通過して行く。

破損後ヘッド部に残った蛇腹のゴム。










この写真の型のウォルブロ (Walbro) 製ポンプは既に廃番となっており、現在の Walbro 製はもっと大きくポンプ能力も高すぎるものしかない。そこでO氏は代替品を探された。(つづく)

(写真はPSC製434艇中421番目 tea cup 及びその関連の品物です。写真・解説提供: オーナーのO氏。加筆・編集: 当ブロッグ筆者。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2015年7月16日木曜日

福岡のティー・カップ エンジン周り

1993年製フリッカ、ティー・カップのエンジンは1GM10 。

キャビン内からの1枚。

(メンテでコックピットのアクセス・ハッチも外してあるため明るい。)




約2年半前に艇購入後、インペラーとサーモスタットを交換。その後冬季のエンジンのかかりが悪かったのでヘッド部分も交換。現在は1発始動で快調との事。

再塗装はされていない様だが、海水漏れによる錆びも殆ど無く、綺麗なものだ。






スルーハル・コック3個、接続された配管の状態も良い様子。

コックピットからの1枚。

配線もすっきりして気持ち良い。







しかし今年に入り21年以上使った燃料の外付けポンプ(画面左上の灰色のシリンダー状の物)に不具合が発生した。明日からそのポンプの換装の様子を見てみよう。

(写真はPSC製434艇中421番目 tea cup です。写真・解説提供: オーナーのO氏。加筆・編集: 当ブロッグ筆者。)
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2015年7月15日水曜日

セレニティー 7月11日土曜日の風 2 (Videos)

風はみるみるビルドアップした。



ドリフターを揚げた直後は風11~12ノットで対地艇速4ノット弱(昨日のビデオの風13~14ノットで艇速4.2~4.3ノット)、16~17ノットで4.7ノット、このビデオの18+ノットで5ノットを超える。エッブ・タイド(出潮)が0.7ノット程加勢していると思う。しかしボトムがきれいならさらに0.7ノットは出ているだろう。



約20ノットの風でジャイブしての復路。(薄い生地のドリフターの場合、セイルやシートが両舷のシュラウドに引っ掛からず、風下=フォアステイ方向に飛んでくれるジャイブの方がタックよりも180度転針しやすい。)

ドリフターは今シーズンに入ってから一日いちにち着脱する様にしていたが、使った日は帰港後の整理・整頓で外したセイルをただ丸めてクォーター・バース入り口に置いていた。この日はセイル・バッグに収納。念のためもう1週艇に置くことにしたが、今度の週末に家に持ち帰ろうと思う。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカの歴史 (History of the Flicka)

2015年7月14日火曜日

セレニティー 7月11日土曜日の風 (Video)

アメリカ気象担当官庁 NOAA の前夜の予報では8~15ノットの西風だったが当日朝の予報では10ノットに変わっていた。今年の風の予報は外れっぱなしだから予報する者も悩みに悩んでいるのだろう。別サイトの観測情報をチェックすると朝8時に既に約6ノットの西風が吹いていたのでこの日も早めに家を出た。

マリーナでドリフターを仕込んでおくべきかまた大いに迷ったが、結局多少強く吹いてもドリフター1本で通そうと決心の上リグ・アップし、1:30PM に出航。



マリーナ出入り口は静かだったが、0.2マイル地点では既に良い風が出ていた。西にヘッドアップしてドリフターをホイストし、すぐ北に向かう。ビデオは1:45PM 頃、0.3マイル地点。西風13~14ノット(ラル12ノット、ガスト15ノット)。この日は予報より吹かない場合の事も考えメインもすぐ揚げられる様にカバーだけは外して出たがそれは無用に終わった。

この風ならドリフター1枚の代わりに、フルの85% ジブ + フル・メイン(またはシングル・リーフ・メイン)の組み合わせで充分なところ。(無論、130~140% の普通のジェノアがあればジェノア1枚でも良く走るだろう。)

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・データベース

2015年7月13日月曜日

アメリカに帰って来たダルシニア インテリア

ブロウカーの話しでは室内の状態も極めて良好との事。2012年にはクリーンになった室内を [2月28日] から3日連続で取り上げたので本日の写真はそれらの写真と見比べられ度。

撮影の関係で2012年の方が色が鮮やかに見えるが、恐らく殆ど変わっていないだろう。










ただ室内ティークにミネラル系オイルを塗って手入れしていたためオイルが劣化し埃も混ざり幾分黒ずんで来ている可能性はある。

売りに出すため個人的所有物は全て艇外に降ろした様だ。












残っているのは艇の備品のみ。















2012年当時の個室ヘッドは [こちら]
















左舷側ギャリーの様子。















在メキシコ時の写真にこのペイパー・タオル掛けは無い。









バルクヘッド配電盤下のGPSプロッターと左下のEPIRB の間にティークのボックスが新設されている。

以前見られたハンド・ヘルドのGPS補機やプロッターの上に乗せてあるフォグ・ホーンを入れるのに便利そうだ。








この艇は10年以上前からSF湾で目にしていた。ランデヴーで一緒になったこともある。新オーナーと共に帆走を楽しんでいる様子を早く見たいものだ。












写真はPSC製434艇中412番目 Dulcinea です。)
フリッカ・ニューズレターのページ

2015年7月12日日曜日

アメリカに帰って来たダルシニア 外観 ポート・サイド

綺麗なのはティークだけではない。In shipshape と言える程艇全体に手入れが行き届いている様子。

ラインもフェンダーも、セイル・カバーも綺麗で、売る気満々。








デッキ(スーパーストラクチャーを含む)はハルのホワイトより少しクリーミーなオフ・ホワイト。

ファイバーグラスのジェルコート、キャビントップのノン・スキッドも年齢を全く感じさせない。






フォアデッキ、バウ・プラットフォーム、トウ・レイル・キャップ、フォアハッチ、キャビンサイド・トリム。





両舷のアッパー・シュラウドにはセイルが擦れない様、PVCパイプを被せてある。






セイルカバーと共生地のサンブレラで作ったカバーがティラーやエンジン・ダッシボードのカバーにも使われている。



右舷側バルクヘッドのコンパス、左舷側のその他の機器のカバーも同様。







どういう訳かウィンチ・カバーは見当たらない。

スターン装着のウィンドヴェインはウィンドパイロット・ブランド。

フリッカにはモニター・ブランドのウィンドヴェインよりもこのウィンドパイロットの [PACIFIC LIGHT] の方が軽量で合っているのではと思う。無論、この PACIFIC LIGHT の性能・頑丈さはメキシコ行きで実証済み。






(写真はPSC製434艇中412番目 Dulcinea です。)
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