2009年11月30日月曜日

ラダー・チークのドライ・フィット

べディング・コンパウンドなしで新しいチーク2枚をラダーにフィットさせてみる。

道具は使わずボルト・ナットを手でゆるく締めるだけ。








オリジナル・ボルトのサイズは直径3/8インチ、長さ4インチ。オリジナルより厚い板を使用したので、オリジナルの次に長い規格の4.5インチ・ボルトを差して様子を見る。

ボルト全9本を通し終わるまで各ナットは極力ゆるくしてある。それでもブロンズ・キャップを載せて留めようとすると、写真一番上のキャップ固定用の2本中、1本が通らなかった。どのようにかぶせても片方を通せばもう片方が通らない。横から孔を覗いて見るとどうしてもどちらか一方の孔にキャップの孔と約1.5mmのズレが生じることが分かった。





キャップのラインと両舷の板のラインを細かく観察した結果、両舷指差している部分を少しだけ均せば良いだろうと判断。




注意深くサンディング。電動ツールよりヤスリを使った手作業の方がやり易かったかも知れない。






無事貫通。ティラーも付けてナットを全9本とも手で締め付け、ボルトの余長分を測定。5/16インチカットすれば良いことが判明。













ドライ・フィットは終わった。(ピントルとピントルをラダーに取り付けているボルト・ナットをカバーする部分は何の問題もなくフィットした。)

この後、チークにセトールを塗って乾燥させ、ボルト9本をちょうどの寸法にカットし、ベディング・コンパウンドを使って本装着をする。






(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2009年11月29日日曜日

アイランド・メイドゥン - 内観

昨日見た艇のインテリア。 ポートサイドにバルクヘッド、スターボードにポストがあるのを確認できたフリッカはこれが3艇めだ。( [ドリーム・キャッチャーとメイプル] も然り。実際にはまだ数艇はいるかも知れない。)

マストからの荷重を心配した(神経質な)オーナーにも対応できるファクトリー・オプションだったと思われる。




この艇はヘッド(トイレ)がVバース入り口、台形クッションの下にあるタイプだから、カーテンで仕切って臨時個室にしやすい利点もある。

スターボード側、コンパニオンウェイ横に個室ヘッドがないので、セッティーにも無理なく横になれそうだ。





このようにレバーの付いた清水ポンプはオプションで選べたようだ。ドリンク・ホールダーは出来合いのティーク製品があるので後付けだろう。


下部に見える折りたたみ式テーブルはスタンダードの白ではなく、周辺にストッパーのトリムの付いた昔流。レンジとクォーター・バースの境のトリムが2段になっているのは何か理由があってのことだろうか。

(写真はいずれもPSC製434艇中番数不明、1982年製 Island Maiden です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ・スペック

2009年11月28日土曜日

アイランド・メイドゥン(島の娘)

アメリカ・ワシントン州シアトルの近く、ポート・タウンゼントで売りに出た1982年PSC製フリッカ。US$17,500 という値段のせいか、1週間もせずに購入希望者が現れた。

このフリッカも良く観るとなかなか個性がある。









マストは当時のファクトリー・スペックだったキニヨン社製のアルミ・マストではない。色からしてスプルース材のようだ。また、ブームが長い。そのブーム中央上にはハルヤード用のブロックが見える。これらの点からガーフ・リグだと分かる。しかしシュラウドは各舷3本のマルコーニ型。ガーフ・リグのマストは低く、スプレッダーがないので3本ともマスト上の同じ場所から引いているのだろう。

セイルを揚げていない時にブームを支えるブーム・ギャローズはガーフ・リグでは必須だ。この艇の物は柱2本を逆V字に立てる単純な仕掛け。スターン・プルピットのパイプ上にどのように装着してあるか知りたいところ。

アミッドシップ、チェインプレイトの間にはレール上にクリートが2本連続で装着してあるのが見える。通常はチェインプレイトよりも船尾側、船幅の一番広いところに1本つけてあるのが普通。この2本の使い勝手はどうなのだろう。

尚、ハッチはフォア、メインともファクトリー・オプションのティーク製。

フォア・デッキ中央にはスタンダードのブロンズ製クリートではなく、いわゆる十字型のサムソン・ポストを設置。




両舷のもやい用チョック外側にはティーク・レール保護のためラビング・プレートを仕込んである。

スターン中央のティーク板やエンジン・コントロール計器盤のカバーは手造りなのだろうか。





右舷側、エンジン・ストッパーのノブはラザレット内ではなく、コックピットから操作できるように外に出してある。

この写真右上、かろうじてプルピット・パイプ上にステップさせたブーム・ギャローズが見える。半円形の切り込みでパイプを挟んで立っている。

ブーム側がどうなっているのか不明だが、ブームの重さで立っているように思える。航行時は取り外すのだろう。

Island Maiden の木製ネーム・プレートはフリッカには珍しい。木製銘板を付けたフリッカにはトランサムの殆どをカバーする大きさの [日本のフリッカ] や、ピカチューという名の銘板を [スターン・プルピットに装着したアメリカの艇] がある。

(写真はいずれもPSC製434艇中番数不明、1982年製 Island Maiden です。)
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2009年11月27日金曜日

ラダー・チークの角取り

ラダー・チーク製作も角をサンディングして丸くする作業だけとなった。

左は既に丸みをつけたポートサイド(左舷)の板。右はこれから作業するスターボード(右舷)の板。





スターボードの板の作業を開始したところ。この後丸みが出始めたら、目の前に置いた古い板の丸みを手で触りながら比較して作業を進めた。

表面は丸みをつけるが、裏面はほんの少しだけ角をなくしてスムーズにするという感じ。

この人指し指と親指の間にはブロンズ製キャップがかぶる。








オリジナルの古い板の場合、キャップのかぶる部分は角が立ったままにしてある。 ⇒ [11月22日の写真を参照]

しかし、実は新しい板は古い板より1/8インチ(3mm強)厚い。このキャップがかぶる部分も角を落とした方が良いかなと、下の写真のように外側1/8インチだけ丸みを付けてみた。

(註:アメリカでは通常合板を除く木材の幅と厚みの表示・売買は実際のサイズ、つまり「アクチュアル・サイズ」よりも1/4インチ寸足らずの「ノミナル・サイズ」というサイズで行う。製材できちんと鉋をかけたものはその寸法になってしまうということから来たらしい。つまり、例えば厚さ1インチと書いてあっても実物は3/4インチしかないのが普通。2インチと書いてあれば1+3/4インチしかない。ただし長さだけは実寸表示。48インチと書いてあれば実物も48インチ。この板はeBayで購入したが、セラーが幅も厚みも現物を物差しで計ったサイズを表示していた。

ファクトリーものより1/8インチ厚いと言っても、当方にとって都合は悪くない。何と言ってもそれだけ頑丈だ。という訳で薄くせずにそのまま使った。ただ装着時に両舷で合計1/4インチ厚くなるため、ボルトもその分長いものを用意した。1本1ドル弱。)

これで自宅での作業は終わり。後はマリーナでの作業となる。

古い板、この写真では裏面の腐食の補修箇所は見えないが、画像をクリック拡大すると、表面にも亀裂が走っているのが見える。









(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関連のものです。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

2009年11月26日木曜日

ラダー・チークのホゾ穴堀り

ラダー・チーク作りの中でホゾ穴堀りは特に気を使う。見てのとおり、ラダーを船体本体に取り付けるためのブロンズ製金具、ピントル部分をカバーするのが長方形部分。中の長円状の部分はピントルをラダーに取り付けているボルトやナットの部分をカバーするため一段と深く掘ってある。

実はピントルの幅はこの長方形部分の約半分。ボルト・ヘッドやナットの径も長円の幅よりかなり小さい。





両方とも装着時に苦労しないように随分余裕をもたせてある。そのためか、良く測ると長方形の幅は奥の部分の方が入り口部分より1/16インチほど広かったり、長円は形が雲形になったり、随分おおらかに作ってある。

しかし、深さだけはどこを計っても1段目5/16インチ、2段目3/16インチ、計1/2インチと正確だ。

小さい目盛の定規で計測しながら新しい板に鉛筆で墨入れ。(雲型は大きさと深さが重要で、細部の形にはあまりこだわる必要は無い。)

ドリルを使って2段目部分から掘り始める。ドリルには1/2インチ弱のところにマジックで目印をつけ、深堀りしないように注意した。



(効率をあげるため2枚目の時はもっと径の大きいドリルを使った。)

ドリルで穴を開けた後は、大小2本のノミやファイン・ツールで掘り進め、鉄のヤスリで地ならしと仕上げをした。




深堀りしないように頻繁に定規で深さを計測した。鉄のヤスリでゴシゴシ擦ると面がきちっと出て形が明確になるので大変重宝した。(尚、定規の十字架の短い棒はスライドする。それを木の表面に置き、頭の部分を穴に入れて深さを測る。スライドをセットした値で止めておき、頭を突っ込むと手っ取り早く深浅が分かる。)

細かい仕上げは1段目も掘った後に行う。

電動円ノコの深さを5/16インチにセットして、長方形の両側部分に切り込みを入れる。






深切りしないよう注意しながら、ファイン・ツールの半円形カット・ツールでこのように切り込みを入れる。なるべく浅めに切り込む。



入り口部分は外から深さが良く分かるので浅めにカットした線を手引きノコでちょうどの深さまでカット。その部分からノミを入れ始める。

(註:半円形カット・ツール = ファイン・ツールは回転ではなく、細かい振動でカットするツールなので円ノコのように円形でなくとも切れる。)

切り込みを入れてあるので、いかに硬いティークでもノミを軽く当てて行くだけで、まるでチーズでもカットしているように切れる。



ホゾ穴を掘るのに使った道具類。ここには写っていないが、前述のように電動円ノコ、ファイン・ツールの半円形カット・ツールも使用。


穴は2段とも、最後の仕上げは細いノミと鉄のヤスリで行った。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関連のものです。)
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2009年11月25日水曜日

ラダー・チークのボルト孔

古い板の孔をガイド・ホールにしながら新しい板にドリルで全9ヶの孔を貫通させた。貫通後のテスト。

古い板2枚を重ねるとちょうど間に挟むラダーの厚さ位になるので、古い板を新しい板でサンドウィッチしてボルトを通して見る。


このように全9本が同時に貫通することを確かめる。スムーズに通らない孔はドリルを差し込んで孔に少し遊びをつくる(孔を少し大きくする)。

ボルトはどちらの面から差し込んでもスムーズに入るようにする。孔に遊びをつくる時もドリルを両面から差し込む。



このように両面から無理なく貫通するようになった後、新しい板2枚だけをぴったり重ね、9本のボルトを差した状態で、さらに周辺をグラインドして2枚のサイズをきっちり合わせた。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関連のものです。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2009年11月24日火曜日

ラダー・チーク製作つづく

なるべくグラインドする部分を少なくして楽をしようと、昨日の最後の写真の状態からさらに、電動円ノコを使って、極力鉛筆で引いた外周の線に近くなるように、はみ出した部分をカットして落とした。

電動円ノコの効用。












要領が分かってくると電動円ノコは使いやすい。線の近くまでかなり細かい作業もできる。

その後、小細工用のファイン・ツールにグラインディング・パッドを付け、カーブどおりにカットを仕上げる。





外周をパターンどおりに仕上げた状態。










(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関連のものです。)
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2009年11月23日月曜日

ラダー・チーク製作開始

持ち帰った古いチーク(頬板)をパターンにして、自宅作業場で新しいチークを製作する。

持ち帰った古い板はホワイト・オーク材。背景の板は新しいチークの素材、ブラジル産ティーク。ティークは油を含み腐り難いので使用する。

ホワイト・オークにくっきりインプリントされた(めり込んだ)ウォッシャーの痕。

特に一番右上のものはウォッシャーがオーク材の筋目にめり込んだ結果、オーク材にひび割れが走っている。




このようなことが起きないように、新作チークの外側には同型に切ったステンレススチール板を重ねることも考えているが、とりあえずSS板なしで試してみようかとも思う。このティーク材はオーク材よりはるかにファイバーの密度が高く、硬い。重さも1.5倍近くある。

昨日書いたように、内側にはピントルの装着部をカバーするためのホゾ穴が開けてある。






チーク装着時のベディング・コンパウンドには水道工事屋の使うパティが使ってあった。スターボード側の板のホゾ穴からはパティを除去してみた。ホゾ穴が二段になっているのが見える。

パターンを取って製作開始。











まず外周のカーブに沿って直線で荒切り。電動円ノコと手引きノコでカットした。このあと電動グラインダーで削ってカーブを仕上げるつもり。


尚、ボルト孔の位置はパターン(古いチーク)を上に置いて密着させ、パターンの孔から同径のドリルを入れ、浅掘りして位置をマークしてある。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関連のものです。)
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2009年11月22日日曜日

ラダー・チークの取り外し

11月21日土曜、快晴、北北東の風17ノットとセイリングに持って来いの天候だったが、前日、冬のメンテに入ると決めていたので出航せず、ラダー・チーク(頬板)を取り外し、新品の製作に取り掛かることにした。

左舷から右舷に抜けてラダー・チークをラダーに取り付けているボルトは全部で6本。






さらにチークはラダー本体よりも上に伸びていて、上端部分にはブロンズ製キャップが被せられ、そのキャップも左舷から右舷に抜ける専用ボルト、都合2本で留めてある。

そしてその2本のすぐ下、この写真で指差しているのはティラーを取り付けるボルト1本。

つまり、ラダー・チークを取り外すには合計9本のボルト(*)を抜く必要があるが、まず、ティラーをチークに固定しているこの真ん中の1本を外して、ティラーを抜いてしまう。

*註 セレニティではさらにティラーを上に載せるためのボルト1本もカスタムで装着してあるので全部で10本になる。

次にブロンズ・キャップを固定している2本を抜いて、キャップを海に落とさないように細心の注意を払いながら取り外す。




チークを固定している6本のボルト中、上部の1本を抜いたら、ただちにボルトの代わりにラインを通して結ぶ(ノットはボーリン)。


ラインのもう一方の端は船体に結び付けて固定。これですべてのボルトを抜いた時にチークが海に落ちるのを防止する。

チーク自体はボルトを全部外した後軽くタップするだけで簡単に外れる。







スターボード側のチークは今年の夏、腐った部分にファイバーグラスとレジンで応急処置を施しておいた。

取り外した両舷のチークの内側。緑に見える箇所は、ラダーを船体本体に取り付けるブロンズ製ピントルをカバーしていた部分。



緑はベディング・コンパウンドに移ったブロンズの青銅色。実はピントルをカバーするためのホゾは二段に刻んである。一段目はピントルの長方形部分をカバー。二段目はその真ん中部分にさらに一段深く、楕円形に刻んである。これはピントルをラダーに取り付けるボルト・ナットの突き出た部分をカバーするためのもの。

新しいチーク(頬板)が完成するまで、ラダーがバタつかないように、このようにラダーの孔に通したラインでラダーをセンターに固定しておく。


(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2009年11月21日土曜日

2009年11月20日金曜日

マスト下のアーチ

既述のようにフリッカのマストはキャビン・トップにステップして(立てて)あるだけで、キャビンを突き抜けてキールにステップされてはいない。キャビン内、マスト直下にマストからの荷重を支える柱、コンプレッション・ポストすらない。

フリッカではマストからの荷重をキャビン・トップに仕込んだ分厚いアーチで受けて、キャビン・サイド、デッキ、バルクヘッド、キャビン・ソール(床)、さらにハルやキールへと送っているからだ。このためキャビン内が広く使える。

このフリッカは自作艇だが、アーチはこのようにマリン合板にファイバーグラスをレジンで固めて積層してある。写真は製作中のロバート・コリヤー(Robert Collier)。



両舷にポストを設えているが、これはコンプレッション用というよりは手摺りと考えた方が良い。

周知のとおり、もともとの設計図によるキャビンはPSC製と比べ、このようにキャンバー(円弧の曲がり具合)が大きいのが特徴。


(写真はいずれもカリフォルニアの自作フリッカ Red Rascal です。)
レッド・ラスカル 外観 & 同 内観

2009年11月19日木曜日

帆走つづく (Video)

昨日のつづき。この日はこの幅約1.5マイルの風のある海域を何回も往復する38フィート艇も見かけた。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

2009年11月18日水曜日

11月7日の帆走 (Video)

時間をさかのぼってまた11月7日の撮影分。西風のスターボード・タックで南行を続ける。セイルはいずれもフル。



今週末(21日)、左程風がなければ出航せず、ラダー・チークを取り外して自宅に持ち帰り、それをパターンに新しいラダー・チークの製作に入ろうと思う。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2009年11月17日火曜日

一風変わったフリッカ

これはPSC製ハル番号172番、ライト・ジャックのインテリア。中央にマストからの荷重を支えるコンプレッション・ポスト(柱)がある。フリッカはコンプレッション・ポストが無くても良いように、キャビン・トップにマリン合板とファイバーグラスの積層で拵えた分厚いアーチが仕込まれているので、このような造作を目にできるのは極めて珍しい。

1981年製と思われるこの艇、キャビン内の仕上げはオーナー・フィニッシかも知れない。またオリジナル・オーナーが神経質な人で、どうしても無いと心配だと、ファクトリーにカスタマイズ・オーダーを出したのかも知れない。

もともと初期フリッカにはキャビン内にセンター・ポストどころかポストはひとつもない。バルクヘッドがあるだけだ。



PSCは一艇でも多く受注したかったのだろう、1984年くらいからフリッカの設計者ではなく、雑誌などに批評を書いている世間のヨット評論家の声を聞いて、スタンダードで左舷側に1本のポストを仕込むようになったが、それとて実はマストからの荷重を支えるためではなく、手すりと言った方が良い。

この艇のオーナーも近々、この邪魔なポストを取り払うそうだ。実はキャビン・ソール(床)に殆ど浮いているような状態なので簡単に取れるそうだ。ポストはその下の敷板の穴に差し込んであるが、それはポストが前後左右に振れないように、留めの役をするためだけのものという。

このフリッカには他にも一風変わったところがある。まずはこれ、逆Y字型のスプリット・バックステイ。





スプリットの場所が低すぎる。これではセイリング時、殆どいつも、ブーム・エンドに付いているメイン・シートがステイに擦れてしまう。この点どうも素人くさい。

この写真、部分的なのが残念だが、コックピット・シートに注目。








どうも右舷シート(ロッカー)の幅が板一枚分以上狭いように見えるがどうだろう。いや、それよりスターンに沿ってブリッジ・デッキが設えてある。実にユニークだ。キット(オーナー・コンプリーション)ボートでもデッキはFRPのファクトリー製だと思うが、これも自分でカスタマイズしたのだろうか。

この艇の他にもユニークなフィーチャーを持ったフリッカがまたいつか現れるかも知れない。

(写真はいずれもPSC製434艇中172番目 Right Jack です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2009年11月16日月曜日

11月15日の風 (Video)

11月半ばの風は微風。おだやかな海上で古い昔の日本の歌を聴きながら、のんびり、リラックスできた。



しかしそろそろラダー・チークのパターンをとって新作の作業に入るなど、計画したオフ・シーズンのメンテを実行すべきだ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ、売りに出ているフリッカの一覧

2009年11月15日日曜日

ノウマッド

PSC1978年製、ハル番号54、ノウマッド。マリーナ・デル・レイをベースに、サンタモニカ湾を主体にセイルしている。

オーナーのビル・ホーガンは将来の外洋クルーズに備え、強風の日は必ず出航してトレーニングを積んでいるという。




本日の写真はいずれも今年の夏のものだが、去る10月27日には、風35ノット(突風は40-50ノット)、波浪10+フィートの中、風上に向けてビーティングしながら港に戻ったそうだ。











1978年と言えばPSC(パシフィック・シークラフト)がフリッカを作り始めた年。メイン・ハッチなどに初期フリッカの特徴が見られる。


Nomad 1978 Hull #54 @ Marina del Rey, CA.
















(写真はいずれもPSC製434艇中054番目 Nomad です。)
10月27日のヘビー・ウェザー・セイリングの様子を綴ったノウマッドのオーナーのストーリー@フリッカ・ホームページ

2009年11月14日土曜日

まるで夏風 (Video)

ジャイブ後2-3分で、風がみるみるビルド・アップし、約15ノットとなる。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2009年11月13日金曜日

無風域の手前まで快走 (Videos)

海面に波ひとつ無い北方の無風域に向け1.5マイルほど走る。



ビデオのしゃべりで風がなくならないから今年のシーズンは長いと言っているが、それもさることながら、雨がなかなか降らないからシーズンが長いと感じるのかも知れない。

無風域の手前、風が落ちたところでゆっくりジャイブ。



クラブ(ブーム)付きジブの方を先にジャイブさせる。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2009年11月12日木曜日

風立ちぬ (Video)

殆ど無風状態から8ノットまでビルド・アップするようす。



本日も晴天、セイリング日和なり、というところ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ・スペック

2009年11月11日水曜日

風待ち (Video)

殆ど風のない状態が5-6分つづく。だが、全く無風ではない。海面を見ると吹きそうな気配がある。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

2009年11月10日火曜日

デッキ・レイアウト (Video)

フリッカのコックピットは20フィート艇にしては大きい。ワークボート(漁船)をモデルにしているからだろう。



セレニティはシングルハンダーズ・パッケージ仕様なので、ハルヤードやリーフィング・ラインはマスト止まりではなく、コックピットまで引いてある。ポートサイド(左舷側)は赤いラインで統一。外側の太いラインがジブ・ハルヤード、内側のラインはセカンド・リーフ用ライン。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2009年11月9日月曜日

11月第1土曜の風 (Video)

11月7日も晴れ。今年は秋になっても雨がなかなか降らない。よって風が少しでもあればセイリングができる。



日本から帰ってきたワイフと二人で海上で時間を過ごす。わずかにフラッド・タイド(満ち潮)。その潮に逆行して3.5ノットの西風でビーム・リーチ、艇速1.7ノット。たまに8ノットの風があり、3ノットまで船足が伸びる。

この日は珍しくマリーナのすぐ外、南北約1マイルの海域で風があり、そこでのセイリング。一時間後くらいに14-15ノットまでビルド・アップした。しかしその他の海面は鏡のようにさざなみすら立っていない。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2009年11月8日日曜日

約20ノットの風 (Video)

風はさらにビルド・アップして約20ノットとなった。メインはすでにダブル・リーフしてあったが、ジブにもリーフを入れ、実に快適な帆走となった。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2009年11月7日土曜日

フリッカの醍醐味 (Video)

フリッカの醍醐味はやはり15ノット以上の風で帆走することだろう。これは17ノットの西風で南行のビーム・リーチ。ダブル・リーフのメインにフルの100%ジブ。エッブ・タイド(退き潮)の逆潮で対地スピードは4.4ノット。対水は5.8ノットは行っているだろう。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2009年11月6日金曜日

スプラッシ (Video)

昨日は主にルー(風下)の様子だったが、今日はウェザー(風上)の様子。バウ・ウェイブで久々にキャメラも濡れる。オリンパスの防水キャメラはこういう時も安心。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2009年11月5日木曜日

バウスプリット (Video)

白くペイントした木がバウから先に突き出したバウスプリット。その左右に装着してあるのはティーク製のプラットフォーム。



バウスプリットの先端、フォアステイのすぐ後ろにあるブロック(滑車)はジブを降ろす時に引くダウシング・ラインを通すブロック。今はジブにダウシング・ラインはつけていない。ダウシング・ラインについては [こちらを参照]

左舷のブロンズ製の物は通常アンカーを載せ、投錨や揚錨の時、アンカー・ロード(チェインやロープ)を走らせるバウ・ローラー。セレ二ティではこの左舷のものは使ったことはない。この画面では見えないが右舷のものはCQRアンカーを載せていた時使ったことがある。今はバブル・アンカーをコックピット・ロッカーに入れてあるので、使用時のみチェインやロープが走ることになる。

アンカーをプラットフォームに置いていないと、足場が広く安全だ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2009年11月4日水曜日

ラインズ (Video)

マスト左舷側、赤いライン(ロープ)2本の中、手前の細いものはメインスルのセカンド・リーフィング・ライン。その前方の太いものがジブ・ハルヤード。

マスト右舷側、緑のライン2本の中、手前の細いものはファースト・リーフィング・ライン。その前方の太いものがメイン・ハルヤード。
(尚、真ん中の白いラインはステイスル・ハルヤード。)



ジブのクラブ(ブーム)から下へ降りているラインは、ジブ・シート。シートはタックやジャイブ時に、ステンレス・スティール製のパイプ(ホース=馬と呼ぶ)上を移動する。移動すると言ってもシートは左舷側方向に引いて、左舷のウィンチに巻いているため、実際に移動するのはホースの左端からせいぜい真ん中くらいまで。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2009年11月3日火曜日

一月前 (Video)

再び10月第1週末のビデオ。西風の中、スターボード・タックで南へ向かっている。



以前書いたジブのリーチを引っ張っていたリーフィング・ラインは緩めてクリートし直してある。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2009年11月2日月曜日

霧の朝 (Video)

11月1日(日)の朝。濃霧だった。このビデオは午前10時くらい。かなり薄くなったが、フォア・ハッチを開けると見ての通り、霧がキャビンに入ってくる。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2009年11月1日日曜日

リラックス (Video)

10月第5土曜日は多忙でセイリングに行けなかった。今この第1土曜のビデオを見ながら行ったつもりになっている。明日は出航はできなくても空港に愛妻を出迎えに行く際、セレニティの様子を見に短時間でもマリーナに足を運ぶ予定。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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