2010年8月31日火曜日

8月28日土曜の風 (Video)

穏やかなマリーナ内でも12ノット以上の風があったので、予めメインにセカンド・リーフまで入れて出航した。



外に出たところで7-8ノット。それでも0.8マイル程行くと風の強いゾーンがあるのを見込んでリーフの入ったままセイルを揚げ、のんびり北へ向かっている。他のボートも釣り人もどこにもいない。一挙に秋が来たような光景だ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年8月30日月曜日

トゥーカンのジブ

100-110%のワーキング・ジブ。

セイル底辺(フット)がライフラインにわずかにピンチされているだけ。セイルメーカーのうまいカット。





しかし、この程度でも気になる人は気になるかも知れない。








フットの摩擦部にセイル補修用の [ダクロン・テープ] を縫い込んだり、[接着剤の付いたダクロン・テープ] を貼ったりして、チャフィー(擦り切れ)を予防している人たちもいるようだ。

***

尚、セレニティーのジブは [クラブ(ブーム)付き] で、グースネックはクラブがプルピット・レイルやライフラインをクリアー出来る高さに装着してあり問題はない。

またジェノアを張る場合、タックにつけたペンダントをバウスプリットから引っ張ったペンダントに連結させて揚げるので、やはりライフラインやプルピット・レイルをクリアーできる。これはハンク・オン式ヘッスルの利点かも知れない。

(写真はいずれもPSC製434艇中340番 Toucan です。)
Toucan ホームページ 左のメニューの Blog をクリック。

2010年8月29日日曜日

ちょっと変わったウィング・アンド・ウィング

風下に向かう真下りのセイリングは風波が強い時でも嘘のように静かで乗り心地の良いものだ。文字通り風を背にして走るので、ダウン・ウィンド・セイリング、またラニング(ラニング・ビフォアー・ザ・ウインド)とも呼ばれる。

殆どの艇ではヘッスル(ジブ、ジェノア)を片舷にポール出しして、メインをその反対側の舷に出し、ブームにプリヴェンターをセットするのが普通だ。例は [こちらのビデオ] 。その状態は見た目の形からウィング・アンド・ ウィングと呼ばれる。ところがこのフリッカ 『スカウト』 のやり方は一風変わっている。

左舷のヘッスルはその大きさや、形、膨らみ、生地の薄さから、ドリフターのようだ。

右舷のセイルは一見メインに見えるが、実はメイン・ブームをポール代わりにして出したジェノアだ。メインはブーム上に畳んである。







ジェノアのシート(赤いライン)はブーム・エンドのブロックに通し、そこからコックピット横のジェノア・トラック・ブロックを通してウィンチに引いてある。

この方法だと大きいヘッスル2枚を張れるから風の弱い時などパワーが得られるということだろう。

気になるのは、不意のジャイブを防ぐためにブームを前方に引くプリヴェンターが見えないことだ。ジェノアのレイジー・シート(この写真では左舷側に引くシート)でセイルを前方に引っ張る形になっているとは言え、ブームの下に見えるブーム・ヴァングをプリヴェンターとしてセットしないと、ジェノアが3本のシュラウド(日本ではサイド・ステイと呼ぶ人が多いがシュラウドが正しい)やスプレッダー・エンドに擦れてしまう場合があるだろう。破れてしまう可能性も無きにしも非ず。何よりプリヴェンターをセットすれば右舷のジェノアも、左舷のドリフターに対してバランス良く、もっと外に出せるだろう。

ブーム・エンドのブロックを通るジェノア・シートのクロース・アップ。







***

尚、外洋クルーズ中の艇では、この針路(ポイント・オブ・セイル)の場合、太陽の出ている間スピネイカーを張る(暗い時は危険なので降ろす)ものが多い。

またショート・ハンドの外洋クルーズ艇では安全性の面からスピネイカーを張らず、代わりに2枚のジブを両舷に1枚づつ揚げるものも少なくない。この目的のため、最初からフォアステイを2本にした [ツイン・ステイ] セットアップもある。ステイが1本しかない場合、左右のジブのハンクを交互に付けて揚げる。いずれにしろ、ジブ2枚張りの場合、天候、針路変更などの条件に応じて、片側のセイルを簡単に反対側のセイルに重ねて帆走することができる。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番 Scout です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年8月28日土曜日

ダブル・リーフ (Video)

西風17ノットとなったので早めにメインにセカンド・リーフを入れた。



気温はまるで秋のようだが、風は久しぶりに夏風だ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2010年8月27日金曜日

逆潮 (Video)

マリーナから4マイル地点でタックして同じ海域を南行する。マリーン・レイヤーがバーンアウトしてだんだん青空が出てきた。



合間に鰯雲風の雲も見られる。秋かな。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。

2010年8月26日木曜日

メインをリーフ (Video)

風がビルドアップして13.8ノット。もっと強くなりそうなのでリーフ・アーリー(リーフは早めに)の原則どおりメインをシングル・リーフ。



対地艇速は4.7ノットと変わりない。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページにある、今売りに出ているフリッカのリスト

2010年8月25日水曜日

8月21日土曜日の風 (Video)

マリーナを出たところで7.8~8.2ノットの西風、約1ノットの連れ潮、対地艇速4.5~4.7ノットで北上中。



まだマリーン・レイヤーが空を覆い、直射日光がないので寒い。腰から下にブランケットを掛けて暖を取る。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。

2010年8月24日火曜日

ビンガムのフリッカ、サブリナ

フリッカの設計者ビンガムはPSC(パシフィック・シークラフト)からハル番号025のフリッカを入手し、サブリナと名付けた。

パートナーのケイティ・バークとサブリナに数年リブ・アボードしていたことは良く知られている。

見ての通りサブリナのマストはPSCスタンダードのリグより少し高い。

リグのスペック図面は日本のヤフー!フリッカ・グループ・サイトで見られる (ブリーフケース ⇒ ブルース・ビンガムのフリッカ、サブリナのスペック)。




その図面でも、メインシートの設定が、昨日掲載した詳細図どおりの改良型となっている。

また、PSC のオリジナル版 [フリッカ・ブローシュア] 2ページ目に掲載されたリグの図を見ると、メインシートはミッド・ブーム型となっている。ビンガムは操作性の点から余程ミッド・ブーム型が気に入っていたらしい。

ミッド・ブーム型は (ビンガムのブーム・エンド型の改良型を含め) 帆走中にブームが浮きにくいという利点もある。

数年前の情報だが、サブリナは今ノース・カロライナ州にいるとの事、あまりメンテが良くない状態らしい。

***

尚、ケイティはビンガムと別れてから自分用に別のフリッカ、黄色いハルの新艇 『ジブシー・ロウヴァー』 を購入し、南カリフォルニアでセイリングしていた。上記ブローシュアの4ページ目に写真が掲載されている。

ジプシー・ロウヴァーもその後何度かオーナーを変え、最新情報によると、2010年夏現在、ロサンジェルスのマリーナ・デル・レイに係留中。

ケイティはビンガムと共にフリッカのハルの初代モールド(このモールドはノー'スターへ売却、その後PSCの手に渡った)を造り、その際フリッカのシンボル、葡萄の蔦のスクロールワークを彫り込んだ女性(恐らくデザイン自体も)だが、1985年に [THE HANDBOOK FOR NON-MACHO SAILORS] という本も出していて、その本の中にフリッカ(サブリナ、またはジプシー・ロウヴァー)の写真も出ているそうだ。この本にはフリッカでの長い生活を経験したケイティのアイディアが詰まっているのではと思う。

(写真はPSC製434艇中025番 Sabrina です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年8月23日月曜日

ブーム・エンド型メインシート一考

PSCフリッカにはメインシートの設定法に [ブーム・エンド型とミッド・ブーム型の2種類] がある。後者はオプションで、スタンダードは前者。このため大抵のフリッカはブーム・エンド型になっている。

フリッカの設計者ビンガムがパシフィック・シークラフトから入手したフリッカ 『サブリナ』 もブーム・エンド型シートだったが、ビンガムはどうも使い勝手が悪い、と自分でそれをアレンジしてしまった。

画像をクリックして大きくすると詳細が分かる。









簡単な仕掛けなので、ブーム・エンド型シートのフリッカに乗っている人には一考の価値があるかも知れない。

ビンガムいわく、『このアレンジはスタンダードのブーム・エンド型のようにシートが絡んだりねじれたりすることがない、各ブロックがそれぞれの指向性によりシートの走る最適な方向に向くのでシートがブロックの側面に引っかかったり擦れたりすることもなく操作がスムーズ、そしてミッド・ブーム型のようにシート操作が前方(セイルのラフ)を見たままできる、という利点がある。

キャビントップ右舷側にはアイ・プレイトを付けてあるが、それも左舷側と同様のスウィブル・ブロック + クラム・クリートにすれば、コックピットどちら側からでも操作しやすい。』

シートはスタンダードのブーム・エンド型より短くて済むそうだから、新規に購入する必要はない。

***

このセットアップの問題点があるとすれば、ミッド・ブーム型シートの場合もそうだが、ドジャーとの兼ね合いだ。その点をクリアーできれば使い勝手の良いシステムと言えるだろう。

(画像はフリッカ設計者ブルース・ビンガム自身が起こしたもの。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年8月22日日曜日

ニューポート・ボート

ニューポート・ボートとはその昔、ニュー・イングランド地方、ロード・アイランド州ニューポートを母港に活躍した漁帆船。

フリッカは複数のニューポート・ボートのハル(船体)を計測したボート・デザイナーのブルース・ビンガムが誰にでも造れるようにとそのサイズを艇長20フィートに落として設計したセイル・ボートだ。

このフリッカの撮影場所はそのニューポート。









この夏、いわばフリッカの故郷である当地に停泊しているところを、たまたま友人のボートに乗船してニュー・イングランドをクルーズ中の、シアトルのフリッカ 『トゥーカン』 のオーナー、ロンが撮影したもの。

1985年製の 『クロー』。ディンギーも見事にカラー・コーディネート。ただ、ディンギーのスクロールワークは葡萄の蔦ではなく、イルカか魚のデザインのようだ。

オーナーはオリジナル・オーナーではないが、このフリッカを購入してから今年で15年目という。




新艇のように輝いている。愛されている。手入れの良い艇はいつ見ても気持ちが良い。

何でもオーナーは本職が大工だそうで、乗船させてもらったロンの話ではキャビン内の造作は実に立派だったそうだ。写真がないのが残念。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数未確認 Cloe です。)
フリッカ・ホームページにあるフリッカのデータベース

2010年8月21日土曜日

サウス・ベイを南下 (Video)

特別速いようには見えないが対地艇速6.7ノット。連れ潮はありがたい。ちなみに逆潮の往路は3000rpm (1GM10) の機帆走で2.5~3.2ノットだった。



マリーナを出航した時はマリーン・レイヤーが空全体を覆って寒かったが、この時間 (2:30 pm) にはすっかりバーン・アウトして一面の青空。太陽の光が暖かく心地良い。

それにしても夏のSF湾でリーフィングなしのセイリングが続いている。冷夏で陸地の温度が上がらないためだろう。場違いのようで奇妙な違和感のあるシーズンだ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
Latitude 38 で売りに出ている24フィート以下の艇のリスト フリッカ2艇が載っている。PSCマリア(31フィート艇)に乗り換えたランディのフリッカ Dulcinea と、レイク・タホにある Lil' Toot。

2010年8月20日金曜日

引き返す (Video)

この日セントラル・ベイも風はまだ弱い。潮に逆らってここまで来てみたが、潮が入って来ているフラッド・タイドの時間帯を逃しては帰りも時間がかかる。引き返すことにする。



これくらい(約12ノット)の風があれば、往路の半分の時間で帰れそう。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。

2010年8月19日木曜日

帆走 (Video)

ビル群をクリアーすると太平洋からの風が吹きつけ、ようやくエンジンを切って帆走。



風はまだ12ノット、パフで15.5ノットしかない。あと1-2時間すればもっと出ると思うが、今年は風が弱い。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページにある、今売りに出ているフリッカのリスト

2010年8月18日水曜日

ベイ・ブリッジ通過 (Videos)



東南から西北(サウス・ベイからセントラル・ベイ)へ。



観光遊覧船のホーン・ブロウワー。マリーン・レイヤー(朝霧)がバーン・アウトして極めて視界の良い世界が広がる。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年8月17日火曜日

8月14日土曜の風 (Video)

この日久しぶりにSF湾セントラル・ベイの様子を見に行く。いつもより2時間早く、朝10時半の出航。従って風はまだ約4-5ノットと弱い。しかも逆潮。ベイ・ブリッジまで2時間半かけ機帆走中。

ジャイアンツのデイ・ゲームがあるので野球場に観客が続々入場中。空には霧(マリーン・レイヤー)がかかって肌寒い。だが午後2時くらいまでには必ずカラッと晴れる。



ベイ・ブリッジの南1マイルあたりから観光遊覧船、定期フェリー、貨物船、ワーク・ボート、プレジャー・ボート(パワー/セイル)と交通が激しくなる。ツーリストを乗せた大型スピード・ボートも相変わらず派手な動きで縦横無尽に走り回っている。うるさい水上バイクのモンスター版。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年8月16日月曜日

パシフィック・シークラフト 1号艇 (つづき)

ノー'スターのハル・モールドを使って造ったPSCのフリッカ、第1号。引き続き特徴的な部分を見てみよう。

何より目を引くのは小さなコンパニオンウェイ。










入り口前にブリッジ・デッキはないが、底辺がコックピット・シートよりも高く、荒天時コックピットに入った潮がキャビンに流れ込み難くなっている。この小さな入り口はノー'スター製にもその後のPSC製にも見られない特徴だ。

一方、ラダーの造り、ストレートな木製コックピット・コーミング、またフォアのハッチがキャビン・トップではなくフォア・デッキにある点はノー'スター製と共通している。

昨日の写真では白かったトランサムが黒く塗られている。もともとどっちの色だったかは不明。






スターンにブリッジ・デッキがあること自体ユニーク。メイン・シート装着法も他のフリッカに例を見ない。





一番上の写真も合わせて見ると分かるが、シートは右舷と左舷に跨っており、ティラーはその間で操作するようになっている。

エンジン計器類はブリッジ・デッキ前面に配置。

ハッチがノー'スター製同様フォア・デッキにあることが確認できる。その前にあるのはウィンドラス。





写真で見る限り、丁寧に乗られているようで、まだまだ十分現役として活躍できそうだ。

さて、これが以前1号艇として [フリッカ・フレンズで紹介された艇] と果たして同じ艇なのか、という問題だが、やはり別艇だろう。

この艇、ダフニーこそPSCで造られた最初のフリッカであることは疑いようがない。それはハル番号から明白だ。ダフニーの写真はPSC1号艇がノー'スター製からバリバリのPSC製に移行する過渡期のものであることを物語っていると言えるだろう。

そもそもノー'スター製フリッカはノー'スター自体はFRP製ハルを造っただけだ。デッキはウェスタリーが木で造り(つまり、デッキ・モールドは無かった)、内部はウェスタリーやオーナー自身が仕上げる、いわゆるセミ・プロダクション・ボートだった。

この艇ダフニーのデッキやキャビンを誰が造ったのか不明だが、見ての通りまだ木製である。全部PSCが造ったのかも知れないが、この1号艇の段階ではまだノー'スター製のようなセミ・プロダクション・ボートであった可能性も高い。















フリッカ・フレンズで紹介された艇をビンガムがPSCの1号艇と呼んでいるのは、それがバリバリのPSC製、つまり、PSCがフリッカ史上初めてデッキ・モールドも造り、そのモールドを使って造った最初のプロダクション艇だからだろう。(PSCがこの時ハル・モールドも自社で造り直したかは未確認だが、恐らくそうではないだろうか。スターン側の葡萄のスクロールワークはPSCがハル・モールドを造り直した時に小型の物に変更された。)

***

こう見て来ると、以前当ブログで、ノー'スター製2号艇として取り上げた [この艇] も、現物でハル番号を確認するまでは憶測に過ぎないが、過渡期のPSC製2号艇である可能性が無いとも言えない。

(写真はいずれもPSC製434艇中001番 Daphne です。)
フリッカ・ホームページにある同艇の紹介

2010年8月15日日曜日

パシフィック・シークラフト 1号艇

1977年、パシフィック・シークラフト(PSC)が設計者のビンガムからフリッカの製造権を得た。それまでフリッカを製造していたノー'スターからハルのモールドを譲り受け、ノー'スターで働いていた技師ビル・ルーサーも移動してPSCでフリッカの生産が始まって最初の艇がこの1号艇、ダフニー。

当然と言えば当然だが、見た感じ [ノー'スター製フリッカ] と似ている。















幅広のバウ・スプリット。プルピット・プラットフォームは無い。

ハルはモールドが同じなのでノー'スター製と変わらず。後年PSCが自前でハル・モールドを作るまでは葡萄の蔦のスクロールワークはバウもスターンもこの大きいサイズのもの。







この写真ではラダーは外してある。興しろいのはバンプキンが付いていて、そこからバックステイ2本(つまりデュアル・バックステイ)が伸びていること。

この他にも興味深い特徴が幾つかあるが、それについてはまた明日。








この1号艇のハルに刻印されたIDは PCS200010877 だと言う。PCS20はフリッカのこと、001はハル番号、0877はハルが出来た年月で、1977年の8月。(註: アメリカ・コースト・ガードによるパシフィック・シークラフトの略称はPCSで、オーナーたちが好んで使うPSCではない。)

上記のハル番号がこの艇に刻印されているのなら、この艇がPSC最初のフリッカであることは間違いない。以前1号艇として [フリッカ・フレンズで紹介された艇] はPSC独自のモールドによる第1号艇ということになる。独自モールド艇のハル番号が何番かは未確認。

(写真はいずれもPSC製434艇中001番 Daphne です。)
フリッカ・ホームページ

2010年8月14日土曜日

程ほど (Videos)

帰りの様子。



結局この日西風がサウス・ベイで12ノットを超えることはなかった。変な夏が続いている。



今週末は久しぶりにSF市街前のセントラル・ベイへ脚を伸ばしてみようかと思う。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2010年8月13日金曜日

調子が出てきた (Video)

12ノットの風。ようやく調子が出てきた。



ヘビー・ディスプレイスメント(重排水量型)ハルのフリッカはこのくらいの風で元気が出て来る。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。

2010年8月12日木曜日

西風吹く (Video)

ハンターズ・ポイント沖を北上中。



まだ弱いが定番の西風。時間が経つにつれもっと強くなることを期待する。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページにある、今売りに出ているフリッカのリスト

2010年8月11日水曜日

のんびり (Videos)

風が弱く艇も殆ど水平。ちょいと失礼。



こういう時はコックピット・シートの上に脚を伸ばしてゆったりしてリラックス。



マリーナを出て約1時間半、やっと北1マイルのところに来たが、午後2時を過ぎたのでそろそろ西から吹いて来るのではと期待する。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年8月10日火曜日

8月7日土曜の風 (Videos)

今夏のSF湾サウス・ベイは相変わらず変だ。この日も昼過ぎの風は弱く、風向きが東、北東、北西、北、などと気まぐれに変わる。その度タックを繰り返しながら北上を図る。



これは北東の風で陸地(半島)に近い浅瀬ぎりぎりまで北西に進んでいたが、風が北に変わったのを機に針路を東に取り、浅瀬から離れているところ。



つづいて風が東寄りとなったのでスロー・タックして北へ。こんなにのんびりしたセイリングもリラックスできて良い。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年8月9日月曜日

キャラウェイのムーアリング

キャラウェイは夏の間バウもスターンもそれぞれ川の岸辺に沿って設置されたムーアリング(常設アンカー)ボールに舫って係留する。

ボートヤード南端にあるローンチ・ランプの[対岸真正面]









近辺にはドック(桟橋)もあるが、係留料は地中海に比べ格段に高いそうだ。

正面奥が無事収まったキャラウェイ。

手前はキャラウェイの [折り畳み式ディンギー]

キャラウェイのオーナー、アンガスの自宅はキャラウェイを係留してある側に近いので、今後余程荷物が多くない限り自宅からそちらの岸まで直接カートを使ってディンギーを運び、ローンチするという。



尚、オフ・シーズンの冬場は艇は陸上保管の予定。

これは後日の様子。

手前は自宅から引っ張って来た折り畳み式ディンギー。艇まで僅かな距離だが、ディンギーで渡るしかない。

メインスルは既に取り付けたが、この日はヘッスル2枚を付けるためにやって来た。

興しろいのは、ムーアリング・ボールを岸から一定の距離に保つための棒だ。これによって艇が浅瀬に流れて座礁するのを防いでいるのだろう。上記リンクのグーグルの地図をズームアップすると分かるが、棒が全部のボールに付いている訳ではない。要所要所のみか。

簡単なドック(桟橋)でも作れば良いのにと思うが、牧場の地主の許可がないのだろう。棒の岸側の端が、岸(満潮時の水際)より少し先に突き立てた木に付けてあることから想像できる。マリーナは当局から川面の占有許可は取っているのだろう。

一見雑然としているが、作業用に整理して置かれているキャビン内の諸品。

これからVバース上のジブ2枚を装着する。


装着完了。これでいつでもセイリングに行ける。

作業中に潮が入って来たが、ボールに付けた棒のおかげで艇は潮に押されず、定位置のまま。この棒はその役割からフェンダーと呼ばれているのではと想像する。








(写真はいずれもPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
フリッカ・ホームページにあるキャラウェイのブログ

2010年8月8日日曜日

イギリスの小さなボートヤード

イギリス南岸、ドーバー海峡に面した街、クライストチャーチにあるボートヤードはトラヴェリフトではなく、10トンクレーンを使っているようだ。 [船底塗料を塗り終えたキャラウェイ] もそのクレーンで水に戻された。

クレーンもオペレーターたちが船艇の扱いに習熟していれば便利なものだ。







日本でも地方に行くとセイルボートのオーナーたちが3人程集まってクレーンをチャーターして艇をまとめて上下架し、費用を抑える工夫などしているようだ。

ヤードは見ての通り、海辺ではなく川のほとりにある。









河口から2kmほど上流にある [川中島] の南寄り、建物が二つ並んでいるところ。






無事着水。クレーンを利用してマストを立てた後、ブームも装着。これから係留場所に向かう。係留場所は目と鼻の先という。



河口から2kmということは潮が海から上ったり退いたりという汽水域。海上にあるマリーナより藻や藤壺の心配はないかも知れない。

(写真はいずれもPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
キャラウェイ・ホームページ

2010年8月7日土曜日

風域の真ん中 (Video)

14ノットだった風がさらに18+ノットになっていく様子。



メインはシングル・リーフのまま。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2010年8月6日金曜日

風域を横切る (Video)

横切って外に出ると風はたちまち1~2ノットに落ちた。そこでジャイブしてまた南南西に向かう。

前方の海域(波頭の白い波のある海域)はまるでそこだけ映画撮影用の大型扇風機でも当てているように、風がくっきり見える状態。ビデオ冒頭で約300フィート先。

2~3ノットだった風が風域に一歩入って4~5ノット、その後たちまち7、10、14+ノットと変化していく様子を撮ってみた。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。

2010年8月5日木曜日

ポート・タック (Video)

タックして針路は北北西。



この後風が落ちて行くのでメインのセカンド・リーフを払った。しかし17ノットある海域にまたすぐ戻るのでシングル・リーフはキープ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページにある、今売りに出ているフリッカのリスト   強烈な円高は輸入にはチャンスか。

2010年8月4日水曜日

メイン・シート出し (Video)

風は17+ノットとなる。ルー(リー)・サイドに座って撮影していると、パフが来た時レイルがアウォッシになりそうな気配。メインのシートをわずかに出してパワーを落とす。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年8月3日火曜日

7月31日土曜の風 (Video)

マリーナ内でかなりの風があり、ドックで予めメインにファースト・リーフ、さらにセカンド・リーフもセットした上で1時半頃出航。マリーナの入り口はいつも半島越えの風がもろに通るスロットで、17-18ノット、パフは20ノットを超えていた。

外に出てダブル・リーフのメインとフル・ジブを揚げ、定番の北へコースを取る。ところが風が見る見る衰え、凪いでしまった。それでもそのエリアを過ぎてマリーナの北方0.8マイル地点まで行くと吹いていることが多いので、クーリング・オフのためアイドリングしていたエンジンを2500rpm、さらには3000rpmに戻してそのまま進行する。

しかし、この日は0.9マイルを過ぎても変わりない。さらに前方を見ても波もなく穏やか。スロットの方を振り返るとまだ白波が立っている。本日はサウス・ベイを南に下る方向、針路としては南東に向かうことにする。転回して3-4分、頬に風を感じるようになってエンジンをアイドリングしたあとキル。



0.8ノットの上げ潮に助けられて風域に入ると風は見る見る5ノット、10ノット、14ノットとビルドアップした。波は3フィートくらいだが、波頭が白い。

それにしても今年は朝晩だけでなく日中でも肌寒い日が多いし、夏なのに2週続けていつものように北へ上れないとは変だな。(帰宅後SF市街前のセントラル・ベイをチェックするとちゃんと28ノット吹いていた。)

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年8月2日月曜日

アイリッシ・ペニー - インテリア

アイリッシ・ペニーの内部はオリジナル・オーナーが20年間愛情をこめてケアーしてきただけあって、実にきれいだ。

Vバースのクッションと収納スペースの蓋を外したところ。







一等奥には12ガロンの燃料(軽油)タンク。このタンクの底部を含め、全てのコンパートメントの底部は船底の形をそのまま反映している。

真ん中の開口部ふたつのコンパートメントはひとつのV字型空間。その手前、各舷に一つづつ、底が斜めになったコンパートメント (右舷のものは日光が当たっているため見づらい) がある。

ギャリーもソール(床)もきれいだ。

ギャリーは奥からアイスボックス、シンク、2口コンロ。



90年代のフリッカの配電盤はバルクヘッド搭載。

その下は VHF。





スウィングアウトの上はレイダー・ディスプレイ、下はGPSチャート・プロッター。





スウィングアウトはヘッド・ドアの横に装着、または左舷のバルクヘッドに装着したものが殆どだが、この艇ではセッティー(長椅子)に面した、ヘッド前方のバルクヘッドに付けてある。珍しい。

***

下の写真はエンジン・コンパートメント前、コンパニオンウェイ下のビルジ。 ビルジ (キールの内側) に水は一滴もない。(もっとスターン方向に行くと分からないが、そこも恐らくドライだろう。) きれいなものだ。

画面左上の小型スルーハル・シーコックは取水用。T字配管の左側はヘッド洗浄水、右側はエンジン冷却水を供給。


エンジン冷却水用はエルボーで曲げて画面中央下のストレイナー(ろ過器)を通り、さらにエルボーで画面上のエンジン方向へ導かれ、エンジン本体の取水ポンプ(インペラのある部屋)につながっている。

画面左右から降りて来ている黒い太いホースはコックピットからの排水用。クロスして左右それぞれのシーコックから艇外へ出る。

通常コックピット排水用シーコックのハンドルはこのようにオープンの位置にしておく。取水用は非使用時には閉じておく。

ヤンマー 1GM10。マウントを始め、各所に赤錆がある。






機能的には問題ないと思うが、一度降ろしてペイントをプライマーからやり直す時期かも知れない。

ヘッド。スルーハルのシーコックからの水は画面左上のコックを通って右手前の手動ポンプに入る。



黄色いコック・ハンドルのあるコの字型を横にした形の管の上部は、艇が水平に落ち着いている時、艇の外の海面のレベルより上に出る位置に設定してある。

ブロンズ製の管と下の黒いホースの接合部あたりが海面のレベル。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1990年製 Irish Penny です。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。

2010年8月1日日曜日

アイリッシ・ペニー

このフリッカ、アイリッシ・ペニーは初代オーナーが1990年パシフィック・シークラフトに注文し購入して以来20年間人手に渡ることなく、毎年夏のシーズンにメイン州沿岸をセイリングして来た。













ニュー・イングランドの冬は厳しい。オフ・シーズンになると自宅の庭に上架、風雨風雪から守るためターポリン (略してタープ、日本では青が多いのでブルー・シートと呼んでいる) でカバーしていた。デッキ上に見える長い尾根のようなものがタープのサポート。

フォアデッキ部分のサポートの脚の拡大。









このフリッカはエレクトロニクスも揃っている。








デッキ右舷に倒してあるのはポール・マウントのフルノのレイダー。

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20年の歳月を経て初めて売りに出されるフリッカはそう多くない。(註: ただし長年初代オーナーのまま、というフリッカもまだまだいるはず。例えば1980年製 #137 Willa のオリジナル・オーナー、ボブは今年30年目のシーズンをニューヨークのロング・アイランドで楽しんでいる。)

名前の Irish Penny は無論アイルランドの硬貨のことだが、アイルランド系オーナーの小さなボート(ペニー = 小さい)という意味以外に、Irish Penny でネット検索すると分かるように、アイルランドでは幸運を呼ぶコインとしても知られている。

この艇で幸せを掴む次のオーナーは誰だろう。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1990年製 Irish Penny です。)
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