2008年12月31日水曜日

ラダーのストッパー

フリッカのラダーは通常3組のガジョン+ピントルで外付けしてある。

ハルにメスのガジョン、ラダー側にオスのピンの付いたピントルがあり、上からピントルのピンをガジョンに差し込む。この写真に見えるのは一番上の組。喫水線あたりに2組目があり、3組目はプロペラよりも下のキールにある。ガジョン+ピントルはそれぞれ装着場所の形状に合わせるため、各組とも少しづつ形や大きさがちがう。




(尚、手前に吊り下がって見えるのは浮遊電流による係留時の電蝕防止のためジンクを装着しようとしているところ。これについてはまた後日。今日のところは無視されたし。)

一番上のピントルの底を撮ったのがこの写真。真ん中にネジ穴があるのが見えるだろうか。これはラダー底部が海底や、ロブスター・ポットを吊るしたロープなどに当たり、ラダーが衝撃で上に突き上げられ、ガジョンから抜けて流出してしまうのを防ぐための仕掛けの一貫。ピントル底部にガジョンの孔の内径よりも大きいウォッシャーを宛て、そのウォッシャーの孔を通してネジを差込み、ピントルにねじ込んで固定する。

ラダーは簡単に抜けても困るが、逆になかなか抜けなくても困る。強い衝撃を受けても抜けないようにするとピントルやガジョン、ひいてはハルやラダー自体を痛める結果になる。どのくらいの衝撃なら抜けないようにするか、微妙なところだ。ここに付けるウォッシャーとネジくらいがちょうど良いのだろう。ということでこの写真を撮った2、3週間後に 『セレニティ』 でもウォッシャーをネジ留めした。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年12月30日火曜日

ロックナット用レンチ

PSSシャフトシールをつけているフリッカはさておき、伝統的なスタッフィング・ボックス(パッキング・グランド=グラン・パッキン)式の艇では、当然定期的にロックナットを緩め、パッキンの入っているナットを締め込む必要がある。

実はフリッカではこの作業の所要時間の大部分は、スタッフィング・ボックスの上についているウォーター・ロック(マフラー)をアクセスのために外したり付け戻したりする作業にとられてしまう。後期(1990年代)のフリッカではオーナーたちからのフィードバックに耳を傾けたのだろう、ウォーター・ロックを少し前方にずらし、いちいち外さなくても良い位置に設置してある艇もある。

ウォーター・ロックは艇の中心線上につけるのが原則だから、フリッカの狭いスペース上、従来スタッフィング・ボックスの上にウォーター・ロックが来ていたのも納得がいくが、ほんの少しずらしただけで作業時間が10分は短縮できるはず。

話を本題に戻そう。ロックナットを緩め、パッキンの入っているナットを締め込む作業自体は比較的簡単で、道具(レンチ)にパイプ・レンチではなく、ロックナット用レンチを使うと、ものの3分もあれば仕事が終わる。

台所の流しの下の配水管のロックナット用などに売られている品物だが、このレンチ、薄いため、ロックナットとパッキンの入っているナットに各1本宛てフィットさせる時、レンチ同士が邪魔をせず楽だ。また、レンチがナットの二つの対辺にぴったりフィットして、レンチをナットの角にひっかけてつぶすようなこともなく安心。軽いのも利点だ。

中国製。日本でも売っていて既に使っている人がいるかもしれない。例:⇒ Locknut Wrench (Slip Nut Wrench)

(写真はいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年12月29日月曜日

小さなスペース活用のスパイス棚

フリッカはデッキ長20フィートという制限があるからスペースは有効に活用したい。その観点からインテリアのスペースを見ていくと、レンジの下の引き出しの箱とハルの間、など特にギャリー周りに隠されたスペースがあるのに気付く。 『キャラウェイ』 のオーナー、アンガスはそれらのスペースを積極的に利用してデッキ下の居住性を高めている。

シンクとレンジの前面は通常 [このページの写真] のように白いフォーミカで覆われ、せいぜい1990年代の艇でスタンダード、それ以前の艇ではオプションだった手すり(タオル掛け)がついている程度。いずれにせよ、その内側のわずかなスペースはいわゆるデッド・スペースになっている。キャラウェイではその部分を開閉式スパイス収納棚にした。引き出しのシルバーウェア(フォーク、ナイフ、スプーン等)のトレイも同時製作。

また、この写真のようにコンパニオンウェイの3段式ハシゴを取り払い、コーヒー・マグなどを収納できる据え置き型に改造したり、その後ろブリッジ・デッキの中をワイン・ボトル収納スペースにしたりしている。ウッド・ワークが本職の友人ベンジー(デイナ24のオーナー)の技術で、違和感のない仕上りになっている。





限られたスペースを品良く有効に使うような造りは昔の日本の職人だけの得意技ではないようだ。

尚、下のルーヴァー付きの扉は、特製階段(兼補助テーブル)を取り外さなくてもエンジン・ルームの中を覗いて冷却水ポンプにアクセスできるようにとの工夫。

(写真はいずれもPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
Caraway

2008年12月28日日曜日

セイルボートの楽しみ方

このフリッカはハル番号が014番と初期のPSC製。写真のようにトレイラー付きで売りに出ている。マストのシュラウド用チェインプレートが各舷二つづつしかないから、ギャーフ・リグ艇だ。

オーナーのスティーブはアメリカ中西部ネブラスカ州在。山の中だ。普通は近場の湖でのセイルだが、直線距離でも片道1000マイル(1600km)はあるフロリダまで2回もフリッカを引っ張って行き、バハマ往復やフロリダ沿岸クルーズもしたことがあるという。

フリッカのオーナーにはアメリカ北部やカナダからフロリダまでトレイラーで引っ張っていく人は珍しくない。





ちなみにトレイラーでフリーウェイを引っ張って行く事を風を切って走ることからしゃれて 『真上り』 と呼ぶ人もいる。それができるのもフリッカの大きな利点だ。

ヘッドが個室ではなくVバースにある、いわゆるオープン・レイアウト型。エンジンは船外機仕様。




実はこのスティーブ、2年前サンフランシスコ湾のマリーナで我が愛艇 『セレニティ』 の隣の隣のスリップにいる36フィートのスループ艇を買った。ネブラスカから片道2、3日かけて車で来るからそうそう来れないだろうと思っていたが2年目の今年は6、7回は来てその度一週間から10日ほど滞在。一人の時もあるが、通常友人のカップルや、ワイフ、甥っ子、親父など、家族を連れて来る。

しかし一度海からの観光に機走で出かけた他は、各年1回これも機走で船底塗装塗りに出航しただけだ。要するにマリーナに浮かぶカリフォルニアの別荘として使っていてとても満足している様子。36フィート艇にした訳も納得がいく。

歳とともにフリッカのように小型艇に乗り換える人もいるかと思えば、大きい方に乗り換える人もいる。ボートも使い方次第だ。

(写真はいずれもPSC製434艇中014番目 Tortuga Azul です。)
リンク先で Tortuga Azul の More info をクリック

2008年12月27日土曜日

アクアドライブ(フレキシブル・カプリング)

1GM10は単気筒で振動が激しいのでシャフトとのカプリングをフレキシブルにしたいという人もいる。暴れるエンジンの振動が吸収されるのでエンジン稼動時に静か。かつ、カトラス・ベアリングやグランドの磨耗も防げるという。アラインメント(芯出し)に神経質になる必要もなさそうだ。

写真は [アクアドライブ] というスウェーデン製のフレキシブル・カプリング。大きく分けてスラスト・ベアリング、フレキシブル・ジョイント、ギア・ボックス(トランスミッション)との接合部、の3つの部分からなる。

これはアンガスのフリッカ 『キャラウェイ』 につけたもの。フリッカはスペースがタイトなので工夫してこういう形になったそうだ。




これは装着途中。専用バルクヘッドはファイバーグラスで仕込んだ。








このバルクヘッドはスラスト・ベアリングを取り付けるスラスト・プレイトと呼ばれるもの。スラスト・ベアリングはプロペラが回る時にプロペラからの押しの力(スラスト)を受ける。これがない艇ではスラストは直接トランスミッションとエンジンで受けていることになる。

それにしても上のアクアドライブ・サイトのエンジン振動デモの画像は大げさすぎかな。

(写真はいずれもPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
交換の様子 ⇒ リンク先で [Flexible Coupling] をクリック

2008年12月26日金曜日

雪のシアトル - カワバンガ!

12月第三週の寒波でマリーナにも雪が積もったシアトル。

前オーナー、チャーリーがカリフォルニアから南太平洋まで [往復] したフリッカ 『カワバンガ!』 にも積雪。


















何ヶ月か売りに出されていて www.yachtworld.com にも出ていたがどうやら買い手が現れたらしい。

(写真はいずれもPSC製434艇中171番目 Kawabunga! です。)
フリッカ・ホームページ

2008年12月25日木曜日

燃料タンクの交換

『キャラウェイ』 ではアルミ・タンクにピンホール・リークがあるというのでSS製の新品と交換した。

1982,83年頃以降のフリッカでは軽油タンクはバウのチェイン・ロッカーのすぐ後ろ、Vバース下にある。




タンクを空にしたあと、ホースを外し、タンクをハルに固定しているファイバーグラスの耳をカットして取り出した。一番大変だったのがこの耳を切る作業で、友人ベンジーの [Fein ツール] を使って1時間かかったという。このツールは刃の前後の動きが最小限で使いやすいらしい。

奥の大きいホースが給油用、小さい方がヴェント用。手前の2本はエンジンへの供給用とエンジンからの戻り用。



新しいタンクは時間があったら Tek-Tanks にプラスチック製を特注したかったそうだ。が、作るのに6週間かかるということで、今回は取り外したタンクをパターンにして、知り合いにステンレスで作ってもらったという。

(写真はいずれもPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
交換の様子 ⇒ リンク先で [Fuel Tank] をクリック

2008年12月24日水曜日

ダンフォース型アンカー

『キャラウェイ』 の長い特製バウスプリットにはプルピット(プラットホーム)がない。アンカーはファクトリー・スタンダードのCQRではなくダンフォース・タイプだ。もしかしたらアンカーのテストでいつも好成績をおさめる純正フォートレスかも知れない。

収まりはいいが、セットする時や投錨時は少し手間がかかりそうだがどうだろう。







ファーラーについてはこちら⇒ [ウィックハム・マーチン]








(写真はPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
バウスプリットの作り方スライドショー ⇒ リンク先で [Bowsprit Project] をクリック

2008年12月23日火曜日

1GM10 計器パネル

この2枚を見比べて欲しい。

これは新艇購入時からのファクトリー・スタンダード。









これは木のカスタムメイド。アラーム類を含めて計器の位置は好みに合わせて移動してある。




フリッカでは燃料を断(た)ってディーゼル・エンジンを止めるストッパーのノブが、コックピット・ラザレット(ロッカー)の中にある。いちいちカバーを開けて操作しなくてはならない。そこに人が座っていればなおさら厄介だ。そこでこの艇 『キャラウェイ』 ではワイヤの位置を移動させ、ストッパーを計器パネルに組み入れた。

なお、オーナーのアンガスはこの計器パネル用のキャンバス・カバーも作っている。

(写真はいずれもPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
リンク先で [Insturment Panel] をクリック

2008年12月22日月曜日

キャラウェイの折りたたみ式ディンギー

地中海のフリッカ 『キャラウェイ』。

数年前2代目オーナーのイギリス人アンガス・ベアーがイギリスからフランスの運河を通って地中海に回航、今は主にフランスの地中海沿岸をベースにしている。


アンガスはキャラウェイのオーナーになってから友人のベンジー(デイナ24=Dana24のオーナー)とキャラウェイのメンテ、改良プロジェクトをいくつもこなしている。

そのキャラウェイのディンギー(テンダー)はOrigamiという折りたたみ式だ。





オリガミの横に係留されている艇がキャラウェイ(フランスなどヨーロッパはスターンを岸壁に向けたこの付け方が一般的)。

このオリガミ・ディンギーの設計だが、実はベンジーの手になるもの。図面と解説書はオンラインで入手できる。

(写真はいずれもPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
Caraway's Dinghy

2008年12月21日日曜日

スピンロック製コントロール

大方のフリッカでは写真のように船内機エンジン・スロットルとトランスミッションのリモート・コントロールはそれぞれレバーが別の2本式。




















フリッカ・ホームページ第三代管理人アンガス・ベアーのフリッカ 『キャラウェイ』 ではこれを一本式に取り替えた(フリッカ・フレンズ記事⇒ [13ページ参照] )。一本で前後進のギア・シフトとスロットルの両方をコントロールできるシステム。しかもいつでもハンドルを取り外せるのでラインが絡んでしまうやっかいさもない。また専用ハンドルがなくてもウィンチ・ハンドルで代用できる。

商品の詳細はこちら⇒ [Spinlockスロットル・コントロール]

(写真はPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年12月20日土曜日

ラッキーな冬の日のセイリング 4 (Video)

ちなみにこれはブームを使わない手持ちのキャメラで同じ日に撮影。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年12月19日金曜日

こわれたリンク

フリッカ・ホームページ www.flicka20.com のコンテンツが本日、新フリッカ・ホームページのベータ版として公開されていた www.flicka20.net のコンテンツにすっかり入れ替わってしまった。

これにより当ブログでこれまでことある毎に張っていた旧 www.flicka20.com のコンテンツへの直リンクがすべてこわれてしまった。

日にちをさかのぼって以前の書き込みを覗くと、こわれたリンクにぶち当たるかも知れない。その時は腹を立てず、新しい www.flicka20.com のトップページからいろんなページを覗き込んで何かを発見する楽しみを味わって欲しい。

よろしく。

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↓↓↓↓↓  本日のビデオは⇒ [ここをクリック]  ↓↓↓↓↓↓
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ラッキーな冬の日のセイリング 3 (Video)

同じ12月13日、ウェザーサイドの短いビデオ。(ファイルを小さくするためコマ数を秒10コマにし、画質も85%に落としたので多少見づらいかな。)



ビデオはPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年12月18日木曜日

C.A.R.D. システム

本船が近づいたら警報を発し、本船の方向を示してくれるC.A.R.D. システム。Loran が GPS に取って変わられたように C.A.R.D.システムも将来 AIS に取って代わられるのだろう。




























(写真はいずれもPSC製434艇中最後の434番目 Pearl - 旧名 Flight of Years - です。)
http://www.flicka20.com/

2008年12月17日水曜日

バウ・クリート

PSC製フリッカの中、比較的新しい90年代の艇はフォア・デッキにあるバウ・クリートがスタンダードで2本付いている。

それ以前は1本だった。1本だとかなり込み合う⇒ [3枚目の写真参照]






各舷アミッドシップのオープン・クリートも90年代になるまではオプションだったようだ。係留時にはコックピット・ウィンチもクリートとして使えるからなければならないということはないが、あるとブレスト・ラインを取るのに便利だ。⇒ [下の写真] 尚、スターン・クリートは当然ながら昔から各舷に1本づつ。

(写真はPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
新フリッカ・ホームページ(ベータ)

2008年12月16日火曜日

ラッキーな冬の日のセイリング 2 (Video)

ルーワードの様子。キャメラのブームが以前の6フィートから2フィート伸びた分だけ極くわずかだが遠くから見る事ができる。ハンド・レールやライフ・ラインにヒッチしたセイル・タイが見苦しいが御免。



キャメラはキャノンのパワーショット・バカチョンを使用しているので濡れないよう注意して撮っている。今週中にオリンパスのぶつけても落としても水につけても大丈夫な一台が届くので次回からは遠慮なく撮れそうだ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年12月15日月曜日

ラッキーな冬の日のセイリング (Video)

12月13日土曜日はマリーナに着くと16ノットの風が吹いていた。早速出航してブーム・キャム(boom cam)のテストを続ける。機走の撮影も良いがやはり帆走でないと本当のテストにはならない。艇速5.7ノット。オフ・シーズンの冬、ラッキーな一日だった。



艇も [機走] に比べてもっと喜んでいる。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年12月14日日曜日

ドック・ラインのコイル

平たく巻いたコイル(フレミッシ・コイル)は湿気、埃、紫外線を余計に吸い、ラインには過酷と言われる。

だが、大抵のヨット乗りはクリートしたドック・ライン(もやい)の余分を平たくコイルする理由を知っているだろう。




と言ってもこの頃は知らない御仁が増えた。いや、これはアメリカの話だ。日本ではこの心得は守られているだろうか。

アメリカのマリーナではこういう光景がごく普通になってしまった。手前はちゃんとフレミッシ・コイルだが、奥はフレイクの山。



山の御仁のシーマンシップは推して知るべし。

中にはこのようにクリート係留のやり方すら怪しい者もいる。







(写真上はPSC製434艇中295番目 Serenity、中と下はサンフランシスコ湾の某マリーナにて。)
Flicka20_Japan

2008年12月13日土曜日

スターンからスターボード - ブーム・キャム・テスト3 (Video)

ヤンマーの一気筒1GM10はいつも良く頑張る。1時間も走って平均0.62クォート(0.6リットル)の軽油しか燃やさない。ヨットのエンジンのことをアイアン・ジェニー(鉄のジェノア)とはうまく言ったものだ。



ビデオはPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

註:機走にかかわらず下のラベルは「帆走(ビデオ)」を使用している。あしからず。

2008年12月12日金曜日

バウ - ブーム・キャム・テスト2 (Video)

フリッカのビーム(最大船幅)は8フィートちょうど。20フィート艇にしては決して細くない。が、正面から観たフリッカはこのように細く見える。



ビデオはPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

註:機走にかかわらず下のラベルは「帆走(ビデオ)」を使用している。あしからず。

2008年12月11日木曜日

8フィート・ブーム・キャム - テスト (Video)

オフ・シーズン。風がないので機走でテスト。

キャメラの固定の仕方が影になって写っているので参考までに先づはこのビデオから。画面は6フィートのボート・フック・キャムとあまり変わらない。



ビデオはPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

註:機走にかかわらず下のラベルは「帆走(ビデオ)」を使用している。あしからず。

2008年12月10日水曜日

スライド式テーブル

Vバース前方上(チェイン・ロッカーの後)にある収納の下に付けたスライド式テーブル。

場所も大きさもちがうが要る時だけ引っ張りだして使うテーブルと言えば、同じパシフィック・シークラフト製の24フィート艇 『デイナ 』(Dana24)のメイン・テーブルに似ている。そこからアイデアを借用したのか。

それにしてもVバース上にあるこのテーブルは一体何に使うのだろう。Vバースに腰を下ろし脚を伸ばしてゆっくりコーヒーでも飲むのだろうか。


(写真はいずれもPSC製434艇中、番数艇名未確認のフリッカです。)
Hal's Home Page

2008年12月9日火曜日

ブーム・キャム - テスト (Video)

ブーム・マイクロフォンは聞いた人も多いだろう。映画やテレビの撮影で、ブーム(棒)の先につけたマイクを画面に入らないよう役者に近づけて役者の声を拾う。

PSCフリッカ295番 『セレニティ』 ではそのアイデアをもらってブーム(実はボート・フック)の先にキャメラをつけて海上の目線でセレニティを撮影してきた。しかし、6フィートのボート・フックでは艇全体が画面に入らない。

来年はもっと遠いところから撮影してみようと、安価な20フィートの釣竿(フィッシング・ロッド)を買い、先端の細すぎる3フィート分ははずして17フィートの竿にし、ブーム・キャムならぬロッド・キャムを試してみた。



撮影日(11月2日)は風波ともに弱く、テストには絶好の日和。しかし、釣竿は少しの波でも先端のキャメラ部分がバウンスして具合が悪く、尺が長すぎてデッキ上での取り回しも難しすぎることが分かったので、このアイデアは没にした。



知らない人にはシングルハンドで釣りをしているとしか見えないだろう。

***

次は長さ8フィートのアルミ管を買ってきたのでそれを試した。長さはウィスカー・ポール並みだが断然軽く取り回しが楽。(テストのビデオは後日。)

***

尚、世の中には凧(カイト)にキャメラを載せたカイト・キャムで自艇の帆走の様子を撮っている人がいる。なかなか見ものだ。しかし、残念ながらカイト・キャムではどうしても俯瞰になり、海上の目線では撮れない。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年12月8日月曜日

バージー

バージー(Burgee)とは三角旗のこと。ヨットクラブ、艇のクラス、など所属するグループのメンバーが艇に掲げるこの三角の小旗、通常その名のとおり三角形。変形として尻の部分がツバメの尻尾 『スワロー・テイル』 になっているものもある。

これはフリッカ・グループのバージー。フリッカのバウ両舷にある葡萄の蔦のスクロールワークがあしらってある。



地色もスクロールワークも色は自由。ハルの色、ストライプの色など各艇の色に合わせるという手もある。

現在日本にいるフリッカは約15艇、フリッカのバージーは7つ。バージーは全てこのビデオと同じ青藍地に金のスクロール。



(写真はPSC製434艇中315番目 Ben Main, Jr. のスクロールワークを基に作ったフリッカ・バージー第一号、ビデオは295番目 Serenity です。)
Flicka Burgee

2008年12月7日日曜日

夏の思い出 (Video)

9月13日撮影。(9月5日掲載のものと同海域を同方向へ帆走中。)



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年12月6日土曜日

ストリップ・プランクのハル - そのキャビン

一見、ミシガンの [自作フリッカ] とレイアウトが似ている。が、かなり違う。キャビンからのエンジン・アクセスにはさほど気を使っていないようにも見えるが、実はこのフリッカの補助エンジンは内燃機ではなく、電動モーターなのでコックピット下はがらんとしている。

仕上げはすばらしい。テーブルはたたんである部分を水平にすると広くなる。





ポートサイドのギャリー。その奥(コンパニオンウェイ横)はヘッドだ。







シンク付きのヘッド(トイレ)。奥の棚にはシャワー・ヘッドが隠されていて、手を洗う時に取り出す。シンクを外してシャワーを浴びることもできる。





(写真はカリフォルニアの自作フリッカ Red Rascal です。)
U.S. Flicka Group

2008年12月5日金曜日

ストリップ・プランクのハル

3、4年ほど前にブルース・ビンガムの図面から造られた自作艇。ハルはストリップ・プランクで両面にファイバーグラスを積層。

スパー(マスト、ブーム)やリギングなどを艤装する前の様子。








フォア・デッキはハーリング・ボーン式のティーク張り。








(写真はカリフォルニアの自作フリッカ Red Rascal です。)
U.S. Flicka Group

2008年12月4日木曜日

スルー・ハル

船内機(1GM10など)仕様のフリッカでは、ハルに開けた孔=スルー・ハルがスターンに二つある。ひとつはエンジン排気排水口、もうひとつはビルジとホールディング・タンクの排出口、だ。

この艇は1981年製で、その二つのスルー・ハルは、トランサムではなくサイドにある。1983年末頃製以降はトランサムに移動した。こちら⇒ [新しいタイプ]










トランサムに移ったということはこの旧式では不都合なことがあったはず。それは何だろう。エンジンの排気排水が目で確認しにくいということか。ヒールしている時の機帆走時うまく排気できないということだろうか。

尚、古い艇では、コックピット・ドレイン(排水口)がトランサムに二つある。こちら⇒ [旧型コックピット・ドレイン]

コックピット・ドレインがハル中部に移ったのは1983年頃と考えられていたが、今日の写真は1981年製。1981年から83年頃にかけていろんな設計変更がなされたようだ。

(写真はPSC製434艇中182番目 Whisper です。)
Whisper

2008年12月3日水曜日

シー・トライアル

シー・トライアル Sea Trial と言えば、車でいうテスト・ドライブ。購入前に実際にセイルしてみることだ。ニューヨークのロング・アイランドと本土との間、ロング・アイランド・サウンドで11月14日にシー・トライアルしたというから相当入れ込んでいる。

「寒かったけど良かった」そうだ。










程よく風も吹いている。2枚の写真だけからでも買い手の気持ちの高ぶりが伝わってくるようだ。









この艇は1983年製。かわいらしい楕円のポートが80年代(特に前半)フリッカの特徴のひとつ。





フリッカ・ホームページの『売ります』コーナーに掲載されていたが、今チェックしたところ艇のページへのリンクが壊れている。売買が成立してリスティングからはずそうとしているのだろうか。新オーナーは3、4代目くらいだろう。フリッカは生き続ける。

(写真はPSC製434艇中246番目 Papillon です。)
フリッカ・ホームページにある売りたしフリッカのリスト

2008年12月2日火曜日

ウィング&ウィング (Video)

2008年のシーズンが始まったばかりの頃。5月23日撮影。
メインにはプリヴェンター、クラブ付きジブにはウィスカー・ポール。
SF湾には珍しい曇り空。暗くて御免。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年12月1日月曜日

1981年製 - そのインテリア

この艇のキャビン内部は未だに建造中、または改装中で、未完成だが、自作艇やキット・ボートの場合、インテリアのレイアウトや造作にオーナーの個性が出る。

コンパニオンウェイから前方を望む。まだカバーを張っていないので右上のキャビントップ、マストを支える分厚いアーチが剥き出しで良く見える。その下には両舷ともにバルクヘッドが設えてある。バルクヘッドと前方のチェインロッカーとの間にはニー(knee)も見える。内部に関する限り、木造船の造りだ。

Vバース左舷の板張り内装の様子。ファイバーグラスのハル内側に木のフレームを組んでストリップ(板)を張り込んでいくのでこの写真だけ見たら、木造船と見間違うかも知れない。



同じく左舷のギャリー。シンクの隣にレンジ用スペースが見える。その奥は単なる収納か。そうするとアイスボックスがない。レンジ用スペースの下に何か造作があるが、そこがアイスボックスか。はたまた単なる引き出しか。いずれにしてもレンジを通常のアイスボックスのスペースに持ってきたので、フリッカのスタンダード・スペックに比べて、ギャリーがその分前後に短い。右舷のセッティーと向かい合って座れる左舷セッティー用スペースが欲しかったのだろう。ヘッドはいずれかのセッティーの下に隠されているようだ。

コックピット・シート下は両舷とも短いもぐりこみ式のクォーターバース、または収納スペースになっているようだ。船外機仕様だったら真ん中のコックピット・ソールの下もセイル・ロッカーのような収納だろう。



(写真はいずれもPSC製434艇中、番数艇名未確認1981年製フリッカです。)
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