サン・ワン諸島は夏の間絶好のクルージング・エリアとして知られているが、同海域はフリッカも多い。これは [フライデイ・ハーバー] が母港のテス。
近くの島の入り江でランチ・フック。とは言っても錨は下ろさず、僚艇にラフト・アップ(横抱き)している。
テスは2011年、フリッカ・ニューズレターの創刊者・初代編集長のデニス・プラットにより大幅なリストアが行われた。ハル、デッキ共にペイントし直し、スタンディング・リギング、ラニング・リギングも全て新品に交換。ポートライト6個も新品。
新しくスターン左舷側にアルミ製プロパン・タンクも装着。
所は変わって下の2枚はマリーナ係留中の姿。プロパン・タンクは [アレッサンドラの物] と比べ小型で、スターン・トップとレイルの間にうまく収まっている。
イクステリアのティーク (キャビントップのハンドレイル、メイン・ハッチやコンパニオンウェイ周りの木のトリム、ティラー、ラダー・チーク)は全て新しく作り直した。
船外機はヤマハ9.9(2011年)。
しかし、良く見ると艇のキールのアパチャーにプロペラが見える。
この艇は1979年製。恐らく船内機のヤンマーYS8 の故障を機に船外機にしたのだろう。(アメリカでは1GM10 が排ガス規制の新基準を満たしておらず、2011年から新品が販売されなくなったことも船外機に転換した理由のひとつかも知れない。)
葡萄のスクロールワークの上に同色に塗った船内機の燃料タンク用ヴェント(通風口)が見える。
バウスプリット両舷にプラットフォームは無い。無論、プルピット・レイルも無い。
仔細なことだがステムの航海灯は [その後の艇] に比べ低い位置に付けられている。ステム最上部の両側に旧型航海灯用のハルのリセス(窪み)があるので、これも最近付け替えたのだろう。
尚、視認性向上のため後期フリッカでは航海灯が格段に高位置のプルピット・レイル前端に装着されている。この艇でもレイルがあればそこに移した事だろう。
(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不詳*、1979年製 Tess です。)
*後日註: 086番、旧名 Valentine である事が判明。
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