フル・インクロージャーの中を覗いてみる。フリッカのティラーはティラーとラダー本体のトップ(ラダーの頬板に挟まれた部分)に何がしかのストッパーを仕組まないとこのようにだらりと下向きになる。
このままだとセイリング時も使い難い。(先日見た [アンドレア・C] が意図的にティラーを逆様に装着しているのもそのためだろう。)
ティラーに絡ませてあるのはメイン・シート。ラインはセイラーらしくきちっとコイルしてハングして欲しい。尚、コックピット・シートに置いてある青い物は折り畳み式ドック・カート。
スターンから前方を臨む。
トップ・レイルがトラヴェラーになっているスタンダードのブームエンド型メイン・シート。
左上に見えるSS製ポストは [CARDシステム] のアンテナ用。
左舷側後方。
この艇のギャリー・レンジもプロパンで、タンクはスターン・プルピット・レイル外側に固定している。ゴムのガス管はコーミング・トップから艇内へ。(再々書くが、艇内配管は銅管であるはず。)
すぐ上の丸窓のカバーは外してある。
ドジャー内部左舷側。
年季が入り、多少カビが生えている。(ぶら提げてあるのは多分老眼鏡、懐中電灯、時計。)
前方ウィンド・シールド部分のカバーは無論サイドの丸窓部分同様取り外せる。
右舷側後方。
通常の帆走時にはドジャーとアフト・カバーの間にあるオーニングは取り外すのだろうか。
インクロージャー全体をアフト上から。
アフト・カバー部分は両サイドとも天窓があり、そのカバーを外すだけで視界は得られる。
ボート・フックは左舷側バックステイに常備。
どういう訳か同じボーディング・ラダー(乗降用梯子)がペアで付いている。
トランサムのスルーハル。
例によって右はビルジ兼ホールディング・タンク用、左はエンジン排気・排水用。
真ん中は自動ビルジ・ポンプ用と思われる。
***
クリートが少ない一方、ボーディング・ラダーは二つ、コックピットをすっぽり覆うフル・インクロージャーなど、小生らの考えるセイルボートの姿やセイリング・スタイルとは異なるが、オーナーのプライオリティーによって装備が変わるのは当然だ。これらを艤装したのはキャシーの前のオーナー、ト二ーだが、ことインクロージャーに関する限りフルにカバーして帆走すればスプレイは無論、雨の日でも濡れず、寒いSF湾でもTシャツでセイリング出来るという。
今度いつ逢えるか分からないが元気でいて欲しい。
(写真はいずれもPSC製434艇中331番 Alessandra です。)
⇒ フリッカのリグ