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2011年2月17日木曜日

ヤンマー1GM10のボトム

この写真では上がフォア(バウ側)、下がアフト(スターン側)になる。

両側に出ている脚はエンジン・マウントのフォアのペア。左上の白っぽい缶はオイル・フィルター。その右下、横に真っ直ぐのびている管がオイル・パイプ。

右上にはウォーター・ポンプ。ポンプ内の水がシールを通過して浸み出した場合、長方形のウィープ・ホールから外に出されるが、その水が下のオイル・パイプに当たり、特に海水の場合腐食の原因となる。

ボディー中央部、長方形の出っ張りがオイル・リザヴァー(オイル・パン)。







オイル交換時はこの写真では裏側になるエンジン上部のオイル検油棒注入口からポンプで抜き取るのが普通だが、中には車のエンジンの様にオイル・リザヴァーのナット(この写真ではリザヴァーの右上)を外してそこから流し出すオーナーもいる。

しかしプロペラ・シャフトはフリッカを含みどのような艇でも大抵プロペラ側がエンジン側より若干低く設定されている。エンジンはシャフトにアラインしてあるのでエンジンもアフト側(この写真では下側)に僅かに傾斜している。従ってオイルが全部自分で流れ出て来ることはない。

その残りの部分にカーボンや小さな金属片などの汚れが一番溜まっている場合が多いはず。ナットを外してオイル排出をする場合、その少量の残り部分を注意深く拭き取るなどのケアーをしているのだろうか。

(写真はPSC製434艇中366番目 Scout 関連のものです。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2011年10月1日土曜日

スカウト 係留

メイン州ポートランド近辺の入り江でムーアリング・ボールに係留中のスカウト。

ジブはハンク式。最近はファーリング・ジブが多くて、このようなヘッスル用セイル・カバーも珍しい。





セイルがデッキに触れないよう、後端部をハルヤードで吊っておく。

大規模メンテの後きれいになった室内。










しかし、今日の写真はギャリーのカウンタートップをやり直す前に撮影したものだ。






今年 [4月28日に見た写真] ではシンクも交換され、トップは全て木になっている。

ファクトリー仕様の配電盤が在ったところにはナビ器材を配置、その下にVHFを付け、配電盤はクォーター・バース壁に新作。



ヘッド・コンパートメント内部。チャーター艇らしく備品類が整然と並ぶ。

***

この艇はチャーターに出されつつ、現オーナーにより売りにも出されているので、来年夏もチャーター出来るかは分からないが、今ならドルを安く買っておけるし、とりあえず計画だけ立ててみてはどうだろう。




(写真はPSC製434艇中366番目 Scout です。)
スカウトのチャーター予約先 アメリカでは操船知識と技術があれば免許は不要(客を乗せてお金を取る営業目的の場合は別)。

2009年3月18日水曜日

ゴーイング・アロフト


マストに登ることをゴーイング・アロフト(going aloft)という。家屋にも「ロフト」付きのものがあり、上に登るが、同じ語源だ。

このフリッカは昨日の写真と同じ艇。マストに [マスト・ステップ] が付いていないので、コックピットに居る男がウィンチを使ってボースンズ・チェアに乗った男をハルヤードで吊り上げている。




フリッカのマストはPSC製のスループで喫水線上30フィート11インチ(9.42m)の高さ。ノー’スター製スループはそれより2フィート程高いが、中・大型艇ではくぐれない橋の下もくぐれる時があるかも知れない。

先週末、今シーズンに備えてハルとデッキの本格的清掃後 「ニューグラス2」 を塗布し、またキャビン内のティークにはレモン・オイルを塗ったが、そういう作業をする時も、しみじみ小型艇で良かったと思う。尚 Newglass2 はワックスではない。強いて言えば、女性が爪につける無色透明のマニキュアみたいなものだ。似た製品にポリグロウ = PolyGlow というものもある。新艇ではなく、経年3-4年以上のファイバーグラス艇に使う。ワックスのように頻繁に塗布しなくても良い。

(写真はPSC製434艇中、366番目 Scout です。)
フリッカのスペック

2011年4月28日木曜日

スカウトのインテリア

約2年前にリストア+改修中だったフリッカ、スカウト。

これは当時の写真。キャビン・トランクの前部に張られたティークのヴィニア(ベニア)が一部浮いている。




原因は不明だが、何らかの形で湿気が入り、薄いヴィニアがファイバーグラスから剥離したのだろう。リストアを行った現オーナーはあるセイリング・フォーラムで修理法を尋ねていたが、これは一種のブリスターだ。押してもびくともしない位固かったという。中に水が溜まっていたのではないか。

下の写真から見て結局ナイフでブリスターの中心部を縦に切って内部を乾燥させ、接着剤を入れゴムのマレット(ハンマーみたいなもの)で叩いて均し、余分の接着剤を拭き取り、接着面が乾いた後切断線を鉛筆型の木部補修剤でタッチアップしたのだろう。

ギャリーのカウンタートップも全て張替え。シンクも交換。







アイスボックスも作り替え、そのアウトボード側には収納スペースを作成。カウンタートップの板はイエロー・シーダーのようだが、どうもティークとの統一感に欠ける。

***

現オーナーはボート(セイル/パワー)の修理業者で、2008年2月頃この艇を購入、2~3年かけて大幅にリストア+改修して今売りに出しているが、そもそもキャビン内に異常な湿気が溜まった原因は何だろう。

実は2008年初頭まで長い間売りに出ていたあるフリッカの事を、現オーナーではない別のUSヤフー・フリッカ・グループのメンバーが下見して、キャビン・ソール(床)には水が溜まり、キャビン内は湿気でどこを触っても濡れるくらいだった、と書いていたことがある。そのリポートはもしかしたらこの艇のことを書いていたのかも知れない。

いずれにせよ一時的に沈船だったとか、デッキからの複数のリークが長期間放置されキャビン・ソールにも水が溜まっていたとか、何か重大な過去があるような気がしてならない。

大掛かりなリストアを行ったのは良いが、特に湿気に関してリストア前の状態など艇の履歴を開示し、リストア点・改修点の理由を明らかにしないと、いくら装備をアップデートし、またウィンドヴェイン(自動操舵装置)やトレイラーが付いているとしても売り手の希望価格ですんなり買う人が現れるとは考え難い。

***

リストア+改修は本業らしく幅広くかつ丁寧に行われてはいるが、小生の私見では改修のやり方に賛成しかねる箇所もある(例: コックピット・ドレインを固定式直下型にしたこと、清水タンクをVバース下に作り込んで、チェイン・ロッカーからビルジへの排水路を閉じてしまったこと、バッテリーをVバース下に置いたこと、D2ヒーターの排気経路に追波でトランサムの孔から水が入って来る場合の対処法が施されていないことなど)。

同艇の過去の記事は [こちら] (クリックすると本日の記事の下に過去の記事が表示される)。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
フリッカ・ホームページで今売りに出されているフリッカ一覧

2010年12月5日日曜日

スカウトの内部改造

昨日掲載のニュー・イングランドのフリッカ 「スカウト」 のクォーター・バースにはまだ清水タンク(容量17ガロン)が見られるが、現在Vバース下、ならびに右舷セッティー下に清水タンクを作りこんでいる最中。

真ん中のスペースが工事中の清水タンク(13ガロン)。ハルと壁はフード・グレードのエポキシの層を塗り、タンクにする。

そもそもこの場所にはアルミ製の燃料タンクが存ったのだが、スカウトではそれを取り外し、新たに右舷コックピット・シート下のコックピット・ロッカーに特製タンクを設置した。





ここにハルを利用した清水タンクを作るということは、アンカー・ロードを収容する前方のチェイン・ロッカーからビルジへの排水路を塞いでしまうということで、オーナーはチェイン・ロッカーにスポンジを置いて適宣溜まった水を吸い取るのだそうだ。

***

手前に見えるバッテリー2個の置かれたスペースは通常収納スペースで、ファクトリー仕様では艇の中心線に沿って真ん中にファイバーグラス製の橋があり、右舷、左舷それぞれに蓋を置き、どちらからでもアクセスできるようになっていたのだがこのオーナーは見ての通りそのブリッジを切り取ってしまった。

(尚、ファクトリー仕様ではバッテリー2個は右舷コックピット・シート下のコックピット・ロッカーの中。昨日も触れたが、この艇ではバッテリーはもちろん、コックピット・ロッカー中にあった手動ビルジ・ポンプも、エンジンのリモート・コントロールやストッパーも、燃料タンク用のスペースを作るため全て他の場所に移した。)

***

右舷セッティー下の収納スペースも清水タンク(14ガロン)に改造中。Vバースと合わせて容量27ガロン。この他5ガロン・ポリタンクにも清水を入れ、ウェット・ロッカー内に収容。長期クルーズ時にはポリタンクをデッキ置きしなくても約32ガロンの水が確保できる計算。







***

クォーター・バース下の現タンクは切り取って収納スペースにするそうだ。タンクを形成しているファイバーグラスの内張りを除去するのでスペースがフルに使えるという。

セッティー下の清水タンク、ヘッド後方の5ガロン・ポリタンク、といずれも右舷側にあり、一方でクォーター・バースの清水タンクを無くすのだから、左舷側が軽くなり過ぎないかと心配になる。左舷に食糧その他重いものを詰め込み、水もどのタンクのものを使うか、良く考えて消費していかないと艇が前後左右にオフ・トリム(オフ・バランス)になりやすいので要注意だろう。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年8月29日日曜日

ちょっと変わったウィング・アンド・ウィング

風下に向かう真下りのセイリングは風波が強い時でも嘘のように静かで乗り心地の良いものだ。文字通り風を背にして走るので、ダウン・ウィンド・セイリング、またラニング(ラニング・ビフォアー・ザ・ウインド)とも呼ばれる。

殆どの艇ではヘッスル(ジブ、ジェノア)を片舷にポール出しして、メインをその反対側の舷に出し、ブームにプリヴェンターをセットするのが普通だ。例は [こちらのビデオ] 。その状態は見た目の形からウィング・アンド・ ウィングと呼ばれる。ところがこのフリッカ 『スカウト』 のやり方は一風変わっている。

左舷のヘッスルはその大きさや、形、膨らみ、生地の薄さから、ドリフターのようだ。

右舷のセイルは一見メインに見えるが、実はメイン・ブームをポール代わりにして出したジェノアだ。メインはブーム上に畳んである。







ジェノアのシート(赤いライン)はブーム・エンドのブロックに通し、そこからコックピット横のジェノア・トラック・ブロックを通してウィンチに引いてある。

この方法だと大きいヘッスル2枚を張れるから風の弱い時などパワーが得られるということだろう。

気になるのは、不意のジャイブを防ぐためにブームを前方に引くプリヴェンターが見えないことだ。ジェノアのレイジー・シート(この写真では左舷側に引くシート)でセイルを前方に引っ張る形になっているとは言え、ブームの下に見えるブーム・ヴァングをプリヴェンターとしてセットしないと、ジェノアが3本のシュラウド(日本ではサイド・ステイと呼ぶ人が多いがシュラウドが正しい)やスプレッダー・エンドに擦れてしまう場合があるだろう。破れてしまう可能性も無きにしも非ず。何よりプリヴェンターをセットすれば右舷のジェノアも、左舷のドリフターに対してバランス良く、もっと外に出せるだろう。

ブーム・エンドのブロックを通るジェノア・シートのクロース・アップ。







***

尚、外洋クルーズ中の艇では、この針路(ポイント・オブ・セイル)の場合、太陽の出ている間スピネイカーを張る(暗い時は危険なので降ろす)ものが多い。

またショート・ハンドの外洋クルーズ艇では安全性の面からスピネイカーを張らず、代わりに2枚のジブを両舷に1枚づつ揚げるものも少なくない。この目的のため、最初からフォアステイを2本にした [ツイン・ステイ] セットアップもある。ステイが1本しかない場合、左右のジブのハンクを交互に付けて揚げる。いずれにしろ、ジブ2枚張りの場合、天候、針路変更などの条件に応じて、片側のセイルを簡単に反対側のセイルに重ねて帆走することができる。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番 Scout です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2014年1月5日日曜日

スカウトのギャリー

米東海岸の [スカウト] については既に何回も登場し、[ギャリーの改修] についても書いたが、改修したギャリーの全容が見えなかった。

これがその全容。

電気冷蔵庫の蓋に分厚いインシュレーションが見える。足元には清水用と海水用の各フット・ポンプのペダル。

尚、右舷側セッティー下の収納スペースには引き出しが作られている。正面Vバース下に開けたスペースも引き出し用のものらしい。





ギャリー最後部のギンボル式コンロ。

燃料はアルコールまたは灯油の様だ。奥に立て掛けてあるのは蓋。



コンロやシンクの下はオープンの棚なのか、引き出しが入るのか不詳。

(写真はPSC製434艇中366番目 Scout です。)
フリッカ・データベース

2009年8月15日土曜日

リーフィング・ラインの設定

PSC製フリッカ366番艇スカウト(上)と同423番艇キャラウェイ(下)。

2枚ともフリッカ・ホームページの表紙を飾った写真だが、今日はシングルライン・リーフィングの話。メインスルの後ろの方に注目して欲しい。(各写真ともクリックすると拡大する。)

スカウトではブーム後端から出たリーフィングラインが、ファースト・リーフ(下段)、セカンド・リーフ(上段)それぞれのクルー(セイル後端の孔)に上り、ファースト・リーフの場合は右舷側から孔に入ったラインが左舷側に垂直に降りて、ブームに結んである。一方セカンド・リーフの方はラインが左舷側から孔に入り、右舷側に垂直に降りて、ブームに結わえてある。

ラインはコックピット前のキャビントップのクリートからキャビン・トップを前へ走り、キャビン・トップ前方の滑車、さらにマストの付け根部分にある滑車を経由、ブーム前方からブーム内に入り、ブーム後端から出て、上に説明したように設定されている。

つまり、キャビン・トップにクリートしてあるラインを引っ張ると、セイルは後ろへ、そして同時に下へ引っ張られる。一本のラインでリーフができるという仕掛け。(無論その他、セイルの下部を3箇所、セイルに付いた細紐で結わえなくてはならないが。)

キャラウェイでも部分的にしか見えないが、同じ設定になっているようだ。 





キャラウェイでは引っ張る側のリーフィング・ラインの端をキャビントップに留めるために、クリートではなく、見ての通りロープ・クラッチを使っている。3連のロープクラッチがあれば、ウィンチはひとつでも3本のラインを楽々コントロールできる。

セレニティもジブ、ステイスル、メインの各ハルヤード、ファースト、およびセカンド・リーフィング・ラインと、両舷合わせて計5本のラインをコックピット前のキャビントップに引っ張っているので、将来、各舷それぞれ3連ロープクラッチをつけたいと思っている。

尚、以前書いたように、我が295番艇セレニティでは、リーフィング・ラインのセイル・エンドの設定は [こういうふうに] している。

(写真上はPSC製434艇中366番目 Scout、下は423番目 Caraway です。)
フリッカ・ホームページ

2011年1月7日金曜日

スカウトのフット・ポンプ

ニュー・イングランドのフリッカ 『スカウト』 の現オーナーは方々を自分の好みに改造することで知られている。今まで何回も取り上げたが、今日はギャリーの水周り関係。

改造前。

無論シンク直下のスルーハル・コックが排水用。その他に艇速計と水深計用のスルーハルが在る。

画面左から中央、右上、右奥と横切っているホースが清水タンクからのもの。右隅のホースはアイスボックスからビルジへの排水用。壁に付いているのは冷蔵放熱ユニットのようだ。



改造中。

シンクからの排水ホースは右隅に開けた新しいスルーハルに繋いである。

下は新設した海水用フット・ポンプ。










シンク下のスペースが幾分使い易くなったようだ。

このスペースにもともと在ったスルーハルは全てファイバーグラスとレジンで塞いである。











スペースの木枠を取り払って作業続行。

ポンプからの黒いホースがシンク方向に伸びている。

ポンプへの海水は恐らく昨日の 『トゥーカン』 同様、コンパニオンウェイ下の取水コックから分けて引いているようだ。







(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2011年1月15日土曜日

改修中の写真

PSC製#366スカウトは2年程前、大掛かりな改修を行った。

ティークのトウ・レイルも外して、ハルとデッキのジョイントを点検・補修、ティーク・レイル自体も裏表両面を補修した。



ここにティーク・レイルの写真はないが、[エピファン] の Wood Finish Gloss を9回塗布し(その度にサンディング)、その上に同 Gloss Clear Varnish を2度塗りして仕上げたという。

こうして仕上げたティークは毎年 [スコッチ・ブライト] で表面を擦った後、Gloss Clear Varnish を1回塗ればいつまでも良い状態に保てるそうだ。

バウスプリット、プルピット・レイル、ティーク製プラットフォームも補修のために取り外した。





この艇のオーナーはセイルボートやパワーボートのメンテの仕事をしているので自分の気が済むまで徹底してやったようだ。

それにしてもなるほど、フリッカはバウスプリットがないと確かに20フィート艇に見える。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
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2012年11月4日日曜日

サリー・アン ディーゼル暖房機エスパー

ディーゼル暖房機エスパーの装着例は [366番艇 Scout] でも取り上げた。

これは右舷コックピット・コーミング中に装着された295番艇 Sally Ann のエスパーD2本体。






下から見上げた写真のようだ。ボックスの四面中どの面を上にしなければならないとか、特別決まりは無いらしい。

右舷側の場合、このようにコックピット・ロッカーからのアクセスが簡単。







サリー・アンはカリフォルニアとネヴァダ州境の高地、レイク・タホをホームにしているのでこのような本格的な暖房が必要なのかも知れない。

(写真はPSC製434艇中、294番目 Sally Ann です。)
今フリッカ・ホームページで売りに出ているフリッカ一覧

2009年2月10日火曜日

ビルジへのアクセス

フリッカのビルジには [コンパニオンウェイ下のカバーを開けて] (リンク先、上から2番目の写真)そこからアクセスする。ただ、それだと主にコンパニオンウェイ下とコックピット下のエリアしか手や道具が入らない。そこで、ファイバーグラスのソール(床)の上に張ったティークと、ファイバーグラスそのものの両方をカットし、コンパニオンウェイより前方のビルジへのアクセス孔を作ったオーナーがいる。

思い切ったことをしたものだ。コンパニオンウェイの手前の小さな長方形の板がカットアウト。丸い孔に指を刺し込んで持ち上げる。













ビルジに置いてある灯で分かるように、ここはキールの中だから狭い。








このスペースはもともとフリッカではフォア・ピークのチェイン・ロッカーからの水がVバースの下を通ってそこに流れ込む、ビルジそのものだ。何がしかの収納スペースとして使うこともできるだろうが、乾いたものはビン、プラスチック・ケース、ビニール袋などに入れない限り、置くことはできない。

ワインとか、飲料水とか、比較的細いボトル入りの液体などには良いかも知れない。スルーハルを開けなくても良いデプス・ファインダーを置く場所としても好都合かと思う。どういう使い方をするのか気に留めておこう。

***

尚、ここに孔があることで、万が一コックピットを襲ったスターンからの水がコンパニオンウェイから流れ込んだ場合、キャビンからビルジへの排水が簡単にできるという意図もあるという。(自動ビルジ・ポンプが稼動すればビルジから艇外へ排水される。)

しかし、万が一キャビン・ソールに水が溜まった場合、バケツですくってギャリーのシンク(流し)からスルーハルを通して艇外へ排水する方が、クルーが室内にいても間違いなく艇外へ排水できるので良いと思う。

(写真はPSC製434艇中、366番目 Scout です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2011年1月21日金曜日

マスト・ステップのタバーナクル

2年程前にオーバーホールと言って良い位の改修を行ったPSC製#366スカウト。

フリッカのマストはデッキ・ステップ式、つまりデッキの上 (正確には[キャビン・トップ] ) に載っているタイプ。無論直接載っている訳ではなく、デッキとの間に4本のボルト・ナットでキャビン・トップに留めた下敷きのSSプレイトが置いてある。

このSSプレイトは両サイドに側壁、さらに四方にハルヤードやリーフィング・ラインなどを整理して走らせるためのブロック装着用として開けた孔のあるヒレ(オーガナイザー)が付いており、全体の形が教会の中や祭礼の場所に似ているのでタバーナクルと呼ばれる。

前置きが長くなったが、これがスカウトから取り外したタバーナクル。

マストの断面が判を押したようにインプリントされている。また見ての通りマストが完全にタバーナクルに収まりきれず、フォアが前に突き出た状態でステップされていたようだ。







これは若干のウェザー・ヘルムにするためマストをレイクさせる(スターン側に少し傾けた形で起てる)ことを計算に入れてのことだろうか。ちなみにフリッカ設計者指定のマスト・レイクは1.75度だ。

興しろいことにセレニティーではフォアへのはみ出しはないが逆に [アフトへはみ出し] ている(2006年撮影の古い写真だが2枚目の写真をクリック拡大)。そのためかマストが真っ直ぐの状態でスターン側へ少し傾くレイクではなく、まるでフラクショナル・リグのように [緩やかなカーブを描いたレイク] になっている。

ほぼ同年代のフリッカでも艇によって艤装の癖がちがい、それが形になって現れているようだ。

(写真はPSC製434艇中366番目 Scout のものです。)
フリッカのリグ

2009年1月9日金曜日

ラダーとキール間の隙間のカバー

今日のイチマイは地味な一枚だ。普段あまり目につかない代物。

ロブスター・ポット(イセエビ漁のかご)を仕掛けてある海域に入る艇は海面のブイ(浮き)と海底のポットを結んであるロープを引っ掛け、難儀をするという。日本でも各種海産物の養殖・養魚場近辺で苦い経験をした人も少なくないだろう。

ロブスター漁のメッカ、メイン州のこのフリッカはキール・エンドの底部にヘラ状のフェンダーを付け、ロープがラダーの先端に引っ掛かからないようにしている。


良く見ると分かるかも知れないが、実はこのフェンダー、セイル・バトンの切れ端をファイバーグラス+レジンでキールにくっ付けたもの。効果抜群だそうだ。

それにしても白い船底塗料は珍しい。Micron のボトム・ペイントでもホワイト、グレー・ホワイト、シャーク・ホワイトとかあるから船底塗料にまちがいはないが、白を選ぶ理由は何なのか興味がある。ピントル+ガジョンにも塗ってある。これで電蝕を防ぐつもりだろうか。

(写真はPSC製434艇中366番目 Scout です。)
US Yahoo! フリッカ・グループ

2009年3月17日火曜日

ハルとデッキの接合部

写真の奥のヨットは無視して、手前の艇を見て欲しい。これはメンテのためバウスプリットを外し、ハルとデッキの接合部に被せたティークのレールも外したフリッカだ。

左右の舷ともバウから後方へカーブを描いて伸びているシアーが高さ約2cmのブルワークスを形成しているのが分かる。

ハルとデッキの接合部はファイバーグラス製ヨットの造船上、一目で設計の良し悪しが分かる場所のひとつ。いくつか方法があるが、フリッカではPSCの他の艇と同様、垂直に伸びたハルの天辺から内側に向け、ファイバーグラスのヒレが5㎝ほど水平に伸びている。

一方、デッキの方は端に階段が一段出来たように、水平のデッキから垂直に上へ約2cm伸び、また90度曲がって、外へ水平に5cmほど伸びている。そのハルとデッキ双方の幅5cm部分が重なった場所が写真に見えるブルワークスだ。

お互いの5㎝ほど伸びたヒレを合わせて、ちょうど容器のフタでも被せるように、ハルにデッキがピタッと乗る。重なった接合部にはエポキシなどの接着材が水漏れ防止のため隙間なくふんだんに付けてあり、さらにネジではなく、デッキ(上)側からボルトを通し、ハルの内(下)側からウォッシャーをはさんでナットで留めてある。これでハルとデッキは一体化した状態になる。クルージング艇に最適の頑丈な造りだ。

この接合部断面のイメージは80年代のフリッカ・ブローシュア(パンフレット)では [9ページ]、90年代のブローシュアでは [7ページ] の右端に掲載されている。

前者はパシフィック・シークラフト(PSC)の創設者たちがオーナーとして頑張っていた時代のブローシュアで表紙・裏表紙を入れて全14ページ。当時の本社ファクトリーのアドレスはロサンジェルス近郊のサンタ・アナ。

後者はファクトリー拡張のため近くのフラトンに移ってから造り直したもの。PSC31、34、37、デイナ、などが多く造られ、フリッカは完全にPSCの脇役になっていた頃だが、ページ数は8ページに減ったものの、フリッカはまだファクトリーのビジネス・プランにしっかり入っていた。

20フィートの小型艇を中・大型艇を作るような手間をかけて造ったため、生産効率が悪く、売値が高くなり客が離れてしまった。(特に80年代中ごろからファクトリーによる完成品しか売らなくなったのが響いたのかも知れない。)

***

余談だが、この写真では [以前話に出てきた] マスト・ステップのタバーナクルが、一番手前にはっきり写っている。

(写真はPSC製434艇中、366番目 Scout です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2009年4月18日土曜日

Vバース前方上の収納

この収納はVバースの上にある。一番奥、バルクヘッドの向こう側に見える白っぽいスペースは、バウの内側、チェインロッカー。

手前、収納スペースの水平部分に背の低いテーブル状のものが置いてあるが、紙に印刷されたチャート(海図)を仕舞っておく場所だそうだ。

左右にある棚はファクトリーのオプション。現オーナーは昨年このフリッカ 『スカウト』 を買ってから全面的にメンテと自分好みの改修を行っているが、棚の手前に巡らせたバンジーコードのようなラインは棚に乗せたものが落ちないようにとの工夫。

この写真では上の写真には見られない、間仕切りバルクヘッドの開口部にとりつけたカーテンが見える。





言わばシャワー・カーテンで、デッキ清掃時のホースからの水、また航海時の強い波で、アンカー・ロード(チェインやロープ)をチェイン・ロッカーに入れるためのデッキの開口部(howser opening)からスプレーがチェイン・ロッカーを抜けて入ってくるのを防ぐ。(ハウザー・オープニングにフタがかぶっていても入ってくる場合がある。)

ちなみにセレ二ティではこの収納スペース真ん中手前に電子レンジ、その周りには毛布、枕などソフトなものを置いている。

(写真はPSC製434艇中366番目 Scout です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2010年12月18日土曜日

スカウトの燃料タンク

ニュー・イングランドのフリッカ 「スカウト」 のコックピット・ロッカーは [以前書いた] ようにバッテリー、手動ビルジ・ポンプ、エンジン・ストッパーなど他所へ移動済み。広くなったスペースをライン類の収納場所やセイル・ロッカーとして使っている。

ファクトリー仕様ではバッテリー2個が置かれている場所に特注の5052アルミ製軽油燃料タンクを設置。





タンク外周がグレーに見えるのは念のため腐食防止用に塗ったエポキシ・バリア・コートのため。

インボード側(画面下)にはホース接合口が3個。エンジンへの供給、エンジンからのリターン、および軽油暖房機エスパーへの供給用だ。中ほどにあるのはメーター。その隣り、グレーの径の大きい蓋はタンク洗浄口。

アウトボード側(画面上)には隠れて見づらいがタンクへの燃料供給用とヴェント(通気)用、計2つの口がある。タンクへの燃料供給口はホースでコックピット・コーミング上にあるデッキ・フィルにつながっている。デッキ・フィルは汚水タンクのパンプ・アウト用だったものを流用(汚水タンクと排水システムも [改造済み] )。ヴェントはトランサムの右舷側バックステイ・チェインプレイト近くに設置した。

合板のカバーを被せたところ。上にライン(ロープ)なども気兼ねなく置けるようだ。






トランサム内側に見えているのはタンクからのヴェント(上)とエンジン排気・排水口(下)。

タンクを発注(製作費US$380)する時に引いた簡単な図面。容量は9ガロン。1GM10だから約50~60時間分だ。

タンク内部には艇が左右にヒールしたりローリングしたりする時に燃料がスロッシングしない(暴れない)ように底部に通過口の開いた高さ2/3位の仕切り壁1枚を入れてある。





(仕切り壁の位置は実際にはあと1~1.5コマ分位アウトボード側だろう。そうでないとスロッシング防止効果も薄れ、オリの溜まる最底部の洗浄もし難い気がする。)

このタンクはエンジンより高い位置にあるため、エンジンに燃料を送るための外付け電動ポンプは無用。設置してから2年以上経つがトラブルは皆無だという。

図には書かれていないが、エンジンへの供給ラインの吸い込み口はタンクの底部近くまで伸び、逆にエンジンからのリターン・ラインはタンク上部から落とすようになっているはずだ。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。(全6ページ、各ページ一番下の Next>> をクリック。)

2011年1月12日水曜日

スカウトのダッシュボード

フリッカではディーゼル船内機を停めるためのストッパーのノブがコックピット・ロッカー中に設置されている。(ストッパーのノブを引くと燃料供給がカット・オフされてエンジンが停まる。)

ニュー・イングランドの 『スカウト』 のオーナーはヤンマーの計器盤を取り外し、PSCから仕入れた白いパネル(PSCの中~大型艇用のものらしい)に計器を装着・配線し直した時、ストッパーのノブも計器盤の中に組み込んだ。

右下の長い物がストッパー・ノブ。

その隣にはオート・パイロット用のプラグ差込口も付いている。

(この艇は後ろに見えるようにモニター・ブランドのウィンドヴェイン自動操舵装置も装着済み。外洋長距離航海もこの二つがあれば安心だ。)





さて興しろいのは、ダッシュボードにスターター・ボタンはあるが、電源を入れるためのキーの差込口が無いこと。

実は電源を入れるキーの差込口はキャビン内の配電盤を新作した時にそこに移した。

ここなら濡れないし、誰かに悪戯をされることもないからということらしい。










尚、エンジンを停める度にシートから立ち上がらなければならないのは面倒とストッパーのノブをロッカーから出したオーナーは他にも何人か居る。イギリスの 『キャラウェイ』 のオーナー、アンガスもその一人([キャラウェイのダッシュボード] )。これなどオフ・シーズンに行う改善プロジェクトにピッタリかも知れない。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
フリッカ・データベースにある同艇の紹介

2010年1月1日金曜日

スカウト


1988年製。PSC最後の艇は1998年製。フリッカはもう製造年にかかわらず、メンテナンスが出来ているかどうかが鍵だ。











(写真はPSC製434艇中366番目 Scout です。)
フリッカ・ホームページ

2009年1月28日水曜日

コックピット・ドレイン

まずこの2枚の写真を見て欲しい。

場所はコンパニオンウェイの下(ハシゴをはずし、ビルジへのアクセスのカバーをはずしてある)。





ハルに開いていた3つの孔(スルーハル)は左上がエンジン冷却水の取水口、その下と右側の孔はコックピットからの排水の出口だったところ。

新オーナーはエンジンを換載するのに合わせ、これら3つのスルーハルを後部へ移動させ、このスペースはエンジン始動用のバッテリーを置くスペースにするのだという。

これが新しいコックピット・ドレイン(排水)の経路だ。ここに見えるのは、コックピットのポート側の排水口に付けられたチューブ。チューブ自体をファイバーグラスでラップしてカチカチにしてある。ホースの先はそのままポート側に開けた新しいスルーハルにファイバーグラスで固定してある。シーコックはない。本人はこれで頑丈なものが出来たと満足しているようだ。



が、このアレンジには問題がある。

通常、1983年頃以降のフリッカではコックピット・ドレイン(排水)の経路は [このリンク先] (上から2番目の写真)のようになっている。チューブが交差している点に注目。(写真はクリックして拡大すると見やすい)。

つまり、スターボード側コックピット・ドレインの水はチューブを通ってポート側のスルーハルから艇外へ排出され、ポート側のコックピット・ドレインの水はスターボード側のスルーハルから排出される仕掛けになっている。

これは他でもない、艇がヒールした時、スルーハルから入った海水が逆流してコックピットに噴出するのを防止するためだ。

この工夫により、例えば艇がポート側にヒールする時は、スルーハルから入った海水がコックピットに噴出すヒール角度になる前に、スターボード側のスルーハルが海上に出てしまうのだ。だからコックピットは艇がヒールしてもドライに保てる。

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この改造艇のオーナーは自艇を改善したと思っているのかも知れないが、これでは改悪だ。艇がヒールすると水がコックピットにどんどん入ってくる。しかもスルーハルのシーコックもなくして、ファイバーグラスで管を直結してあるから、浸水を防ぐには木のプラグ(栓)をコックピットの孔に差し込むしかない。

セイリングしないパワーボートとして使うのならまだしも、はたして自分のやっていることが理解できているのか疑問だ。

本人宛てに要点だけ書いて報告しておいたが、大事に至る前に(少なくともコックピットが水浸しになる前に)理解して修正してくれればと思う。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番目、Scout です。)
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