フリッカにはギャリーに非圧力式アルコール・コンロが付いている。ひとつでも燃やすと短時間で結構暖かくなる。特別なヒーターは必要ないかも知れない。
(周知の様に、キャビンを閉め切ると一酸化炭素中毒の危険あり。いずれかのポートかハッチを少し開けて新鮮な空気を取り入れるべし。)
寒い地域ではこの 『フォース10』 灯油ストーブを付けている艇も多い。
キャビン・トップに小さい煙突用の孔を開ける必要が有る。つまり艇外に排気するので一酸化炭素中毒の危険性は格段に減る。だが室内の酸素を使って燃やすことに変わりなく、キャビンを閉め切るとやはり危ない。(尚、臭いが気にならなければ燃料は軽油でも可。)
取付法、写真、図は⇒ [フォース10]。
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極端な寒冷地でも威力を発揮する 『エスパー・エアトロニック・D2』 を付けているフリッカも少なくない。ディーゼル・エンジンで走る長距離トラックにも広く装着されている⇒[エスパーD2カタログ]。これは軽油を燃やす暖房機で、稼動させる為に艇のエンジンがかかっている必要はない。というよりエンジンをかけなくても暖を取れるように開発されたもの。(周知の様にディーゼル・エンジンはガソリン・エンジンとちがい、ギアを入れ重い荷物を積み坂を登っている、プロペラを回して艇を推進させている、というように大きい負荷がかかっている時がエンジンに最適の状態。逆に負荷のない時、つまりアイドリング時はエンジンの消耗が最も激しく、排気も一番汚い。アイドリングは必要以上しないことが肝要。)
D2はエンジン・ルームに設置できるのでキャビン内に専用スペースは無用。熱交換で温めたきれいな空気だけを送り込む。キャビンの空気を汚さず安全だ。左の写真、黒色の一番太いホースが送気菅。キャビン内の一番低い(=空気が冷たい)場所、キャビン・ソール(床)のすぐ上に送るようにしてある。
欠点は運転中の音が結構うるさいことだろうか。
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他にフリッカ・オーナーたちのアイデア2つ。
個室ヘッド(トイレ)の後ろのロッカーの天井(つまりコックピット・シートの下側)にDC12Vから AC110-120Vへの700Wインヴァーターを付けた例。すぐ後ろのラザレット内に置かれた艇のバッテリーと直結している。ヒューズはつけてある。
インヴァーターの前面にスイッチに並んでコンセント(2ヶ)が付いている。キャビン内に置いたスペース・ヒーターのプラグを差し込んで暖を取る。エンジンをかけバッテリーを充電しなくても結構長い間使えるそうだ。
これはギャリーのアルコール・コンロの上に置く、自作のステンレス製熱拡散器。コンロからの熱い空気がパイプの中を通る空気を暖めて効率よく室内を暖めるらしい。タワー全体が火傷するほど熱くなるという。
ここまでやらなくても単にコンロで湯を沸かし、茶なりコーヒーなり飲むというのはどうだろう。
(写真はPSC製434艇中、上から番数未確認 Shanti、412番 Dulcinea、340番 Toucan、番数未確認 Sans Souci です。)
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