2011年4月28日木曜日

スカウトのインテリア

約2年前にリストア+改修中だったフリッカ、スカウト。

これは当時の写真。キャビン・トランクの前部に張られたティークのヴィニア(ベニア)が一部浮いている。




原因は不明だが、何らかの形で湿気が入り、薄いヴィニアがファイバーグラスから剥離したのだろう。リストアを行った現オーナーはあるセイリング・フォーラムで修理法を尋ねていたが、これは一種のブリスターだ。押してもびくともしない位固かったという。中に水が溜まっていたのではないか。

下の写真から見て結局ナイフでブリスターの中心部を縦に切って内部を乾燥させ、接着剤を入れゴムのマレット(ハンマーみたいなもの)で叩いて均し、余分の接着剤を拭き取り、接着面が乾いた後切断線を鉛筆型の木部補修剤でタッチアップしたのだろう。

ギャリーのカウンタートップも全て張替え。シンクも交換。







アイスボックスも作り替え、そのアウトボード側には収納スペースを作成。カウンタートップの板はイエロー・シーダーのようだが、どうもティークとの統一感に欠ける。

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現オーナーはボート(セイル/パワー)の修理業者で、2008年2月頃この艇を購入、2~3年かけて大幅にリストア+改修して今売りに出しているが、そもそもキャビン内に異常な湿気が溜まった原因は何だろう。

実は2008年初頭まで長い間売りに出ていたあるフリッカの事を、現オーナーではない別のUSヤフー・フリッカ・グループのメンバーが下見して、キャビン・ソール(床)には水が溜まり、キャビン内は湿気でどこを触っても濡れるくらいだった、と書いていたことがある。そのリポートはもしかしたらこの艇のことを書いていたのかも知れない。

いずれにせよ一時的に沈船だったとか、デッキからの複数のリークが長期間放置されキャビン・ソールにも水が溜まっていたとか、何か重大な過去があるような気がしてならない。

大掛かりなリストアを行ったのは良いが、特に湿気に関してリストア前の状態など艇の履歴を開示し、リストア点・改修点の理由を明らかにしないと、いくら装備をアップデートし、またウィンドヴェイン(自動操舵装置)やトレイラーが付いているとしても売り手の希望価格ですんなり買う人が現れるとは考え難い。

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リストア+改修は本業らしく幅広くかつ丁寧に行われてはいるが、小生の私見では改修のやり方に賛成しかねる箇所もある(例: コックピット・ドレインを固定式直下型にしたこと、清水タンクをVバース下に作り込んで、チェイン・ロッカーからビルジへの排水路を閉じてしまったこと、バッテリーをVバース下に置いたこと、D2ヒーターの排気経路に追波でトランサムの孔から水が入って来る場合の対処法が施されていないことなど)。

同艇の過去の記事は [こちら] (クリックすると本日の記事の下に過去の記事が表示される)。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
フリッカ・ホームページで今売りに出されているフリッカ一覧