ニュー・イングランドのフリッカ 「スカウト」 のコックピット・ロッカーは [以前書いた] ようにバッテリー、手動ビルジ・ポンプ、エンジン・ストッパーなど他所へ移動済み。広くなったスペースをライン類の収納場所やセイル・ロッカーとして使っている。
ファクトリー仕様ではバッテリー2個が置かれている場所に特注の5052アルミ製軽油燃料タンクを設置。
タンク外周がグレーに見えるのは念のため腐食防止用に塗ったエポキシ・バリア・コートのため。
インボード側(画面下)にはホース接合口が3個。エンジンへの供給、エンジンからのリターン、および軽油暖房機エスパーへの供給用だ。中ほどにあるのはメーター。その隣り、グレーの径の大きい蓋はタンク洗浄口。
アウトボード側(画面上)には隠れて見づらいがタンクへの燃料供給用とヴェント(通気)用、計2つの口がある。タンクへの燃料供給口はホースでコックピット・コーミング上にあるデッキ・フィルにつながっている。デッキ・フィルは汚水タンクのパンプ・アウト用だったものを流用(汚水タンクと排水システムも [改造済み] )。ヴェントはトランサムの右舷側バックステイ・チェインプレイト近くに設置した。
合板のカバーを被せたところ。上にライン(ロープ)なども気兼ねなく置けるようだ。
トランサム内側に見えているのはタンクからのヴェント(上)とエンジン排気・排水口(下)。
タンクを発注(製作費US$380)する時に引いた簡単な図面。容量は9ガロン。1GM10だから約50~60時間分だ。
タンク内部には艇が左右にヒールしたりローリングしたりする時に燃料がスロッシングしない(暴れない)ように底部に通過口の開いた高さ2/3位の仕切り壁1枚を入れてある。
(仕切り壁の位置は実際にはあと1~1.5コマ分位アウトボード側だろう。そうでないとスロッシング防止効果も薄れ、オリの溜まる最底部の洗浄もし難い気がする。)
このタンクはエンジンより高い位置にあるため、エンジンに燃料を送るための外付け電動ポンプは無用。設置してから2年以上経つがトラブルは皆無だという。
図には書かれていないが、エンジンへの供給ラインの吸い込み口はタンクの底部近くまで伸び、逆にエンジンからのリターン・ラインはタンク上部から落とすようになっているはずだ。
(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
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