2012年3月22日木曜日

ハート・オブ・ゴールド 新オーナーNZからAUへ

ニュージーランド沿岸で経験を積み、自艇と自分を共に信頼できる確信を得たこの青年は購入から2~3ヶ月後の今年2月、シングル・ハンドでオーストラリアまで1200マイルの帰国の途に付いた。

今日はその航海時の写真。










もっと北(赤道方向)の海域ではサイクロンが発生する時期だったが、1週間東風が吹くとの予報が出て、航路の半分近くまで順風航海ができるとの予測で2月2日 [ベイ・オブ・アイランズ] 出航。

ウィンドヴェイン(自動操舵装置)はナヴィック(Navik)製。







右舷側にはスターン・アンカー用のデッキ・パイプが見える。その下には小型ハッチ、画面左端にはステレオ・スピーカー。コックピット・シートに貼られた [トレッドマスター・ノン・スキッド] も新品同様。

トップの写真に見えるようにコックピット・シートは両舷ともにロッカー。エンジン・ダッシボードもコントロール・レバーも左舷側にあるユニークな配置になっている。

追波。












ニュージーランド出航3~4日後、 [北島] から約300マイル地点でウィンドヴェインが故障。しかし、追風で海も比較的穏やか。そのまま航海を続けることがベスト・オプションと判断、追風がなくなるまで自分で舵を取ったそうだ。

バウスプリット兼プラットフォーム。










数日して追風が消えSTB側からのヘッド・ウィンドになるとティラーから手を放しても艇は針路をそのままキープしてくれた。(風とセイルのバランスが取れていればフル・キール艇のフリッカは設定したコースをそのままホールドする。 [ 例 ] 。クルージング艇に望ましい特徴。)

赤いベルトは落水防止用に身に着けたセイフティー・ハーネスを掛けるジャック・ライン。





無論右舷側にもバウからスターンまで走っている。

太平洋に沈む夕陽。

洋上一人で眺める時はどんな気持ちだろう。






シドニーの南80kmにある [ポート・ケンブラ] まで19日間の航海だった。






後半途中一日は追風でスピネイカーを揚げ、日中体を休めたそうだ。航海中の天候はおおむね良好。苦労したのは最後の一昼夜。視界は悪く、沿岸を航行する本船の数やいくつものスコールに悩まされた。最後の2晩は不眠という。入港時の気持ちが想像できる。

この航海の様子は40本以上のYouTube 短編ビデオで見られる。 下のリンク参照。

(写真はNor'Star製フリッカ20艇中、001番、1975年製 Heart of Gold です。)
⇒ 当航海40本以上の [短編ビデオ] (一等下のものからスタート)