2010年11月13日土曜日

ルーワード (Video)

スターンから風下側を望む。



フリッカのメインシートは殆ど全てと言って良い程ブーム・エンド型だが、見ての通りセレニティーはミッド・ブーム型。以前USフリッカ・グループでこの件が話題になった時、ミッド・ブーム型と名乗りを上げたのはセレニティーの他にもう1艇だけだった。ちなみにPSCフリッカの図には [ミッド・ブーム型が描かれている] 例が多い。

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一般にミッド・ブーム型の場合、ルース・フットのメインは避けるべきと言われる。ストレスがタック、クルー、およびシートの付いているブームの真ん中にかかり、タックでブームが強烈に振れた際、シートを装着するためブームに付いているU字型の金具(ベイル)装着部のブーム本体が折れる可能性があるためと言われる。特にブーム・エンドを吊り上げるトッピング・リフトをきつく張っていたら危ない。

フットにスラッグ(スライド)が付いているメインであればベイル装着部へのストレスはかなり分散される。強風下でタックする際(特にビーム・リーチから反対舷のビーム・リーチまでタックする時のようにブームの振れ幅が大きい場合)はジャイブ時と同様にシート・イン、シート・アウトすれば心配ない。

ミッド・ブーム、ブーム・エンド、いずれの型にしろ、長期航海に出る時はブームが強く振れて突然ブームのシーティング箇所に大きなストレスがかからないよう [ブーム・ブレーキ] を装着するのも一考に値する。

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ミッド・ブーム型は前を向いたままシート操作できること、帆走中にブームが浮きにくいこと、コックピットが広く使えること、など利点があるので気に入っている。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのリグ