フリッカのファクトリー搭載船内機はいずれも1気筒ヤンマー・ディーゼルで、年と共にYS8、1GM、 1GM10と変わって来た。
この艇は以前1気筒のBMWを載せていたが、最近ベータ・マリーンの2気筒B14HEに換装した。ベータはクボタの産業用エンジンを船舶用にマリナイズして販売するイギリスの会社で、B14HEのベース・エンジンもクボタだ。
[ベータのサイト] によると出力は13.5馬力。1GM10は9馬力だから150%大きい。
尚、個人で搭載したものにはやはり2気筒の [ウェスタービーク] や3気筒の [クボタ] もある。
トランスミッション。ギア比2:1。
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日本でも横浜のフリッカ3艇中の1艇が今年2気筒ヤンマー14馬力の [2YM15] に換装したそうだ。30ノットの向かい風でも艇速6ノットは出るという。(プロペラは3枚羽根だろう。波浪の状況は不明。)
尚、3枚羽根なら1GM10でも15ノットの風に向かい、6ノットで進むことは珍しくないそうだ。セレニティーは1GM10だがプロペラが2枚羽根で、スラック・タイド(潮止まり)でせいぜい4.2ノットしか出ない。
3枚羽根は2枚羽根より後進のコントロールがし易い(フル・キール艇は後進コントロールが難しいためこの点重要)という利点もあるし、いつかは3枚羽根、しかも帆走中の抵抗を少なくするためフェザリング・プロップに換えたいと思っているが、まだしばらくは2枚羽根でがまんする。(1GM10自体は2006年に新品換装したばかりなので換えない。燃費1時間0.6ガロンは堪えられない魅力だ。)
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キャビン内から見たところ。
この艇はPSCがデッキ・モールドを新型に変える前のものだが、新型のエンジン・ベッドでも入らないことはないだろう。
エンジン・ダッシボード。
右上のキー差込口にはHEAT、OFF、RUN、STARTのポジションがあり、ディーゼル・エンジン車と同様に操作するようだ。
右下の黒いボタンはスターターではなく、ストッパーだ。これを押してエンジンを止める。
手前に見える白い蓋状のものはコックピット・ソール(床)。旧型のデッキ・モールドではコックピット・ハッチの土台になっているソール自体、このようにネジ止めになっていて [着脱可能らしい] 。エンジン換装、またスターン部へのアクセスなどに便利だ。
(写真はいずれもPSC製434艇中174番目 Catherine です。)
⇒ 日本のヤフー・フリッカ・グループ