
差し板は波に打たれても平気なように厚みがあり、結構重いものだ。脱着作業やキャビン内の収納は4枚の方が楽、ということで90年代に入り上の写真の4枚式になったのだろう。(注:1983年後期にデッキ・モールドが新型になり上2枚の写真の様にブリッジ・デッキが造り込まれた。それまでの旧型モールドによる艇はブリッジ・デッキがない分コンパニオンウェイが深く、その分をカバーするためドロップ・ボードも4枚になっている。)
アメリカ発の外洋レースでは、荒天時コックピットに入って来た海水でボードが流されないよう、各ボードに細いラインを装着しそのラインをキャビン内に結びつけるなど、流出防止対策を施していること、というルールもある。昔ファストネットというヨットレースで荒天下多数のヨットが沈没し犠牲者を出したが、殆どの艇の沈没原因がコンパニオンウェイからキャビン内への浸水だったという調査結果が出て以来、ドロップ・ボードの流出防止策は常識になっている。
遠く外洋に出る時は、真ん中の写真のルーヴァー付きの板も、荒天に備えてルーヴァーのないソリッドな板の控えを用意しておく必要がある。
(写真上はPSC製434艇中、1993年製番数艇名未確認のフリッカ、下2枚は295番目 Serenity です。)
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