今までプラスチック製(長方)、ブロンズ製(楕円、長方)の違い、年代による変遷などについては何度か書いたが、今日はPSCがフリッカを造り始めたばかりの1977、78年頃のポートの話。
極く初期のPSC製フリッカのポートは長方形で、ブロンズ製にしろプラスチック製にしろ、各舷それぞれ3個あるポート中、前二つは開閉できたが、一番コックピットに近い大きいポートが開けられなかった。
1978年製。閉じたままのブロンズ・ポート。
同じく1978年製。プラスチック・ポート。
話はズレるが、バルクヘッドにキャビネットが見える。無論魚形の鏡は別だが、キャビネット自体はファクトリー製のようだ。これもオプションだったのだろうか。当時は細かいオプションはもちろん、完成度まで指定できるオーナー・コンプリーション・ボート(いわゆるキット・ボート)もあった。客としては注文しやすかっただろう。
これは一番上の写真の艇のフォア。
正面、オーナーが自分で付けた、温度計・時計・湿度計の板が傾いているので艇がアンバランスにみえるが、艇自体に歪みはない。その下のドアはチェイン・ロッカーへの扉。後の艇に見られるフォア・ピークの収納スペースはない。
興しろいのは、ポート側、ギャリー前方に立っているポール(角柱)。初期フリッカはポールはないのが普通だ。しかもこれはアイスボックスの上にステップしてあるから、オーナーが自分で付けたのだろう。ポールがもともとないので、角には身を支えるため掴むグラッブ・ハンドルが仕組んである。
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尚、それからすぐ、やはりポートは開いた方が良い、ということで大きいポートも開閉式となった。 [このリンク先] は1981年製のプラスチック・ポート。 [こちら] (三枚目、沖縄の頼丸)は1979年製ながら、既に80年代にスタンダードとなったオーバル(楕円)のブロンズ製を備えている。
(写真上と下はPSC製434艇中、060番目 Winzel T、中は番数艇名未確認の1978年製フリッカです。)
⇒フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース