20フィート艇にドジャーを付けるには特にスペースの点から工夫が必要。オーナーたちは自分のセイリングの海域、目的など充分検討し、安全性を踏まえた上で、スプラッシやスプレーを避けるというドジャー本来の目的を達成するため、自分の艇に合ったドジャーを考えてきた。
サンフランシスコからニュージーランドまでシングルハンドした女性TCの 『Tikaroa』 のドジャーは後方から見ると、下まできれいなアーチになっている。フリッカのサイドデッキは狭い。アーチ型はフォアデッキへの往来に不便(危険)がないように通行スペースを確保するのに便利。
右は同じコンセプトの別艇。
これはサンディエゴからハワイ、南太平洋、ハワイ、ロサンジェルスを航海した 『カワバンガ!』 。
本来の目的であるスプレー避けの機能を重視した長いドジャー。良くある斜め前からのスプレーも防げる。この横幕は2段階に取り外しできる。フォアデッキへの往来用に付けた頑丈なドジャーのハンドレールに注目。
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福岡の 『ミスティック』 は上記二つの中間を狙ったものだろうか。⇒[ミスティック]
『ミスティック』 に大変良く似ている 『ダイアン・イレイン』 のドジャーの内部。フリッカのハルヤードは手引きで、ウィンチは最後の締めにしか使わないから、ウィンチ・ハンドルの動きがこのように制限されても大して不便はないだろう。
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始めからスプレー避けをメイン・ハッチだけに絞ったものもある。これでも体を濡らさずコンパニオンウェイから前方を視認するのに有効だ。
この型だとメインスルのリーフなどキャビントップでの作業時にもさほど邪魔にはならず良さそうにも思える。
メインシートがミッド・ブーム型のフリッカにドジャーを付ける場合、シートとのコンフリクトを避けるため、この小型ドジャーのように後端がキャビン後端とフラッシュかもっと短い必要がある。
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尚、艇によってはドジャー内の頭上スペースを確保するため、メイン・ブームの設定を通常より4-6インチ高くするオーナーもいるという。
(写真はPSC製434艇中、上から順に番数未確認 Tikaroa、413番目 Leprechaun、171番目 Kawabunga!、355番目 Diane Elaine、および420番目 Soloma です。)
⇒ Tikaroa
⇒ Leprechaun
⇒ Kawabunga! (Pages18-19)