
ハウスはフリッカ設計者ビンガムのキャンバー(トップの円弧)のきついデザインでも、後のPSCのファクトリー・デザインでもなく、自分なりにアダプトしたと思える角型。デッキ、ハウス、インテリアは自作のように見える。
しかしPSCのハルは当初ノー’スターから受け継いだモールドで造っていたし、もしかしたらPSCが生産を始めた当初はノー’スター製フリッカのデッキとスーパーストラクチャーを担当していたウェスタリー社の関与もまだあったのかも知れない。1977年末頃のノー’スターからPSCへの過渡期についてはまだはっきりと分かっていないことが多い。


サイド・デッキが広いのはビンガムの当初のデザインどおり。目を引くのはバンプキン。船首に付いたバウスプリットでフォアステイを船外に伸ばしているように、船尾にバンプキンを付け、バックステイを後ろに伸ばしている。これによりメインスルの面積拡大が可能。ブームがPSCスタンダードより1~2フィートは長い。リグはカターでマストからはヤンキー用のイナー・ヘッドステイと同じ高さのところにラニング・バックステイが付いている。


尚、もともとは太平洋側ワシントン州の艇だったが、その後オーナーの変遷、転居により、フロリダ、テキサス、ロード・アイランドと場所を変えた。
フリッカ・デザインの源、ニューポート・ボートのふるさと、ロード・アイランド州に辿り着いたのは偶然だろうか。
(写真はPSC製434艇中002番目、1977年製の Thalassa です。)
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