
労力と時間、費用をかけて殆ど完成の域まで来ていた売主の、売りに出そうと決めた時の気持ちは想像に難くない。しかし歳月が過ぎた。売値買値ではなく今は自分の生きている中に新しいオーナーの手に渡ってほっとして居るのではないだろうか。
新オーナーによると艇の出来は極めて良く、造った人のクラフツマンシップに舌を巻いているそうだ。ただ、インテリアが白基調で木部が殆どなく、自分の好みとして室内各所でティーク張りを進めるそうだ。リギング等艤装も含め来年の春には竣工・進水予定。
またオリジナル・オーナーの命はそれまで持ちそうになく、進水を目にすることは出来ないだろうという。しかし、この艇はその人の夢の具現だ。どこを帆走するにしてもその人の生きた証はこの艇と共に生き続ける。
(写真はミシガンで建造の自作フリッカです。)
⇒ フリッカのスペック