2011年12月4日日曜日

フロリダの赤いフリッカ コックピット

1983年末に新型が出る前の旧型デッキ・モールドを使用。

コックピット・クッションはハルと同じ赤。

エンジンのコントロール・レバーが左舷側にあるのは珍しい。その横は燃料シャット・オフ・ノブ(ガード付き)。


オートパイロットは右舷コックピット・ロッカー開閉の邪魔にならないよう、左舷側に装着。




この艇は船内機仕様だが、船外機艇同様、後部にラザレット(ロッカー)が付いている。





格納してあるのはガソリンではなく、ギャリー用のプロパンか天然ガス。






プロパンだとしたらこのアレンジは極めて危険だ。

この艇はPSC製旧型モールド艇とは言え、70年代末の初期艇とはコックピット排水経路が異なる。初期艇では水をコックピット周辺の排水路からスターンに集め、トランサムの喫水の上(乾舷)にあるスルーハルから艇外に出していたが、この艇では83年末以降の新モールド艇同様、コックピットの水がフォアの隅の排水口から下に落ち、コンパニオンウェイ直下のスルーハルから海中に排出される

当然ながらコックピット排水口とスルーハルを繋ぐ排水ホースの途中(喫水)まで海水が来ている。万が一コックピット内に置いたタンクからガスがリークした場合、空気より重く水より軽いプロパンは逃げ口が無く、排水ホースの喫水線より上に溜まり、さらにコックピットに溜まることになり、爆発の危険性が高い。この艇のタンクは空気より軽い天然ガス(LNG)用なのだろうか。

通常プロパンの場合、リークしたガスがスカッパーから艇外に出る [デッキ上に置く] か、スターン・プルピットの [アウトボード側] に装着する。

 この艇のコンパニオンウェイ直下のスルーハルは [この写真] で見られる(後ろから2本目と3本目のスタンドの間)。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1983年製のフリッカです。)
フリッカ・ブローシュア(14頁版)