バウスプリットやプラットフォームに何を塗っているのだろう。セトール、エピファン、または他のヨット・ワニスか、とにかくきれいにメンテされている。
ファクトリー製プラットフォームはティーク、バウスプリットはダグラス・ファー。
ティークはオイルを含んだ木なので何も塗らなくても良いが、ダグラス・ファーはそういう訳には行かない。剥き出しのままのバウスプリットが腐食し、1回ばかりか2回も交換したという話しも聞く。
ファクトリー・オプションでバウスプリットに白いペイントを塗ることもやっていた。幸い#295セレニティーではそのオプションが施してあったため、27年後もまだオリジナル・スプリットのままだ。(無論、適時ペイントの補修をする。)
このスプリットはティークで作り直したもののようだ。
両側のプラットフォームはファクトリー出荷時のオリジナルに見える。
スプリット先端部分にはSS製のタガを嵌めこんである。スプリットは厚板2枚を張り合わせて作ってあるので、その剥離防止と先端部補強の意味があるのだろう。
タガは角材部を上下から締める分厚いコの字型のステンレス板(ただし先端の丸材部は孔が開いている)に、円筒形の板を溶接。ブロンズ製クランズ・アイアンはその円筒の上にすっぽり収まっている。
角材部はスルー・ボルト2本で締め付け固定。
プラットフォームにアンカー・ローラーが無い。アンカーはコックピット・ロッカーに入れてあるのだろう。それにしてもローラーがないとロードの展開・格納時、チェインにしろラインにしろ直接ティークを擦る。
高価なティーク・デッキのオプションを選択しながら、ローラーが無いということは、余程アンカリングをしないスタイルのボート・ライフを見込んでいたのだろう。
燃料タンクのヴェントの位置がユニーク。
通常の位置は [この辺り] 。
PSCはこの艇の直後からヴェントを後ろに移動させ、多少目立たなくしたのかも知れない。
(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1983年製のフリッカです。)
⇒ フリッカのスペック