2011年12月27日火曜日

アラミダのマンチキン スターン部分

12月24日、アラミダ島で最初に訪問したのは常時複数のフリッカが係留されていることで知られる [アラミダ・マリーナ]

係留されているフリッカを見つけるのは難しい事ではない。








外付けラダーのスターン、バウスプリットのあるバウ、共にユニークで、どちら側から見ても、シアーライン、スーパーストラクチャー、マストの高さなど他の特徴とも合わせ、かなり離れた所から確認できる。最初に見つけたのはこの艇、マンチキン。3年前には見かけなかった艇だ。

トランサム右舷側に用途不詳の頑丈なSS製プラットフォームが付いている。乗降用ステップか。





この艇、ラダーのチーク(頬板)が長く大きい、コックピット後部のスターン・デッキが広い、スターンの葡萄の蔦のスクロールワークが大きい、等の特徴から一目でノー’スター製フリッカ(又はノー’スターのハル・モールドを使った初年度のパシフィック・シークラフト製)と判った人も多い事だろう。

スターン・プルピット・レイルもユニークだ。両舷を結ぶクロス・ビームの力強いカーブが、デッキやコーミングのカーブ(キャンバー)と同調し、ラダー・チークやティラーのカーブとも相俟って美しい。

メイン・シート・トラヴェラーはクロス・ビームの上に装着。尚、ラダー・チークの上の金属板、ラダーをハルに付けるピントル&ガジョンはブロンズではなくSS製。


ノー’スターのスクロールワークは葡萄の蔦だけではなく、葡萄の実の房が細かく点々と彫り込んである。




スクロールワークは設計者ブルース・ビンガムの当時のパートナー、ケイティー・バークの手作業によるもの。

艇全体の完成度はかなり高い。オーナー・コンプリーションではなく、ノー’スターのハルにウェスタリーがデッキやスーパーストラクチャーを付けたファクトリー艇、又は前述のようにPSCがハル・モールドを受け継いだ直後のファクトリー艇と見受けられる。

(写真はいずれもノー’スター製又はPSC製の番数不詳、1977~78年製フリッカ Munchkin です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ・データベース