英語でエアーヘッドと言えば頭の中が空っぽの人を指す俗語で、あまり良い言葉ではないが、本日の写真はエアーヘッドとかネイチャーズ・ヘッドという名前のヘッド(トイレ)の話。
通常のマリーン・ヘッドの代替物というより、簡易トイレ(ポータ・ポティ)の代わりに設置するものだろう。ポータ・ポティはタンクに溜まったものを陸上トイレなどの施設にダンプしなくてはならないが、エアーヘッドだったらその際の不快感をなくせるかも知れない。
これはヘッドがVバースにあるオープン・レイアウト型フリッカに設置されたエアーヘッド。
エアーヘッドは大と小を分けて別々に処理するのがポイント。手前下のタンクは液体用ホールディング・タンク。いっぱいになったら地上のトイレに持って行くなり、合法的に処理する。
固体物はボウルの後ろ側に敷いた紙のフィルターに落ちて別室に入る。水は使わない。その別室はコンポスト・タンクになっており、取り出す時は無臭の土になっている。(時々右側下に見えるハンドルで攪拌する。)
固体用タンクの容量は5ガロン。大人60~80回分だそうだ。液体用タンクは大人一人だと4日間分位ホールドできるという。
エアーヘッドは通常のヘッドより背が高いため、Vバースのフィラー・クッションの裏側を刳り抜いて平たく収まるようにした。
エアーヘッドはヴェンチレーションが必要。12Vのファンで湿気を外に出す。このように見栄えが良くないのが欠点。
オーナーの話しではキャビン内に臭いが残ることは皆無だそうだ。
詳しくは [Airhead] と [Nature's Head] を参照。[こういうページ] もある。
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尚、アメリカでは排泄物を湾内・湖内は無論、外洋に面した海岸から3マイル以内で海に棄てることは厳禁。このため通常のマリーン・ヘッドを備えた大小あらゆる船艇は沖に出ない場合、排泄物はすべてホールディング・タンクに溜め、マリーナや港湾のパンプ・アウト施設(どこでも使用無料)でタンクを空にする。
このルールは厳しく、エアーヘッドでコンポスト処理されたものでも湾内、湖内、海岸3マイル以内で捨てることはできない。
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(写真はいずれもPSC製434艇中276番 Maggie Mae です。)
⇒ フリッカ・ホームページのデータベースにある同艇の紹介