2009年1月18日日曜日

プラスチック製ポート

パシフィック・シークラフトは1982-83年くらいまで、フリッカをキット・ボート(オーナーが完成させるオーナー・コンプリーション・ボート)としても販売していた。ポートもブロンズにするかプラスチックにするかはオーダー時に選択、その他の艤装やインテリアの完成度も種々選択できた。

新艇をオーダーする時、とにかくフリッカを手に入れたい、と言う人には幸いだったはず。室内の造作はいつでも自分で必要に応じて作っていけば良いのだから。おそらく、1970年代後半から80年代前半にかけて1年に100艇も売れたのはそういうフレキシブルな売り方も一因ではないかと思う。

1983-84年以降ファクトリー・スペックの完成品のみを売ることになり、値段は上がり生産は減った。90年代に入ると4-5年間でやっと10艇ほどしか造られていない。

このフリッカのギャリーの前にはシェルフ(棚)もカボード(扉つきの収納)もない。





通常シンクの左には2口のオライゴ製非圧式アルコール・レンジが埋め込まれているがそれもない。そこはカウンタートップになっていて、1口のオライゴ製コンロが奥に置いてあるだけ。(コンロの上に乗っているのはクルーザーになくてはならない圧力釜)。

プラスチック製ポートの場合、特にアフトの大きいポートがブロンズ製のものに比べ、際立って大きいのが良く分かる。室内がとても明るく感じられる。





ヘッドが個室ではなくVバース下にあるいわゆるオープン・レイアウト型のこの艇では、右舷の大型ポートからもキャビンに光が入ってくる。


両舷のサイドデッキ下のスペースもティーク製の落下防止用細板の仕込みがなく、唖然とする人がいるかも知れないが、使い勝手は別にして、その開放感が不思議とオープン・レイアウトやプラスチック製大型ポートにマッチしている。

こちらは外観。ガナルの上のレールもティークではなくアルミ製だが、それはそれでメンテが楽、孔にプリヴェンターを掛けられる、など利点もあるだろう。




(写真はいずれもPSC製434艇中、番数未確認、1981年製の Roane です。)
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