2011年3月15日火曜日

配管: 清水タンクのヴェント・ライン

ポンプによるタンクからギャリーへの清水供給を常時スムーズに行うためには、水位の変動でタンク内の圧力が下がってはいけない。そのためタンクにはタンク内圧力を大気圧と同等に保つためのヴェント(通気)ラインが付いている。

清水の出て行く供給ラインはタンク前面=船首側底部の孔に装着されている( [リンク先一番下の写真参照] )が、ヴェント・ラインはタンク後ろの面=船尾側上部の孔に接続されている。

タンクはクォーター・バースの下にある。

クッションを取り除くとマリン合板製のタンクの蓋がある。蓋にあるのは密閉した清水注入口。











タンクの後方にある収納スペースの蓋を外したところ。

タンクのヴェント・ラインはここから覗き込んで撮影する。











タンク後方上部の孔から延びたシースルーのホース。

インボード側の合板壁に沿ってスターン方向へ。



尚、ホース下、中途半端に延びたファイバーグラスの切れ端はタンクのファイバーグラスではない。タンクをハルに留めるための一片の端。タンクのグラスではないことを示すために意図的に突き出させてあるのだと思う。また、タンク本体やインボード側の仕切りも含め、目につくところは白いペイントを塗布してある。(余談だが剥き出しのファイバーグラスは紫外線に弱いのでペイントまたはジェルコートでカバーすることが必要。)

ホースにもペイントが付いてしまっている。










ホースはずっと後ろへ延びて...











このスペースの最後尾に近いところで仕切りの合板に開けられた孔を通ってエンジン・ルーム側へ。














白く塗られた合板のエンジン・ルーム側に出て来たホース。

上の合板はクォーター・バースの床より上に見える合板。


ホースはエンジン排気排水用ホースと並んでトランサムとコックピット後部の壁の間のスペースを喫水線より上に上る。













ずっと上に延びたホースは艇のセンターラインの所で下に降りて来て、エンドがそのままエンジン・ルーム内にとどまっている。

一度高く上に上げたことにより、艇がどれほどピッチ(ロンジテューディナル=船首船尾方向の揺れ)しても、ヒールまたはロール(アスワートシップ=右舷左舷方向の揺れ)しても、このホースを水が通ることはないのでこれでOK。



(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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