写真は昨日のフリッカ、MdR の 『ノウマッド』 。
カリフォルニアは年中一日の日中と夜間の気温の差が日本と比較にならない程大きい。そのため朝露はすごい。冬などデッキで直射日光が当たらない場所は11時位になっても乾かない。
これはキャビントップのティーク・ハンドレイルの端。
やっかいなことに朝露は雨と並び、艇の木部が腐食する最大の原因だ。(水に濡れた部分が徐々に乾いていく、その繰り返しが木を腐らす。常に水中にある木は腐らない。)
昔は木造の大型ヨットなどは毎朝7時、クルーが日の出と共にデッキはもちろんのことスパー(マスト、ヤード、ブーム)もマストに登るなどして露を乾布でさっさと拭き取っていた。
しかしティークだけは油を含んでいるので何も塗らなくても腐りにくく、白っぽくなったソールティーな姿を喜ぶオーナーもいるが、この写真のようにセトールなどを塗った方が保護にもなるし見た目も良いという人もいる。(セレニティーもセトールを塗っている。)
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フリッカの場合、木部は殆どティークだが、バウスプリット本体とラダーのチーク(頬板)だけはホワイト・オークかダグラス・ファーらしく、長年の中に腐ってくる。
セレニティーでもラダー・チークがニスやセトールを塗布していなかった内壁側から腐り始めたため [ティークで作り直した] (2009年12月7日以前の 「ラダー・チーク」 シリーズ参照)。バウスプリットは新艇時から全体に白いヨット・エナメルが塗布されており、今でも毎年サンディングと塗布を行っているのでまだ健在だ。
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オーナーの中にはバウスプリットを [イエロー・パイン] や [アルミ(4~7頁)] で作った人達がいる。東京の 『トトロ』 はバウスプリット、その上のプラットフォーム、そしてラダー・チーク、ティラーと全て職人 [佐野末四郎氏によるマホガニー製] だ。
(写真はPSC製434艇中054番 Nomad です。)
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