
漏れた翌朝の晴天時に来れたのは幸い。まだ湿っているところがあるはず。
早速原因の調査。リークの痕跡から漏れた箇所は間違いなくマストを支える分厚いアーチ部分。
アーチ部分の天井ビニール・カバーのジッパーを開け、裏の断熱用クッションをマスト下から順に手で触ってみる。すると、デッキ・オーガナイザーあたりに湿り気が。やはり原因はここか。
うーん、この部分自体に漏れはない。ボルト・ナットの出っ張りで断熱材が多少下がっていたためそこに水が溜まったということだろう。
まさかとは思うがマストを支える金属板(タバーナクル)のボルト・ナット部分からのリークか。艇が多少とも右舷に傾いている時は右舷に流れ、今回のように左舷に傾いている時は左舷に流れ、ふむ、タバーナクルの再ベディングならマストをアンステップしなくちゃならない、ちょいと面倒なことになりそうだ、と考えながら、断熱材を右舷端まで全部カット。
しかし、この上に何があったかな。
念のために手前のハッチ部分からのリークはないかと、そこの天井コンパートメントのジッパーを開け、手で触ってチェックしたが問題はなかった。
ポスト(柱)左上の膨らんだ箇所から3-4cm左側が断熱材上のリーク痕跡の濃い部分。
ここが原因のようだ。良く観察すると、孔に付いた六角ナットと中に入るケーブル間の隙間を無くすため幾重にも巻いておいたビニール・テープが劣化して幅2-3mmの円形のギャップが出来ている。
これなら大雨・長雨でリークするのも無理はない。
なるほど右舷側にリークした時断熱材を大方触ってみたがどこも濡れていなかったのはそういう訳か。水はアーチ前端に沿って右舷へ走っているビニール・カバー付き電線を伝いハウス側壁上部に至り、天井カバーの一番低い部分から壁を伝ってセッティー・クッションの上に流れ落ちていたのだ。
4シーズン程前にめくれたテープを目にして、見苦しいな、と貼り直しておいた補修テープが、リーク対策として利いていた訳だ。
ともかく大掛かりな修理は不要のようで一安心。かつ、今までの疑問が解けて納得。同時に、もっと早く断熱材を切開し点検しておけば良かった、と反省。
(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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