MdRのフリッカ 『ノウマッド』 のオーナー、ウィリアム(ビル)・ホウガンは口八丁手八丁のなかなかユニークな人間だ。昨年から長期クルーズに向け、艇と自分の準備に余念がない。
針路北西のポート・タックでサンタモニカ湾を北上中。
コックピット・コーミング横のクラム・クリートに噛ませたラインは [独自のプリヴェンター] 用。
ティークのトウ・レイルの下に見える長方形の孔はサイド・デッキからの排水用スカッパー(スタンダード)だが、画面手前に見える円形の排水口(後付け)は何のために付けたのか分からない。
フォール・アウェイしてブロード・リーチ。
ビルのアイデアか、前オーナーが付けたのかは不明だが、キャビントップにはティーク製のゲイト(門)が装着されている。ストッパー・ノットを結んでおけばハルヤードが不意にキャビントップからズリ落ちることはないが、それだけのために付けたのだろうか。
ヘッド・アップ。 だんだんマリブに近づいて来た。
シー・フッド後端には高いティークのトリムを付け足してある。メイン・ハッチを開けている時多少のスプレイ避けにはなるかも知れないが、これはファクトリー・オプション?
とにかくこの艇には以前にも見たようにあちこち他のフリッカにはないものが付いている。
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さて、ビルが真骨頂を発揮しているのはこのビデオ。バットマンのベルトにヒントを得たというPFD(救命浮体)ショーツ。既製品のPFDと転落防止用テザー装着のためのハーネスをパンツ型に一体化したもの。
⇒ [YouTube Video]
ハーネスはマストに登る時のボースンズ・チェアにもなり、海上からデッキへの引き揚げにもそのまま使用できる。
上体がフリーなのでデッキ上の作業もしやすく、シャツやジャケット脱着の際も邪魔にならないばかりか、PFDは常時腰に巻かれているので安心。パンツにはベルクロ付きのポケットが付いているのでVHFやPLB等小物ディヴァイスも肌身離さず持っていることができる。
コンペにも提出したらしい。その結果がどうなろうと、なかなか実用的な工夫だ。
(写真はいずれもPSC製434艇中054番 Nomad です。)
⇒ USヤフー・フリッカ・グループ