2011年2月5日土曜日

タラッサ - オン・ザ・ハード

PSC(Pacific Seacraft) が南カリフォルニアのコスタ・メサでフリッカの生産を始めたのは1977年。

それ以前はサンタ・バーバラに在ったノー’スター (Nor'Star) が、ブルース・ビンガム(フリッカ設計者)とケイティー・バークのカップルが造ったモールドを購入してファイバーグラスのハルを生産、同じ南カリフォルニアのウェスタリー社にデッキ造作を任せていた。

タラッサはその同じモールドを使ってPSCが生産した第2号(ハル#002)だ。





まだデッキ・モールドは無かったのでデッキやスーパー・ストラクチャー(ハウスを含むデッキ上の造作物)はファクトリーでのワン・オフか、艇のオーナーの自作。 おそらく後者、またはオーナーがプロにオーダーして造ってもらったものだろう。

(PSCは譲り受けたモールドによるフリッカ生産開始に平行し、独自のハル・モールド、デッキ・モールドの開発・製作をスタートさせた。)

バウスプリット先端のクランズ・アイアンに装着のフォアステイ(ヘッドステイ)、スプリット根元に装着したイナー・ヘッドステイ。完全なカター・リグ。

デッキはティーク製とのことだが、後年上にキャンバスを張り、ノン・スキッドなどの塗装を施したようだ。



昔の木造船では良く見かけた処方。フォアデッキにはブロンズ・クリートではなく木のサムソン・ポストが座り、チェインプレイトにも木が使われている。趣のあるフリッカだ。

サムソン・ポストやバウスプリット、それにハウスの壁はティーク同様に腐り難いアラスカン・イエロー・シーダーのようだ。タラッサ初代オーナーの地元、ワシントン州では入手しやすい木材だ。

タラッサというのはギリシャ神話で海の女神。長生きして欲しい。

同艇についての詳細は [こちら] を参照され度。

(写真はいずれもPSC製434艇中002番目、1977年製の Thalassa です。)
フリッカ・データベース