2011年2月14日月曜日

葡萄の蔦のスクロールワーク

葡萄の蔦の [スクロールワーク] はフリッカのトレード・マークと言って良い程フリッカとは切り離せないが、シアトルのフリッカ 『トゥーカン』 のオーナーのロンは手入れの良い木造の古いパワーボートに施されているこのスクロールワークを目にした。

ハルやスーパーストラクチャーのラインや色とバランスが取れ、艇のキャラクターを際立たせている。


この良き海の伝統も最近のヨットにはめっきり見られなくなった。特に彫り込みやレリーフのものはそうそう見られない。せいぜい代わりに星形や鏃(ヤジリ)を模した三角形など、シンプルな飾りがある程度。

こちらはトゥーカンのスクロールワーク。

たまたま上のパワーボートと同じ色。


ファイバーグラス艇ながらカーヴル・プランキング(板の張り込み)のラインだけでなく、彫り込みのスクロールワーク(実際はモールドに作り込み)まで付けたフリッカは古き良き木造船時代の手間隙かけた味わいを今に引き継いでいる。

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ところでロンはやはりトゥーカンを売るのは止めた。乗り換えようと思っていた24~27フィート艇で自艇とほぼ同じ位の値段のものとなるとどれもかなり手入れの必要な中古艇になる。それらと今まで大事にしてきた愛艇を比べると、どちらを取るか答えは明白だったようだ。

(写真上はシアトル係留のパワーボート、下はPSC製434艇中340番 Toucan です。)
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