2011年2月20日日曜日

ジャム・クリート

PSC製フリッカには殆ど全ての艇にジブやジェノアなどへッスルのシートをクリートするためにジャム・クリート(jam cleat, jamb cleat)が付いている。

ウィンチの後ろにあるジャム・クリート。

その形と方向に注目。







ウィンチに対し斜めに装着されたクリートのスターン側は直立の脚が付いており、ウィンチ側は言わばV字の谷型になっている。

これはウィンチから出したシートを先ずスターン側に素早く引っ掛け、そのまま時計回りに廻したシートを反対側のV字の谷に引っ掛けてグイと引いて留めるからだ。(下の写真のように8の字で留める必要はない。無論8の字に留めても良いが。)

オープン側をフェアリードとして使い、V字の谷側でラインをジャム(ストップ)する、つまりライン脱着を素早く行えるように特化したクリート、と言う訳だ。

もっとも、この写真の様にセルフ・テイリング・ウィンチの場合、ウィンチ自体にジャム機能があるのでデイ・セイリングではクリートを使うことはめったにない。

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良くキャビン・トップに見られる [クラム・クリート][キャム・クリート] ももちろんそれぞれジャム・クリートの一種。

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前述の使用法や機能性からして、右舷と左舷のクリートは同じオリエンテーション(向き・装着方向)になっている。決して線対称の配置ではない。

それにしてもウィンチの回る方向にしろジャム・クリートの装着方向にしろ全部右利きの人間用に時計回りが基本になっている。左利きの人には不便かも知れない。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのリグ