昨日の一等下の写真に見える、エンジン・ルーム左舷側の壁。
画面右の白い物は燃料フィルター(燃料内の水分を除去する油水分離器)、左の灰色の物がポンプ。燃料は画面右から左へ流れる。
問題はこのポンプがカタカタと音を立てる様になり、その状態が暫く続いていたが、ついに音もしなくなるとポンプ本体が手で触れない程熱くなった事。オーナーのO氏は危険と判断されポンプを取り外された。
外した燃料ポンプ。
周知の様にエンジン本体にも燃料ポンプが付いているのでこの外付けポンプが無くてもエンジンの運転は可能。O氏は外付けポンプの代用品が届くまで、燃料フィルターの燃料出口にエンジンへの燃料管を直結し、エンジン本体のポンプに過剰な負担をかけない様、燃料タンクはいつも満タンかそれに近い状態で運転された。
(フリッカの場合、Vバース下にあるタンクの位置がエンジンの位置より低いので外付けポンプが正常に運転している状態でもタンク内の燃料の量を半分以上に保つことが推奨されている。燃料がタンク半分より少なくなると特に荒天などで波浪が高くバウが下がった時にエンストする可能性がある。またタンクからエンジンまでの距離が比較的長いと言うことも燃料の安定供給という点から外付けポンプが追加された理由にもなっている。)
分解したポンプ。
左端がトップ部分で燃料が出入りする所。
右端はケース、真ん中がポンプ本体。
解体した時にはポンプ本体とこのケース間のスペースも燃料で一杯だったそうだ。
ケース内への燃料リーク、かつポンプ不具合の原因はこれ。
トップ部分の中心にある孔に仕込まれていた蛇腹状のゴム(ダイアフラム)が劣化し、千切れてしまったこと。
ヘッド右側の燃料入り口と左側の出口部分には恐らく一方通行の弁が仕込まれているので、本来ならゴムの蛇腹がポンプ本体のメカニズムによって伸び縮みする度に燃料は蛇腹内およびその上のスペースを通ってヘッド部を右から左へと通過して行く。
破損後ヘッド部に残った蛇腹のゴム。
この写真の型のウォルブロ (Walbro) 製ポンプは既に廃番となっており、現在の Walbro 製はもっと大きくポンプ能力も高すぎるものしかない。そこでO氏は代替品を探された。(つづく)
(写真はPSC製434艇中421番目 tea cup 及びその関連の品物です。写真・解説提供: オーナーのO氏。加筆・編集: 当ブロッグ筆者。)
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