昨日のノー’スター製フリッカ、ウィッシング・スターと良く似ているが、この艇は同じビンガムのデザインに基づき、オーナーがローカルの造船所にカスタム・ビルドしてもらったもの*。 ハルは無論、デッキもファイバーグラスだ。
話しがずれるが、ノー’スター製と言えばデッキは木製が殆ど。しかし、015番のハルとデッキを購入し、後は全て自分で仕上げ、ミス (Myth) と名付けたオーナーによると [ミス] のデッキは木製ではなくファイバーグラスだという。ノー’スター製全20艇中最後の6艇が全てそうであったかは不明だが、ノー’スター製も末期になってパートナーのウェスタリーがモールドから起こしたファイバーグラス製デッキになっていたようだ。
ビンガム・デザインをそのまま使用しているのでフォアワード・ハッチはキャビントップではなくデッキにある。
スーパーストラクチャー(ハウス)前面にもポートライトを設置。バウスプリット両側にはティーク・グレイト(スノコ)のプラットフォーム。
圧巻なのはフリッカの象徴である葡萄の蔦のスクロールワーク。刻み込んだスクロールではなく木彫のレリーフ。スクロールに続くハル・ストライプもPSC製では刻み込んだように凹面になっているが、この艇では凸面のティーク製ラブ・ストレイクがハルのフリー・ボード(乾舷)をぐるっと取り巻き、重厚感のあるソールティーな仕上げになっている。
キャビン・サイドのポートライトは前2個がウィッシング・スターと同じ小型円形。後ろ1個は見ての通り、大型の台形。
この艇はライフライン用のスタンションも、バウとスターンのプルピット・レイルも無いのでシアーから上がすっきりしている。トップの写真で見る様にスパー(マスト、ブーム)はアルミ製でスループ・リグ。
* 後日註: 当初この艇をノー’スター製フリッカとし、タイトルも 『ウィスコンシィンのノー’スター・フリッカ』 としていましたが、11月23日、この艇がプロの手で造られた1980年製のワン・オフであることが判明し、タイトル、内容、共に改訂しました。
(写真はいずれもカスタム・オーダーによる1980年製フリッカ P Boat です。)
⇒ フリッカのリグ