2010年3月19日金曜日

シップス・ベル

視界100フィート(約33m)の朝霧の中を航行するトゥーカン。設定したコンパス・コース(針路)を保ち、GPSとチャートで位置を確認しながら、無事目的地に到着したという。












オーナーのロンはこの後さらに経験を積むため、自分の熟知している係留地近くの海域で、霧の出やすい夜間の航行もしてみたそうだ。

霧中、夜間、強風下、雨天下などでの実体験は他の何ものにも変えられない。いつも今日は25~30ノットの風があるから出航しないなどと言っていては、マイルドな風波が急変したりした時、ぶっつけ本番で初めて悪天候や困難な状況に遭遇することになる。

これらの状況に備えて日常訓練を重ねておくことは重要だ。天候ごとに訓練目標・項目を設定して、気象状況に合わせて少しづつスキル・アップを図るようにすれば、いざという時に適切な判断を下し正しい行動がとれるようになるだろう。

これは同艇のシップス・ベルだ。








ベルは昔から主に [時間を知らせる] ために使われていたが、フォグ・ホーン同様、霧中の警鐘としても使われて来た。今でも相手に注意を喚起させるために使われる。

ベルには船名、造船年、造船所名が刻まれ(またはレリーフ状の盛り上げ)、その後船名が変わっても、ベルだけは造船時からのものをそのまま引き継ぐのが伝統で、難破した船は ID をベルで確認できた、と上のリンク先ページに書いてある。

また海軍人の子供の洗礼にはシップス・ベルを使ったそうだ。洗礼後、洗礼を受けた子供の名前をそのベルに刻むのも伝統だったという。

(写真はいずれもPSC製434艇中340番 Toucan です。)
Toucan ホームページ 左のメニューの Blog をクリック。