ノウマッドではメインのプリヴェンターを両舷に設定し、すぐに使えるようにしてある。
右舷コックピット・コーミングのすぐ前。
スタンションに仮留めしてあるシャックルを必要な時メイン・ブームのベイル(U字型金具)に付ける。
もう片方のエンドはコーミングに装着したクラム・クリートに留めるようになっており、ラインの長さを調整できる。
プリヴェンター・ラインはサイド・デッキ通行の邪魔にならないよう、トウ・レイル上にアイを付けて走らせている。
シャックルの付いたエンド側は3本のシュラウドの外側に回して収めてある。
(尚、黄色いラインは言うまでもなくクルー転落防止用のテザーを付けるジャックライン。)
フォア・スタンション根元のターニング・ブロック(滑車)。
非使用時、ティークを擦らないよう、細いバンジー・コードで吊ってある。
ブームへの装着法:
(1) シャックルを仮留めしたスタンションから外して手に取る、
(2) シャックルの付いたライン・エンドをシュラウドの外側からフォアへ回す、
(3) シャックルをブームに付ける、
(4) もう片方のエンドをクラム・クリートから外して引っ張り、ラインをピンと張ってクリートし直す。
左舷側も同じセットアップ。
危険な不意のジャイブを防ぐ効果はブーム・ブレーキ (例は [こちら] ) でも得られるが、ブーム・ブレーキはサイド・デッキの通行やキャビントップでの作業の邪魔になるため、このオーナーはその点を考慮し、ここまで手間をかけて両舷にプリヴェンターを設置したのかも知れない。
しかし、ブロックを吊っているバンジー・コードが邪魔にならないのか心配だ。
一番前のシュラウドのターンバックルに細いタイを通してループを作り、非使用時のシャックルをそのループに掛けるようにすれば、わざわざシャックルをコックピット前まで引っ張って来ることも、ブロックをバンジー・コードで吊り上げることも不要だし、プリヴェンターのブームへの脱着もよりすばやく安全に出来るのではないだろうか。
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ちなみに、セレニティーのプリヴェンターはブームヴァングのマスト側のシャックルを真ん中のスタンションの根元に装着して [プリヴェンターとしても使う] 一般的なもの。
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(写真はいずれもPSC製434艇中054番目 Nomad です。)
⇒ フリッカ・ホームページのデータベースにあるノウマッドの紹介