海上でのスムースかつ安全確実なセイル展開・格納はシーマンシップのイロハ。最近はファーラー付きのヘッスル(ジブ、ジェノアなど)を使っている人が多いが、ハンク・オン式のセイルを使っている艇では特にセイルの整理整頓の心得が必要だ。
ノウマッドのオーナー、ビルの例を見てみよう。
ジブの入ったバッグ式カバー。カバーに付けた大きいシャックルにハルヤード・シャックルを付けて吊るせるようになっている。
ジブ・シートは長い1本のラインの真ん中にシャックルを付け、セイルからセイルへ簡単に移動・装着できるようにしてある。いいアイデアだ。
今日は写真撮影用に、フォアステイの前、プルピット・レイルの両舷にバンジー・コードが渡してある。
このバンジーコードは各セイルごとに用意する。
さて、ここからデモンストレーションの始まり。
降ろしたセイルはハンクがステイに付いたまま、畳んでバッグに入れる。
その後ハンクを1個づつステイから外す。その際、外したハンクを順番にバンジー・コードにハンク・オンして行く。
ハンクをステイから全部外し終わったらバンジーコードをプルピット・レイルから外してそのままバッグの中へ。
セイル装着は、フォアステイ下に持って来たセイル・バッグを開き、まずこのハンクの付いたバンジーコードを取り出してプルピット・レイルに取り付け、そこからステイにハンクを移して行く。
この方式だとセイル交換時、降ろすセイル、揚げるセイル、いずれもスムースに作業を進められる。確実にスムースに作業ができるということはそれだけ安全ということに他ならない。
風波がビルド・アップして来ると手前のフォア・デッキに置いてある大きいセイル(ジェノアなど)はデッキ下に収納しなければならない。
しかし、通常はセイルを交換しやすいようにデッキ上に置き、この様にバンジーコードで固定しているという。
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セレニティのジブはブームの付いている [クラブ・フッティッド・ジブ] でメイン同様に [ブーム上に格納] する。ハンクをステイから外す必要もない。(ジェノアなど他のセイルはタック・ペンダントを使用し、ハンクはジブよりも上部のステイ上にハンク・オンする。)
しかし、ハンクを全て順番どおりにバンジーコードにハンク・オンしておいて展開・格納する方法は、ジェノアを始め他の全てのハンク・オン・セイルに利用したい。
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(写真はいずれもPSC製434艇中054番目 Nomad です。)
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