フリッカにファクトリーから付いてくるアンカーは20ポンド(9kg)のCQRアンカー。CQRはバウスプリットに収まった姿は潮っ気があって様になっているが、なかなか海底をバイトしない、走錨する、など性能が劣る。各種テスト結果でもそのとおり報告されている。(例:Yachting Monthly & Sail Magazine Test )
そこでテストでいつも好成績を残しているこのHydro Bubbleアンカー(AC300GS型、重さはCQRの約半分の11ポンド、5kg弱)を購入した。
30フィート・約10,000ポンドの船艇用。20フィート・6,000ポンドのフリッカには十分な大きさだ。
前々から買おうと思っていたのだが、実際に購入したのは昨年3月。製作会社が潰れてしまったというニュースを聞き、急ぎストックのある販売店から購入した。自分でテストしたところ、評判どおり食いつきが抜群で、一発でセットできる。ホールディング・パワーも申し分ない。
いつもはコックピット・ラザレット(ロッカー)にしまい、必要な時のみ取り出してバウのプライマリー・アンカーとして使っている。軽いから持ち運び、取り外しは簡単だ。組み立ては写真のように行う。分解は逆の順番で。
見かけが悪い(端的に言うとオモチャに見える)、エアタンクの寿命が実証されていない、など懐疑心の深い人々が多くて実際に買う人の数が会社を支えるほど多数ではなかったのだろう。潰れてしまったのは大変残念だ。
このアンカーのおかげで 『セレニティ』 のCQRは今では家のガレージの置物になっている。スターン用にはチェイン不要でスコープが小さくて済むと宣伝している [ボックス・アンカー] タイプの [三角アンカー] を積んでいる。
ハイドロ・バブルはバブルが付いているため、CQRのようにバウ・プルピットのプラットフォームには搭載できない。が、そもそもそこにはアンカーを置いていない方がプルピットでの足場が確保でき、ジブのテイク・ダウン作業などの立ち回り時に安全性の面から都合が良い。
見かけは良くないが、フリッカにはピッタリのアンカーで満足している。長期クルージングに出かけるチャンスがあれば、純正フォートレスもひとつ用意したい。
(写真はいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
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