2009年1月3日土曜日

浮遊電流対策

マリーナにはセイルボート、バワーボートが多数係留され、殆どの艇が係留中に陸電でバッテリーを充電している。中には海中へ漏電している艇も、無きにしも非ずだろう。海中にこのような浮遊電流があれば、海中にある艇の金属部分の電蝕を心配しなくてはならない。

プロペラ・シャフトにジンクは付いているし、ピントル+ガジョンにもジンクを付けている艇もある。アルミなどメタル製のハルでないかぎり、それだけで十分な気もするが、ステンレスとブロンズといった自艇の異種金属間の電流による腐蝕ではなく、よそからの電流にアタックされた場合を考えて念のためにシュラウドやステイのチェインプレイトなどから海中にジンクを提げているヨットがある。

『セレニティ』 でもそれをまねてどのような効果があるかテストしてみることにした。しかし、船具店で魚の形をしたそれ専用の大きいジンクの塊(グルーパー・ジンク)を売っているが、値が張る。とりあえず安い小さいものでテストすることにして、ポートサイドのステイ(正確にはチェインプレート)から吊り下げた。






ジンクにつけるラインにはスタンディング・リギングを全部新品にした時にとって置いた、古いウィスカー・ステイ(バウスプリットからバウ両舷に各1本づつ付いているステイ)の1本を使用。




ブロンズ製ターンバックルが付いている方が上になる。上端に大きい円形ピンを付け、ジンクはもう一方の端にステンレス製のボルト・ナットで固定した。








3ヶ月後のジンクのようす。ツルツルだったジンクの表面も、近くで見るとすでにアバタ面。月面のように小さな穴があちこちに出来ている。(写真をクリックして拡大すると分かりやすい。)




裏面は特にエッジ(周辺)部分が、ギザギザに電蝕されている。







そこまでの電蝕は早かったが、不思議にそれからスピードが落ちて、その後さらに半年経ってもあまり大きな変化は見られない。この3ヶ月目の写真を撮った時、同じものをもうひとつ作ってバウのフォアステイからも吊るし始めたが、そのフォアステイのジンクも大体同じくらいの期間で同じくらい電蝕されたあと、やはりスピードが落ちた。なぜだろう。

何はともあれ、吊るしていなかった時に比べて気休めにはなっている。

(写真はすべてPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
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