このフリッカはバウスプリットに掲示された船艇登録番号を見ると、頭の2文字がWNだから米国ワシントン州がホームだ。スターンに掲げた国旗は星条旗、訪問国のコータジー・フラッグはフランスの三色旗だ(ちょうど裏側から見ている)。撮影場所は南太平洋のタヒチとかボラボラとかフランス領ポリネシア、と想像される。
PSC製マルコーニ・リグのフリッカはマストのシュラウド用チェインプレイトが各舷3本づつだが、この艇は2本づつしかない。
畳んだジブとイナー・ジブ(ステイスル)に被せたカバーが仲良く並んでいるので、スループではなくカッターだ。
キャビントップのキャンバー(円弧)が大きく盛り上がっている(PSC製フリッカではもっと緩やか)ので、この艇は 『ラダー』 誌に掲載されたブルース・ビンガムのオリジナル・デザインから起こした自作艇か、ノー’スター製20艇中の一艇だ。
補機はガソリンの船外機なので赤い色の予備タンクがサイドデッキにある。青い色は何用だろう。水用か。それとも赤いタンクが手に入らなかったのでこれで代用しているのだろうか。(ちなみにディーゼル=軽油用は黄色。)
遠洋航海には欠かせないウィンドヴェインを装着している。セイルを降ろした時やリーフをする時にブームを置くブームギャローズも設置。暑い日差しを遮るブーム・テントも付けている。(写真はクリックすると拡大。)
ボブステイもウィスカー・ステイもチェイン。フォア・デッキにはヴェント(通風用カウル)。その前には大型のウィンドラス。ポートは正円形のブロンズ製。コックピット・コーミングはウッドで、スターン・プルピットは低く、メイン・トラベラーも特製のようだ。艇と同じようにソールティーなオーナーがコンパニオンウェイから今にもひょっこり顔を見せそうだが、キャメラのシャッターを押したのが本人だろう。
見たところ撮影されたのはずいぶん昔のようだが、この艇の詳細は今のところ不明。
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追記(2009年4月28日): このフリッカはアメリカ・シアトルがホーム・ポート、ノー’スター製20艇中11番目 Hrai Roo であることが判明した。
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(写真はNor'Star製20艇中11番目 Hrai Roo です。)
⇒フリッカ・ホームページ