End Tie (エンド・タイ)とはマリーナのドックで一番先端にある係留スペースのこと。言うならばT字の上の横棒の部分で、その下の縦棒の両側の櫛の目のようなスリップ(係留スペース)に並ぶ他艇の2倍以上の長さがある。 櫛の目のスリップに入りきれない大型船艇係留用だ。
[ここ] は我がフリッカ 『セレニティ』 が目下世話になっている、約550艇が係留可能な中型マリーナ。入り口に一番近いところ、ドック1Aのエンドには101フィートの木造ケッチ。この艇は過去三年に一回だけ機走で出航したのみ。
次のドック1Bのエンドは「ハリウッド風」海賊船のレプリカ。両マストにクローズ・ネスト(見張り台)が付いたブリガンティン(前のマストはスクエア・セイル、後のマストはフォア&アフト・セイル)。これはここに泊まっているだけ。出て行けるだけの整備はされていない。
次の2Aのエンドは2008年にワシントン州からやって来た恐らくファイバーグラスまたはメタル製のケッチ。120フィート以上ありそうな、このマリーナ最大のヨットだ。見ての通り、見事にラップされて長期保存の構え。ラップ用のフレーミング、ラップそのもの、ラップの開口部に仕込んだ大型換気扇など、唖然とするくらい立派だ。
いったいどういうオーナーたちかは知らないが、大型になるとそれだけメンテも大変、出航にもクルーが必須で、セイリングを楽しむヨット生活とは程遠いものになっている。マリーナに係留されるためにこの世に生まれてきた訳ではないだろうから、海に出られない船自体がかわいそうな気もしてくる。
(ビデオはマリーナに帰着、メガ・ヨットの前を通り、自分のスリップへ向かうPSC製434艇中295番目、Serenity です。)
⇒Flicka20_Japan
註:これは帆走ビデオではありませんが、当ブログの全てのビデオをひとつのラベルで一括表示するために、帆走(ビデオ)のラベルにしてあります。あしからず。