2012年2月17日金曜日

テキサス州の自作フリッカ その後 (Around the Companionway)

既に見たようにインテリアの多くのコンポーネントはロックを解除して取り外すことができるが、同じアイデアはコックピットにも及んでいる。

画面中央のバルクヘッドに仕込まれたコックを回してロックを解除すると、右端に見えているコックピット・シートを外せる。



コックの向こう側にはスターンまで伸びたロッド(金属棒)が接続されており、ロッドに付いたフックでロック/解除を行う仕掛け。

その右下、階段固定用フックの真下にもコックがあるがこれはコックピット・ソールのエンジン・アクセス・ハッチ用。




本日の写真は全てティークを貼り込む前の写真だが、キャビンからのエンジン・アクセス口はこのまま開いたままにしておくのか不明。

左舷側コックピット・シートも同じ仕掛けで取り外すことができる。








尚、この左舷側バルクヘッドとギャリー間のスペースには温水器と冷凍冷蔵庫を入れるそうだ。バルクヘッドに仮留めしたホースは温水器用、銅管は冷蔵庫用プロパン・ガス供給ライン。

この艇に搭載予定のプロパン冷凍冷蔵庫はプロパンを単にフロン(フレオン)の [代替冷媒として使用するもの] ではなく、冷媒のアンモニア(+水)を熱して高圧にするためにプロパンを燃やす 『アンモニア冷媒吸収式冷凍冷蔵庫』 。その仕組みは [この図] を参照。特にマリーン用という訳ではないが例えば [このページ] で冷媒吸収式プロパン冷凍冷蔵庫の実製品が見られる。このタイプの冷凍冷蔵庫はプロパンの燃焼で稼動するため電気(DC12V、AC120V等)は一切無用。(実製品中にはプロパン、12V、120Vのいずれでも稼動できる [コンボ・タイプ] も有る。)

コンパニオンウェイは差し板ではなくアコーディオン式ドアで閉じる。








各フレームに嵌め込まれているのは一見固定式ルーヴァーの様だが実はシャッター。下段真ん中の例のように隙間を閉じることができる。

デイ・セイリングやローカル・クルージングをする分にはやっかいな差し板の着脱に煩わされることも無く、使い勝手が良さそう。しかし、外洋や長期クルージングには厚く強靭な差し板を使い、差し板が流されないように何がしかの方法でコンパニオンウェイに固定できる仕掛けが必要だ。

(写真は元々ミシガンで建造され、テキサスで仕上げ中の自作フリッカです。)
フリッカのスペック