2010年12月28日火曜日

ジプシー・レイディー再訪

PSC220番艇 『ジプシー・レイディー』 は色々な意味で [ユニークなフリッカ] (クリックすると本日の記事の下に過去の記事が掲出される)だが、ヨットワールドのサイトに今までになかった写真がいくつか追加された。

まず昨日の話とのつながりで、ボブステイのカバーに注目。








このカバーはホーム・センターで買えるPVCパイプを被せただけのもの。見かけは悪いかも知れないが錨泊中アンカー・チェインがボブステイに当たってガーンガーンと音を立てたり、ガリガリッとボブステイを擦るのを防ぐのに効果的。完全に消音はできないが、ボブステイの保護には大いに役立つ。日常的にアンカリングするフリッカでは同様のカバーを付けている例も珍しくない。

(註:チェインがボブステイにぶつかるのを防ぐ方法としてはこの他、既述のように [アンカー・スナッバー][ブライドル(ページ下の写真)] の使用が一般的。またアンカー・ロードにチェインとラインを繋いだものを搭載している場合、チェインを全部出し切って海中に落とし、ラインをデッキにクリートする方法もあるが、無論それではラインがボブステイに擦れるのは避けられない。)

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ハルに塗られた太いホエールストレイクにマッチさせるかのようにラダーの喫水上にも同色のデコレーションがある。

ラダー・チーク(頬板)には葡萄のスクロールワーク。









プレキシグラスの差し板は観音開き。

この艇は1983年製以前の旧型デッキ・モールドで造られているためブリッジデッキがなく、コンパニオンウェイの切り込みが深い。


メインシートはミッド・ブーム型だが、プランク(厚板)をアスワートシップ(艇の左右方向)に渡し、その上にトラヴェラーを装着している。

コックピットをカバーするビマイニはメインシートをうまくかわして設置。

特製ラザレット搭載のために手動ビルジ・ポンプは左舷クォーター・バースの中ほどに移動。






エンジンのダッシボードも右舷コックピット・シート側に移した。

ここまでして収納スペースを増やす心は20フィート艇で長期クルーズに出たり、リブ・アボードした人、したいと思っている人以外には理解し難いかも知れない。

(写真はいずれもPSC製434艇中220番 Gypsy Lady です。)
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