2010年12月22日水曜日

1GM10 冷却水ポンプのシール交換 2

下の写真はシール2個を打ち出した後、ポンプのボディーをきれいに拭いたところ。

これから径の小さなウォーター・シール、そして大きなオイル・シールの順で新品のシール2個を挿入する。




ボディー中央部に見える長方形の孔がウィープ・ホール、つまりウォーター・シールのコア部(シャフトに接した円形の中心部)とシャフトの間の極僅かな隙間を抜け出てインペラ室から浸み出てくる水をエンジンの外に流し出すための孔だ。

ウォーター・シールはこの孔よりインペラ室側(画面左下)、そして径の大きなオイル・シールはエンジン側(画面右上)に嵌る。二つのシールの間には空間があり、そこにウィープ・ホールが開いている訳だ。

シールの向きについて

先に入れるウォーター・シール(この図の9番)はリップ(小さなコイル・スプリングの付いている面)がインペラ室側に向くように、後で入れる径の大きいオイル・シール(同8番)は逆にリップがエンジン側を向くように挿入する。







(リップ面に在るコイル・スプリングはシールのコアがシャフトにできるだけ密着するようにという意図で付けてあるようだ。それでも磨耗が進んでシールがヘタって来ると漏水するようになる。)

(8) ウォーター・シール(径の小さなシール)の打ち込み。








ちょうど手元に打ち込みに都合の良い径のドライバーのハンドル部が合ったのでそれを上から当ててハンマーで適度に叩きながら打ち込んで行く。

尚、各シールの打ち込みに [径11mmと3/4インチ] のソケット・レンチ用ソケットを使っている人もいるようだ。

ウォーター・シール打ち込み完了。











打ち込んだウォーター・シールはウィープ・ホールを完全にクリアーし、もっと奥のインペラ室側(画面左側)に収まっている。



収まったウォーター・シールをインペラ室側から覘いたところ。








(9) 続いて径の大きいオイル・シールを径の大きいドライバーのハンドルを使って打ち込む。






オイル・シールが完全に収まったところ。










これもウィープ・ホールから覘いても見えない。ウィープ・ホールのスペースよりもエンジン側で止まっている。

(10) ベアリング付きのシャフトを嵌めこむ。










ベアリング付きのシャフトは指で押し込んで嵌める。

嵌ったものを手に取って観察すると、ベアリングの外周の手前にポンプ・ボディーに刻み込んであるサークリップ(スナップ・リング = 留め輪)嵌め込み用の溝が見えるはず。それが見えない中は大きい径のオイル・シールの打ち込みが不充分ということ。(この場合今一度シャフトを取り出して、オイル・シールをもう少し打ち込む必要がある。)

見えるのだが充分かどうか判断に迷う場合はサークリップを実際に嵌めてみれば良い。嵌れば充分。

尚、上の写真でシャフト・エンド(ボール・ベアリングで囲まれた所)にほぼ長方形のキーが見えるが、そのキーが下の写真に見えるエンジン本体のシャフト・エンドに在る凹部とポンプ装着時にカプリングするようになっている。















さて、サークリップを嵌め込んだところでシール交換自体は終了。

後はインペラを入れてポンプをエンジン本体に装着するだけ。








インペラの両側面と各羽根の先にシリコン・コンパウンドを塗って挿入。

スピード・シールの場合、カバー内側にも薄く万遍なく塗る。








外した時と逆の手順で全てを装着。










註:良く観るとアウトプット側のホース(上のホース)の先端手前部分を一部2~3mm切り取ってあるが、これは円形のスピード・シールの脱着時に邪魔になる部分を切り取ったもの。ホースがポンプの管に被っている部分は長く、その部分をクランプで締めているのでこの程度の切り取りは何も問題ない。

試運転。エンジン始動後5~6分して徐々に3000rpmまで回転を上げたところ。






キャメラのシャッター・タイミングが合わず噴射した瞬間が撮影出来ていないが、瞬時殆ど水平に飛ぶくらい排水の勢いは良い。

30分の運転でウィープ・ホールからは漏水が1滴も出てこなかった。これで作業完了。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・スペックのページ