マリーン・バッテリーは車のバッテリーとは違い、ディープ・サイクル・バッテリー(説明は [こちら] )だ。セレニティーのバッテリーは [トロージャン] というマリーン・バッテリーでは定評のあるメーカーのもの。
セレニティーを購入したのは2006年2月。それまで当時のオーナーが亡くなって以来3年以上、南カリフォルニア・ニューポートの常設アンカーに手付かずで係留されていた。ソーラー・パネルなどの充電用器具は無かったし、無論陸電もない状態だったが、バッテリーは生きていた。
セレ二ティーの電気システムは12Vのバッテリー2個の、いわゆる2バンク・システム(2個を同時に使うか、どちらか1個を使うか、切り替えができる)。
購入後も約5年間水の補給を一回も行なうこと無く稼動して来た。タフなバッテリーなのでついメンテを行わなかった。しかし、寒くなった11月末、バッテリー充電のためにエンジンを稼動させようとしたが、#1バッテリーの電圧が10.4Vまで低下しており、12.2Vの#2バッテリーと合わせてもエンジンを始動できなかった。
という訳でコックピット・ロッカーの中の#1バッテリーを点検。蓋を開けて覘いてみるとこの通り。
硫酸希釈のため水の補給が必要な状態。
しかし蒸留水が無かったので取敢えず手元にあった持ち運びのできる12V のジャンプ・スタート用バッテリー(これを艇に置いておくと色々便利)を利用。ジャンプ・スタート用バッテリーの陽極を#1バッテリーの陽極に、同陰極をプロペラ・シャフトにそれぞれクランプで接続、艇のバッテリー・セレクション・スイッチを ALL にして始動させ、30分間充電。
翌週末は下の要領でまず蒸留水を補給したが、その後問題なく始動した。
小さいスポイトでは間尺に合わないのでターキーを焼く時の油取り用スポイト(新品)を使う。
この6チェンバーの#1バッテリーだけで1クォート超(約1ℓ)の水を補給した。
#2バッテリーにも1クォート超を補給。ロートがあるとやりやすい。
エンジンは水を補給した1週間後の週末も問題なく始動した。このトロージャン・バッテリーのペアはセレニティーが係留放置されていた3年間、小生どもが購入してからの5年間、さらに前オーナーが実際にセイリングしていた期間を2年と見ても計10年は持っている計算だ。これから毎年秋バッテリー液の量を確認してまだまだ長生きさせたい。
(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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