2010年12月6日月曜日

インペラ点検・交換

セレニティーのエンジン 1GM10 は2006年2月に換装してから約5年。新品でも5シーズンのセイリングを終えると各所に錆も見える。

最初のインペラ交換は1年半(稼動159時間)後の2007年7月。交換後8ヶ月(稼動34時間)経った2008年3月にチェックした時は異常なし。以来2年9ヶ月(165時間)エンジンの調子は良く、入排水も問題なく出来ていたのでインペラをチェックしていなかった。このオフ・シーズンに予定していた必須メンテ項目のひとつだ。

ポンプ・カバーは [スピード・シール]










右1個のネジを外し、左2個のネジは緩めるだけでカバーを右側にスライドして外せる仕組みだが、見ての通り2年9ヶ月(165時間)手をつけなかったので少しリークした海水が真鍮製カバーに緑青を発生させている。指でネジを開けようとしたがなかなか動かず、布を被せてその上からプライヤーでグイと回してロック状態を解除してから指で回した。

念のため右側のネジと下のネジを外し、左上の1個だけ緩めた状態でカバーをスライドして外した。





方々に緑青が見える。それが固化したシリコン・コンパウンド(シリコン・グリース)と一緒にくっ付いている。

右が今回取り外したインペラ。左は新品。










3年5ヶ月(稼動199時間)経過したインペラは右4枚の羽根の先端が三角になるほど磨耗している。後の2枚に磨耗は見られない。ということはインペラを軸に固定するためのキーが内壁に付いている側が良く擦れるということか。

とにかく3年以上取り替えていないので交換することに決定。ちなみにヤンマーは1000時間毎または毎年の交換を指定している。

両側面と先端部にシリコン・コンパウンドを塗って嵌め込む。








軸は時計と反対方向の左回りなので羽根はこの方向に設定。

スピードシール・カバーのインペラ側。










堆積物を除去して、平たく滑らかにし、Oリング、およびOリングの入る溝を含む全面にシリコン・コンパウンドを塗布してリングを溝に嵌めこむ。(Oリングは点検して異常がなければ何回でも繰り返し使える。)

このカバーをポンプに装着、3本のネジを指で締め、試運転。排水口からの水の出がもっと良くなった。

ついでにポンプ下の2本のオイル・パイプに塗布していたシリコン・コンパウンドもきれいに拭き取り、新しいものを塗布して完了。このオイル・パイプの作業自体は適宜行い(2ヶ月に1回、約10時間毎の頻度)、パイプが塩に喰われないように保護している。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真